広島県の公務員試験の難易度は?倍率や広島市との違いについて解説

本記事では、広島県の公務員試験に焦点を当てて、広島県庁と広島市役所の試験の日程や内容、倍率や特徴などについて解説します。併せて、広島県庁職員と広島市役所職員の違いについて、仕事内容や条件面などの観点からご紹介します。


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目次

公務員試験は県庁や市役所で内容が異なる

広島県で公務員として働きたいと考えているのであれば、広島県庁と広島市役所のどちらを選択すべきか悩む方も多いかと思います。広島県庁と広島市役所は1次試験日が重なっているため、残念ながら併願はできません。

試験の採用区分はどちらも「地方上級(大卒程度)」ですが、試験の内容は異なります。そこで次章より、広島県庁と広島市役所の試験概要について解説していきますので、しっかりと整理しておきましょう。

なお、「大卒程度」とは、あくまで試験問題の難易度を示しているにすぎず、学歴によって受験資格を制限するものではないため、ご注意ください。

広島県庁の試験概要(行政・一般事務)

まずは、広島県庁の試験概要についてご紹介します。

広島県庁には様々な職種がありますが、ここでは受験者数が一番多い「行政(一般事務)」を例にして解説していきます。なお、行政(一般事務)は試験区分で、AとBの2つに分かれています。異なるのは試験方法のみで採用後の職務内容などに差異はありません。

受験資格

広島県庁の行政(一般事務)の受験資格は、以下の通りです。
2025年実施データを記載しております。

早期枠(行政SPI方式)22~26歳である者(学歴不問)
一般事務B22~29歳である者(学歴不問)

試験日程

●早期枠(行政SPI方式)
受付期間:3月上旬~4月上旬
第一次試験 試験日:4/上旬~中旬(テストセンターで期間中に受検)※アピールシートも提出
第一次試験 合格発表日:4月下旬
第二次試験 試験日:5月下旬に指定のある1日
最終合格発表日:6月中旬

●行政(大卒程度)
受付期間:3月上旬~5月上旬
第一次試験 試験日:6月中旬
第一次試験 合格発表日:6月下旬
第二次試験 試験日:7月上旬~7月中旬に指定のある1日
第二次試験 合格発表日:7月中旬
第三次試験 試験日:8月上旬
最終合格発表日:8月下旬

なお、試験日程は状況によって変更になる場合があるため、最新の試験スケジュールは、受験先の自治体HPにて必ずご確認ください。
参照:広島県職員採用試験情報

試験内容

ここでは2025年度における「行政(早期枠・大卒程度)」試験を例にして解説していきます。大卒程度は従来の地方上級と同様の試験形式です。早期枠は、幅広い分野から多様な視点・発想を持った人を採用する目的で、専門試験の代わりにアピールシート試験と面接を行います。

早期枠の場合

第一次試験

【SPI3基礎能力検査】
配点:45点
試験時間:70分
[内容]言語理解力や数量的処理能力、論理的思考力についての筆記試験。

【アピールシート試験】
配点:45点
試験時間:60分
[内容]県職員として働く意欲、これまでの様々な活動を通じて培った能力や成果などに関する自己アピール。

第二次試験

面接試験(個別)】
配点:60点 オンライン面接
使命感、信頼感、コミュニケーション力、判断力、積極性、達成力などについての面接試験

第三次試験

【論文試験】
配点:20点
試験時間:90分
[内容]思考力、構成力等についての筆記試験(800字程度)
【面接試験】
配点:120点 対面面接
使命感、信頼感、コミュニケーション力、判断力、積極性、達成力などについての面接試験
※個別面接の冒頭で、事前に示す課題に基づいてプレゼンテーションを行う

■大卒程度の場合

第一次試験

【教養試験】
配点:45点 試験時間:110分
[内容]一般的知識及び知能についての筆記試験

専門試験】
配点:55点 試験時間:120分
[内容]各試験区分に応じた専門的知識、能力、技術などについての筆記試験

【論文試験】
配点:20点 試験時間:90分
[内容]思考力、構成力等についての筆記試験(800字程度)

第二次試験

【面接試験(個別)】
配点:60点
[内容]対面面接 使命感、信頼感、コミュニケーション力、判断力、積極性、達成力などについての面接試験

試験倍率

採用予定数第1次受験者数第1次合格者数最終合格者数合格倍率
SPI方式24人程度56人46人27人2.1倍
一般行政A90人程度342人254人143人2.4倍

上記は2024年度採用試験の結果ですが、全国の地方上級の倍率は4倍前後のため、平均より低めの倍率と言えるでしょう。(試験の区分は2024年実施時に併せております。「SPI方式」が早期枠、「一般行政A」が大卒程度です)

広島市の試験概要(行政事務)

続いて、広島市役所の試験概要についてご紹介します。
広島市役所にも様々な職種がありますが、ここでは受験者数が一番多い「行政事務」を例にして解説していきます。

受験資格

広島市役所の行政事務の受験資格は、「30歳未満であること」のみです。そのため、2022年度試験の場合は、1993年4月2日以降に生まれた人であれば、受験資格がありました。
広島県庁と同様に、学歴による制限はないため、年齢制限さえクリアしていれば受験が可能です。

試験日程

受付期間:4月下旬~5月中旬
第一次試験日:6月中旬
第一次試験合格発表日:6月下旬
第二次試験日:6月下旬~7月下旬
第二次試験合格発表日:7月下旬
第三次試験日:8月上旬~8月下旬
第三次試験合格発表日:9月上旬

例年、6月下旬から第1次試験が始まり、8月中に第3次試験まで終了します。
なお、試験日程は状況によって変更になる場合があるため、最新の試験スケジュールは、受験先の自治体HPにて必ずご確認ください。
参照:広島市職員採用情報サイト

