心理系公務員とは
心理学が試験科目にあり、かつ心理学の知識を活かすことの出来る公務員としては、家庭裁判所の調査官、法務省専門職、地方自治体の心理職等様々な職種があります。試験のスタイル(専門択一試験の有無)や勤務条件(転勤の有無等)は異なりますが、心理系公務員を目指す方は数箇所を併願される方が多くなっています。
福祉系公務員とは
福祉系公務員とは、主に都道府県や政令指定都市が運営する施設(福祉事務所や児童相談所等)において、相談やケースワークに関わる職員を指します。国家公務員の採用は少なく、地方公務員試験を受験して採用されるルートが大半です。地方公務員の専門試験は社会福祉分野が主で、その他に社会学や心理学が課されます。
※心理・福祉系の地方公務員試験は、自治体により受験要件が異なります。心理系は大半の自治体が要件を課していませんが、一部に「臨床心理士」等の資格要件を課す自治体があります。また、福祉系では、大半の自治体で「社会福祉主事任用資格(大学の履修科目で容易に取得可能)」を要件とするほか、東京都や特別区のように「社会福祉士」「児童指導員(教員免許で代用可)」「保育士」のいずれかを要件とする自治体もあります。
心理職・福祉職の仕事と特徴
国家総合職(人間科学)
合格後の主な採用先として、法務省や厚生労働省が挙げられます。法務省では、矯正局などで鑑別・相談業務などにあたり、厚生労働省では、職業能力開発局などで、職業指導や職業研究などの業務にあたります。他には、警察庁の科学技術研究所でポリグラフ、筆跡鑑定などの鑑定業務につくこともあるようです。異動は全国規模で行われます。
法務省専門職員(人間科学)
法務省専門職員採用試験には「矯正心理専門職」「法務教官」「保護観察官」という3つの区分があります。矯正心理専門職は法務技官として受刑者に対し、面接や検査を通じて資質鑑別またはカウンセリングなどを行います。法務教官は少年院や鑑別所に収容された少年に対し、社会復帰のための矯正教育に携わり、保護観察官は社会の中において、犯罪をした人や非行のある少年の再犯・再非行を防ぎ改善更生を図るための業務に従事します。
地方上級(心理区分)
地方上級「心理職」は、都道府県や政令市等の自治体に所属し、児童心理司・心理判定員等として、心理面接、心理診断、心理学的援助、児童相談所のケースワーカー等の業務に従事します。さらに、県立病院、こども家庭センターなどで心理判定等の専門的業務に従事することもあります。国家公務員と比較して採用人数の少ない地方公務員心理職ですが、転勤の範囲が限定されるなど数多くのメリットがあり、いずれの自治体も根強い人気を保っています。
裁判所職員(家庭裁判所調査官補)
家庭裁判所は、夫婦や親族間の争いなどの家庭に関する問題を家事審判や家事調停、人事訴訟などによって解決し、さらに非行を犯した少年について処分を決定します。家庭裁判所調査官は、事件の背後にある人間関係や環境を考慮した解決を図るという観点から、例えば離婚、親権者の指定、変更等の紛争当事者や事件送致された少年やその保護者を調査して、紛争の原因や少年が非行に至った動機、成育歴、生活環境等を調査します。
地方上級(福祉区分)
地方上級「福祉職」は、都道府県や政令市等の自治体に所属し、社会福祉施設、児童相談所などで指導員や相談員として、指導、相談、調査などの仕事に従事します。または、健康福祉局、子ども局(自治体により名称は異なります)や区役所などで障がい者、高齢者、児童等、社会福祉に関する専門業務に従事します。
心理・福祉系公務員試験 併願パターン

心理・福祉系公務員試験ガイド
学習スタートの前に、試験の概要を確認しておきましょう。
心理・福祉系公務員の中には、様々な受験先がありますが、試験内容はそれぞれ異なっています。試験種目や科目、出題方式など、学習スタートの前に確認をしておくことが大切です。ここでは、主な受験先の試験内容についてご紹介していますが、より詳しい内容については、試験を行う団体のWebサイトなども併せてご参考ください。

