福岡県の公務員試験の内容は?倍率や試験科目、内容について解説

本記事では、福岡県の公務員試験に焦点を当てて、福岡県庁と福岡市役所の試験の受験資格や日程、倍率や特徴などについて解説します。併せて、福岡県庁職員と福岡市役所職員の違いについて、仕事内容や条件面などの観点からご紹介します。福岡県で公務員として働きたいという方はぜひ参考にしてみてください。


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目次

県庁や市役所によって試験内容は異なる

福岡県で公務員を目指すのであれば、福岡県庁や福岡市役所での勤務が候補として挙げられます。福岡県庁と福岡市役所は試験の日程が重ならないため、併願が可能です。しかし、試験の内容や特徴は両者で異なるため、それぞれ個別の対策が必要となります。

そこで、福岡県庁と福岡市役所の試験概要について、それぞれご紹介します。受験を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

福岡県庁の試験概要

まずは、福岡県庁の試験概要についてご紹介します。福岡県庁の職種は多岐にわたりますが、ここでは「行政区分」を例にして解説していきます。

受験資格

Ⅰ類行政 (大卒程度)・21~28歳である者(2023年度試験の場合は、1994年4月2日から2002年4月1日までに生まれた者) ・大学を卒業した人、又は採用年の3月31日までに卒業する見込みの人
Ⅱ類行政 (短大卒程度)・19~24歳である者(2023年度試験の場合は、1998年4月2日から2004年4月1日までに生まれた者)
Ⅲ類行政 (高卒程度)・17~22歳である者(2023年度試験の場合は、2000年4月2日から2006年4月1日までに生まれた者) ・ただし、大学(短期大学)における在学期間が2年を超える人を除く

試験難易度の目安はありますが、基本的に年齢制限さえクリアしていれば誰でも受験可能であり、学歴等は問われません。ただし、地方公務員法第16条に該当する者(禁錮以上の刑が執行中の者など)は受験できません。
(参照:地方公務員法第16条)

試験日程

Ⅰ類行政(大卒程度)

Ⅰ類行政(大卒程度)
申込期間:4月下旬~5月中旬
第一次試験日:6月中旬
第一次試験合格発表日:6月下旬
第二次試験日:7月中
最終合格発表日:8月上旬

Ⅱ類行政(短大卒程度)

申込期間:7月上旬~中旬
第一次試験日:9月下旬
第一次試験合格発表日:10月上旬
第二次試験日:10月中旬~11月上旬
最終合格発表日:11月中旬

Ⅲ類行政(高卒程度)

申込期間: 7月上旬~中旬
第一次試験日:9月下旬
第一次試験合格発表日:10月上旬
第二次試験日:10月中旬~11月上旬
最終合格発表日:11月中旬

例年、Ⅰ類行政(大卒程度)は4月下旬から申込期間が始まり、第一次試験は6月中旬、第二次試験は7月中に実施されています。
一方、Ⅱ類行政(短大卒程度)とⅢ類行政(高卒程度)は7月上旬から申込期間が始まり、第一次試験は9月下旬、第二次試験は10月中旬から11月上旬の間に実施されています。
なお、試験日程は状況によって変更になる場合があるため、最新の試験スケジュールは、受験先の自治体HPにて必ずご確認ください。
参照:福岡県職員採用試験のお知らせ

試験内容(行政)

Ⅰ類行政(大卒程度)の場合を解説します。

第一次試験

教養試験】配点:50点 試験時間:150分
内容:公務員として必要な一般的な知識及び知能について(五肢択一式50問)
【専門試験】配点:50点 試験時間:120分
内容:各試験区分に必要な専門的知識等の能力について(五肢択一式50問)

第二次試験

論文試験】配点:20点
内容:専門的知識、文章による表現力、文章構成力等の能力について
【人物試験】配点:100点
内容:人柄等についての個別面接及び適性検査による試験
【受験資格等の調査】配点:‐
内容:受験資格の有無、受験申込書記載事項の真否等について

以下はⅡ類行政(短大卒程度)の場合です。

一次試験

【教養試験】配点:50点 試験時間:150分
内容:公務員として必要な一般的な知識及び知能について(五肢択一式50問)

【専門試験】配点:50点 試験時間:120分
内容:各試験区分に必要な専門的知識等の能力について(五肢択一式50問)

第二次試験

【論文試験】配点:20点
内容:専門的知識、文章による表現力、文章構成力等の能力について
【人物試験】配点:100点
内容:人柄等についての個別面接及び適性検査による試験
【受験資格等の調査】配点:‐
内容:受験資格の有無、受験申込書記載事項の真否等について

以下はⅢ類行政(高卒程度)の場合です。

第一次試験

【教養試験】配点:50点 試験時間:150分
内容:公務員として必要な一般的な知識及び知能について(五肢択一式50問)

第二次試験

【作文試験】配点:20点
内容:文章による表現力、課題に対する理解力等の能力について

【人物試験】配点:100点
内容:人柄等についての個別面接及び適性検査による試験

【受験資格等の調査】配点:‐
内容:受験資格の有無、受験申込書記載事項の真否等について

試験倍率(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ類行政)

