前回は企業法の出題分野によって学習方法を分けて対策することをお伝えしました。
今回は会社法です。商法・金商法については前回投稿をご参照ください。
会社法は自力で条文を参照できるように
専門学校で法律科目に携わる講師は皆「条文が重要」と口を揃えて発言します。とはいえ、「具体的にどう読めばいいの?」と思うのは受講生の共通の悩みです。
筆者も条文集を徹底的に読み込んだ時期がありましたが効果はなく、「どうすればいいんだ!!」と行き詰まった経験があります。
試行錯誤の末、以下の主体的に条文を探す方法が有効と見出しました。名付けて「条文想起法」(大袈裟でしょうか)。
本試験問題を例に一緒に考えてみましょう。
「報酬委員会の委員は、取締役の中から、株主総会の決議によって選任しなければならない。」
令和7年短答式試験第1回:問題12
学習が進まれている方であれば容易に誤りの肢であることは見抜けると思います。
「株主総会の決議」ではなく、「取締役会の決議」が正答となります。
ここでもう少し深掘りしていきましょう。
この選択肢の根拠条文は思い浮かべられますか?
分からなければ、お持ちの六法等で見つけてみましょう。重要な点は解説に記載されている条文番号を参照せずに探し当てることです。
根拠条文です。
「各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。(会社法400条第2項)」
選択肢と条文を比較すると以下がわかります。
①「各委員会」とあるから指名・監査委員会と書き換える問題もあり得る
②「取締役の中から」を「株主の中から」と書き換える問題もあり得る
③次の401条第1項「各委員会の委員は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。」は400条第2項と表裏の関係と分かる
このように、選択肢1つだけでもここまで掘り下げることができます。
主体的に条文を探す学習方法を思いついたのは本試験1ヶ月前でしたが、効果があったと筆者は考えます。
条文構造を理解する上でも有効ではないでしょうか。
試験開始直前までの対策
各分野の学習方法を紹介したところで、本番数日前から試験開始直前(当日9時)までの対策です。
短答式試験の企業法は性質上、直前の丸暗記でも5〜10点の上振れは見込めます。そこで、本番1週間前までには、暗記で対応する箇所を洗い出しておきましょう。
「有価証券報告書を提出しなければならない会社は、当該会社の財務計算に関する書類の監査証明を行う公認会計士又は監査法人の異動が決定された場合、その内容を記載した臨時報告書を、遅滞なく、内閣総理大臣に提出しなければならない。」
令和7年短答式試験第1回:問題19
臨時報告書の提出が求められる内容を問う問題ですが、暗記勝負です。このような箇所は直前にチェックすることで押さえておきましょう。
最後に
短答式試験企業法は数年前より易化傾向にあります。前回の5月試験でも満点を取られた方は一定数いたようです。学習範囲は膨大ですが、高得点が見込める科目でもあり、財務会計論に次いで効果は大きいと筆者は考えています。
繰り返しになりますが、法律科目は条文をベースにした学習が基本です。ご自身の学習スタイルを確立していきましょう。