試験内容

Ⅰ種の場合

第一次試験

【筆記試験】
【内容】
択一式
・教養[大学卒程度]
・専門※

第二次試験

【面接試験】
【内容】
個別
【小論文試験】

第三次試験

【面接試験】
【内容】
個別
【集団討論試験】

※I種行政事務の専門試験は、申込時に「法律」「経済」「行政」の中から1科目選択します。

試験倍率

申込者数第1次受験者数第1次合格者数第2次受験者数第2次合格者数第3次受験者数最終合格者数合格倍率
行政事務 (SPI枠)412人365人53人41人20人19人11人33.2倍
行政事務
(一般枠)
407人316人277人265人229人221人135人2.3人

上記は2024年度採用試験の結果ですが、広島市役所の行政事務はここ数年、5倍前後の倍率を推移しています。

広島市役所の試験は、広島県庁と違い、1~3次試験の総合点で合否が決まります。そのため、筆記試験・面接試験ともに重要となってきます。ただし、面接試験の配点が高い(筆記試験:500点、面接試験:900点)ため、筆記試験がギリギリの合格であったとしても、面接で挽回することは十分に可能です。

なお、広島市役所では3次試験に「集団討論」がある点も特徴です。集団討論では積極的に発言するだけでなく協調性も重視されるため、事前にしっかりと対策しておきましょう。

広島県庁職員と広島市役所職員の違い

冒頭でも述べた通り、広島県庁と広島市役所は併願ができません。そのため、どちらを選択するか慎重に検討する必要がありますが、そのためには両者の違いについて事前に理解しておいた方がいいでしょう。

そこで本章では、広島県庁職員と広島市役所職員の違いについて解説します。
具体的には、以下の3つの項目について見ていきます。

  • 仕事内容
  • 給与・手当
  • 勤務地

仕事内容

【広島県庁】

広島県庁の仕事は多岐にわたりますが、基本的には市町村の範囲を超えた広域業務(総合開発計画や河川の整備など)や、地域的な統一業務(義務教育や警察の運営など)といった、包括的な調整業務が中心となります。

そのため、広島県庁職員の仕事の相手としては、役所や法人の人間がメインとなり、広島県民と関わることはあまり多くないでしょう。

【広島市役所】

一方、広島市役所の仕事内容としては、戸籍や税務、公共施設の整備や管理、福祉や教育に関する相談対応といった、地域住民の日常生活に必要な行政サービスが中心となります。

そのため、必然的に市民と接することが多くなり、「地域住民の役に立っている」と実感できる機会も多いと言えるでしょう。

給与・手当

【広島県庁】

広島県庁職員の初任給(令和4年4月1日現在)については、一般行政職区分の大卒程度で「203,100円」となっています。ただし、民間給与の動向により改定されることもあります。また、職歴や学歴などに応じた加算や、状況に応じた手当(扶養手当や住居手当など)も支給されます。

平均給与月額413,425円
平均賞与1,765,700円
平均年収6,726,800円
平均退職金(勧奨・定年)20,941,000円
※2021年データ

【広島市役所】

広島市役所職員の初任給(令和3年4月1日現在)については、一般行政職区分の大卒程度で「179,500円」となっています。広島市役所では10%の地域手当が付く点や、特殊勤務手当(日額支給)が充実している点が特徴と言えます。

平均給与月額433,060円
平均賞与1,693,000円
平均年収6,889,720円
平均退職金(勧奨・定年)22,609,000円
※2021年データ

配属先

【広島県庁】

広島県庁の新規採用職員は、基本的に本庁または出先機関に配属されます。その後、本庁と出先機関の両方を行き来する形で、3〜5年程度で異動を繰り返します。

県庁職員の異動対象としては、広島県全体です。そのため、場合によっては引っ越しや単身赴任が必要になるケースもあります。なお、広島県では独身寮や職員住宅も充実しており、これらの施設に入って勤務する職員も多いようです。

【広島市役所】

広島市役所に採用された場合には、基本的に本庁事業部門や区役所等に配属されます。その後はジョブローテーション期間を経て、適性や勤務状況などにより異動があります。

なお、市役所職員の異動対象は広島市内に限定されるため、引っ越しや単身赴任が必要になることは基本的にないでしょう。

広島県内の市役所試験データ

※2024年実施データ

 1次試験日年齢試験内容 
6/1634教養+専門 
竹原9/835SCOATC:8/31~9/8
三原7/1427教養(StandardⅠ)、論作文 
尾道6/2326SPI3 
福山6/15,1633教養(LogicalⅠ) +専門、論作文SPI型あり
府中9/21,2229BEST 
三次9/2229総合適性検査、論作文 
庄原9/130教養(StandardⅡ)、論作文 
大竹9/2230教養(StandardⅡ)、論作文 
東広島9/2235教養(LogicalⅠ)、論作文1次書類選考あり
廿日市6/1630教養(StandardⅠ)、論作文SPI3区分もあり
安芸高田6/17~2840SCOA-C 
江田島9/2229BEST,論作文 

どちらを目指すにしても試験を突破することが必要

繰り返しになりますが、広島県庁と広島市役所は併願ができません。そのため、自己分析を行った上でどちらに出願するか、しっかりと検討しておきましょう。

とはいえ、どちらを目指すにしても試験を突破する必要があります。昨今は地方公務員の人気も高まっており、倍率も上昇傾向にあるため、しっかりと計画を立てて準備を進めましょう。

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この記事を監修した人
クレアール公務員相談室タニオカ
これまで、公務員試験の受験・学習を考える3,000人以上の相談に答えた実績を持つアドバイザー。「公務員 転職ハンドブック」「ココからスタート!公務員試験入門ハンドブック」などを執筆。

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