数的処理の学習開始!Web問題演習ツール活用のポイントとは?

公務員コラム

はじめに – オンライン数的処理演習の目的

 皆さんこんにちは。公務員講座担当M(行政系担任講師・数的処理担当)です。クレアール公務員講座は、1月5日に2025年目標大卒程度コースでCROSS STUDYをリリースしました。CROSS STUDYは、認知心理学の知見が取り入れた問題演習Webツールです。学習方法の体系的な整理を通じ、知らず知らずのうちに効果的な学習を実践できます。

 Web上での問題演習といえば、皆さんはどのような科目や資格を思い浮かべるでしょうか。高校までの科目で言えば漢字や熟語、法律や歴史。資格で言えば、運転免許やITパスポート、法律系資格。そうした暗記中心の学習を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。公務員講座では、そうした知識系科目に限らず、教養試験の重要科目、数的処理もCROSS STUDYに実装しました。

 暗記科目とは少々性質の異なる数的処理。Webツールを使った学習を想像しにくい方もいらっしゃるかもしれません。そこで本記事では、クレアール公務員講座がCROSS STUDYに数的処理を実装した目的についてお話しします。

CROSS STUDYに数的処理を実装した目的は、主に反復学習と「和文数訳の訓練」の2つです。

受講生の皆さんには、この目的を知っていただき、そのうえでご自身の考える方法でCROSS STUDYを活用いただければと思います。

01.反復学習

 まず、数的処理の学習においても、反復学習は非常に重要です。講義で基礎を学んでからは何周も同じ問題を解き、知識・技術の定着を目指します。端末とオンライン環境があれば手軽に演習でき、学習の記録を活用できるCROSS STUDYは、反復学習を効果的に行えるツールといえます。

 次の図は、公務員講座が推奨する数的処理の学習の流れを表したものです。

クレアールの数的処理学習のコンセプトは「早く、確実に解く方法の習得」です。

学習の初期段階では講義とテキストを用い、素早く問題を解くために必要な視点や手順を学びましょう。テキストではテーマごとに「解法のコンセプト」を示しています。

講義とテキストで取り組んだテーマは、CROSS STUDYで復習しましょう。(※)

 CROSS STUDYには、過去の回答実績に基づいて自動定期配信される「確認テスト」や、自身で問題にタグ付けを行って管理できる「ユーザータグ」主観的に各問題に優先度をつけられる「重要度」などの機能があります。繰り返し学習するうえで重要な、学習履歴の管理を手軽に行うことが可能です。

理解できたテーマは過去問フォーカスを解き、実際の試験問題の解法を実践的に身に着けていきます。

 数的処理は知識問題とは異なり、インプットした知識・技術を自ら活用し、結論を導く科目です。そのため、単に知っているから解けるという性質の問題はあまり存在せず、1周目からスラスラ解けないことは珍しくありません。上記のように技術の活用が求められる数的処理は、日々の継続が重要な科目です。あまり間(ブランク)が開いてしまうと、解けていた問題を解けなくなったり、回答時間が長くなったりすることも珍しくありません。スポーツや音楽、料理などを思い浮かべていただくとわかりやすいかもしれません。CROSS STUDYを使って本番まで辛抱強く継続して復習・演習を行い、知識・技術を自分のものにしてください。

※CROSS STUDYの数的処理問題について1

 CROSS STUDYに実装した問題は、基本講義で学習する各テーマの問題を自力で解けるかどうか確認する趣旨で作成されています。CROSS STUDYに実装した数的処理の全問題は、Web学習システムに解説動画を掲載しています。そのため、不明点を確実に理解することができます。

02.和文数訳の訓練

 数的処理の問題の多くは、文章(日本語)で与えられた条件を数式や図表で整理し、結論を導く形式です。資料解釈は反対に、図表から選択肢の正誤を判断する形式をしています。

 こうした問題を解く過程では、日本語の表現を図や表、数式という「数的処理の表現」に変換する力や、反対に図や表のような「資料解釈の表現」を日本語の表現と照らし合わせる力が求められます。したがって、数的処理の問題を早く正確に回答するためには、日本語の表現と図表・数式の表現を自由に行き来できる力が重要です。筆者の恩師は、この力が求められる動作を「和文数訳」(数文和訳)と呼んでいました。

