①全体レビュー
極端な奇問・難問がほぼない珍しい回
全体を通して易しい〜標準レベルの問題が出題された印象です。数少ない難問は会計学理論1問目の「事前交付」と、CF計算書の為替差損益の扱いくらいでしょうか。
筆者が簿記1級に関わって以降、商業簿記は毎回配点調整の対象となっていましたが、今回はなさそうです。実際の配点が各予備校の予想配点より大きく上回ることはないと考えます。
工原で満点を取る受験生は一定数いると予想
通常、国家試験や検定試験では満点を取らせないような出題がされます(点数に差がつけられないため)。ただし、ここ数年の工原の試験では満点が取れるような出題が続いています。
作問者が変わらない限り、この傾向は続くと思われます。今後の対策として、工原では例題レベルのみを押さえ、空いた時間を商会に回す作戦も有効と考えます。
合格率は12〜15%程度
ここ数年、工原が大幅に易化したことで、目安の10%を超える合格率が続いています。今回も同様になると考えます。商会30点、工原40点(以上)が合格ラインの目安となります。
②工業簿記レビュー
問1・問2は例題レベル
部門別計算が出題されました。問1・問2は完答し、問3の一部は少し難しかったと思います。連立方程式の問題は時間をじっくりかければ解けた問題です。後述の原価計算が20分程度で解答できると見込めるため、時間のプレッシャーを感じることなく解き進めることができたと思われます。
③原価計算レビュー
ほぼテキスト例題レベルの出題
設備投資の意思決定が出題されました。165回試験でも出題された論点です。当時の試験同様、テキスト例題レベルの問題でした。
20分程度で解答完成が見込まれるため、時間に余裕がなかった方は少なかったと思われます。唯一の悩みどころは、問題3の資本コスト率の算定でしょうか。
「節税効果は無視して考えるものとする」の記述に釣られ、資本コスト率に税率を含めて計算された方が一定数いたようです。
とはいえ、ここに影響する箇所(問1・問2・問4)以外は全て正答したいところです。
内部利益率算出のテクニック
今回の試験では問題1:問3で内部利益率を選択形式で選ぶ問題が出題されました。業界用語(?)では試行錯誤法と言われるように、適当な割引率を2つ仮定してその間を比例式で求めることが一般的です。
ここでテクニックを2つご紹介します。
1. 年金原価係数を求める方法
本問のようなに毎年のキャッシュフロー(以下CF)が一定の場合、投資額÷年々のCFで年金原価係数を求められます。
60,000,000÷18,500,00=3.243243…
問題文資料の年金原価係数表より7%(3.3872)と9%(3.2397)の間と判明し、解答はウとなります。
2. 選択肢の内部利益率を用いて投資額に近い金額を探す。
電卓を用いるとこの方法も簡単です。SHARPの電卓であれば以下のように叩きます。
・11%
18,500,000÷1.11====GT
→57,395,245.2569…
・9%
18,500,000÷1.09====GT
→59,934,827.7253…
・7%
18,500,000÷1.07====GT
→62,634,408.244…
同様に投資額60,000,000が9%と7%の間にあることがわかります。
下書きを減らしたい場合、このようなテクニックも有効です。
次回は商会レビューとなります。