 英語の学習経験をお持ちの方は、日本語訳を書けるようになるまでの経緯を思い出してみてください。最初は単語や熟語、次に短文、そのまた次に長文・・・と少しずつ難易度を上げていったのではないでしょうか。

 数的処理の「和文数訳」も同じです。最初は講義を受け、講師とテキストから数的処理の表現を学びます。「この表現からはこう数式を作れる」「こう条件が与えられていたら、このような図を作ると解きやすい2」などと、「数訳」の手がかりに気づくための知識や、実際に「数訳」するための技術をインプットしましょう。講義を受けたら、CROSS STUDYを使って問題を解いてみましょう。繰り返しになりますが、CROSS STUDYに実装した数的処理の問題(タグ「ミニマムチェック」がついた問題)は、それぞれの単元の内容に即した基本的な問題が中心です。不明点があった場合には、解説や講義、テキストを使って復習しましょう。初見の英文をスラスラと訳せるまでに練習がいるように、数的処理も繰り返し練習が必要です。

 CROSS STUDYのもっともわかりやすい利点は、紙のテキストやPDF,電子テキストを開かずとも、外出先でも気軽に問題演習に取り組めることだと感じています。出先では計算できないから数的処理の学習は難しい、そうお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、計算はできない状況でも、和文数訳の訓練は可能です。条件から数式を組み立てたり、条件が示す意味を読み取ったりはできます。

  • 「条件がこう与えられているから、文字でおく値はこれにしよう」
  • 「このテーマの解法のコンセプトはこれだ」

といった取り組みやすい訓練から、

  • 「問題文にこの表現があるから、講義で言っていたあの考え方が使えそうだ」
  • 「この条件を数式/図/表にすると、こう書ける」
  • 「この問題ではこの表を書くとうまく解けそうだ。解説ではどう書いてあるだろう→(解説を読む)」
  • 「この選択肢はまともに計算すると大変そうだから、後回しにしよう3

といった実践的なトレーニングまで数的処理の問題をかみ砕き、式や図、表にするまでの過程を訓練することが可能です。日々実際の問題に触れることで、数的処理の頭の使い方を身に着けていきましょう。

おわりに

 ものの上達には日々の鍛錬が重要です。CROSS STUDYでは、自ら設定した重要度に基づく出題や複数テーマを組み合わせたランダム出題4、解答履歴に応じた確認テストの配信など、記憶の定着に効率的な仕組みをさまざま搭載5しております。CROSS STUDYを日々活用し、数的処理の知識・技術を磨いていっていただければ幸いです。

  1. CROSS STUDYの数的処理では、以下の教材の問題を使用しています。
    大卒程度コース:MINIMUM CHECK 
    MINIMUM CHECKの解説講義は、各テーマの「Webテスト」講義です。
    高卒程度・資格免許職コース:別冊問題集(公開準備中です) ↩︎
  2. 文章と図を組み合わせた学習「二重符号化」と呼ばれ、文章のみで理解しようとするよりも記憶に定着しやすく、効率的とされています。 ↩︎
  3. 5肢択一である以上、4つの選択肢の正否がわかれば、残り1つの選択肢を検討する必要はありません。4つの中に正答が無ければ、残りの選択肢が正答です。
     特に資料解釈では、手の込んだ計算を要求する選択肢が入っていることがあります。「この選択肢はまともに取り合うと厄介だ」と見極めることも、重要な視点です。 ↩︎
  4. 分野や科目を混ぜた学習「交互配置」と呼ばれ、単一の分野や単元ばかり学習したときよりも記憶の定着効果が高いとされています。ランダム出題により、本番試験同様、どのテーマの問題か自ら考え、必要な知識を出力する必要が生じます。 ↩︎
  5. CROSS STUDYで活用されている認知心理学の知見について特集したページがございます。
    https://www.crear-ac.co.jp/cstudy/index.html#sevenkeys ↩︎
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