受験者数第一次試験合格者数第二次試験合格者数倍率

Ⅰ類行政

419人

102人

64人

6.5倍

Ⅱ類行政

148人

60人

41人

3.6倍

Ⅲ類行政

358人

110人

71人

5.0倍

上記は2022年度採用試験の結果ですが、他の自治体が10倍を越す場合もあるため、倍率としてはそこまで高くないと言えるでしょう。

福岡県庁試験は全般的に面接における配点が高く、人柄を重視している傾向にあります。そのため、面接対策が重要なのは間違いないですが、第一次試験で不合格になる人も多く、筆記試験も含めた総合的な対策が必要と言えるでしょう。

福岡市役所の試験概要(初級・中級・上級行政)

続いて、福岡市役所の試験概要についてご紹介します。福岡市役所の職種も多岐にわたりますが、ここでは同様に「行政」を例にして解説していきます。

受験資格

上級行政
(大卒程度)
・21~28歳である者(2023年度試験の場合は、1994年4月2日から2002年4月1日までに生まれた者)
・大学(短大を除く)を卒業した人、又は採用年の3月31日までに卒業する見込みの人
・人事委員会が上記に掲げる資格と同等の資格があると認める人
中級行政
(短大卒程度)
・18~23歳である者(2023年度試験の場合は、1999年4月2日から2004年4月1日までに生まれた者)
・ただし、四年制大学在学者及び卒業者は除く
初級行政
(高卒程度)
・16~21歳である者(2023年度試験の場合は、2001年4月2日から2006年4月1日までに生まれた者)

福岡県庁と同様、試験難易度の目安はありますが、基本的に年齢制限さえクリアしていれば誰でも受験可能であり、学歴等は問われません。
ただし、日本国籍を有しない者や、地方公務員法第16条に該当する者(禁錮以上の刑が執行中の者など)は受験できないため、注意が必要です。
(参照:地方公務員法第16条)

試験日程

上級行政

受付期間:5月上旬~中旬
第一次試験日:筆記試験は6月中旬、口頭試問は7月上旬
第一次試験合格発表日:7月中旬
第二次試験日:8月中旬~下旬
第二次試験合格発表日:9月上旬

中級行政

受付期間:7月下旬~8月中旬
第一次試験日:筆記試験は9月下旬、口頭試問は10月上旬~中旬
第一次試験合格発表日:10月下旬
第二次試験日:10月下旬~11月中旬
第二次試験合格発表日:11月下旬

初級行政

受付期間:7月下旬~8月中旬
第一次試験日:9月下旬
第一次試験合格発表日:9月下旬
第二次試験日:10月中旬~11月上旬
第二次試験合格発表日:11月下旬

例年、上級行政は5月上旬から申込期間が始まり、第一次試験の筆記試験は6月中旬、口頭試問は7月上旬、第二次試験は8月中旬から下旬の間に実施されています。

中級行政はおおよそ7月下旬から申込期間が始まり、第一次試験の筆記試験は9月下旬、口頭試問は10月上旬から中旬の間、第二次試験は10月下旬から11月中旬の間に実施されています。

初級行政はおおよそ7月下旬から申込期間が始まり、第一次試験は9月下旬、第二次試験は10月中旬から11月上旬の間に実施されています。

なお、試験日程は状況によって変更になる場合があるため、最新の試験スケジュールは、受験先の自治体HPにて必ずご確認ください。
参照:福岡市職員採用情報

試験内容

2022年度の上級行政試験の場合を解説します。

第一次試験

【教養試験】配点:100点 試験時間:150分
内容:公務員として必要な一般的な知識及び知能について(五肢択一式50問)

【専門試験】配点:100点 試験時間:120分
内容:各募集区分に必要な専門的知識等の能力について(五肢択一式50問)

【口頭試問】配点:180点
内容:個別面接

第二次試験

【論文】配点:40点 試験時間:75分
内容:論文試験(1,000字程度)

【口頭試問】配点:200点
内容:個別面接及び口頭試問の参考とするための適性検査

以下は2022年度の中級行政試験の場合です。

第一次試験

【教養試験】配点:100点 試験時間:150分
内容:公務員として必要な一般的な知識及び知能について(五肢択一式50問)

【専門試験】配点:100点 試験時間:120分
内容:各募集区分に必要な専門的知識等の能力について(五肢択一式50問)

【口頭試問】配点:180点
内容:個別面接

第二次試験

【論文】配点:40点 試験時間:75分
内容:論文試験(1,000字程度)

【口頭試問】配点:200点
内容:個別面接

2022年度の初級行政試験の場合

第一次試験

【教養試験】配点:100点 試験時間:150分
内容:公務員として必要な一般的な知識及び知能について(五肢択一式50問)

第二次試験

【作文】配点:40点 試験時間:60分
内容:作文試験(800字程度)

【口頭試問】配点:200点
内容:個別面接及び口頭試問の参考とするための適性検査

試験倍率

申込者数

第一次受験者数

第一次合格者数

第二次受験者数

最終合格者数

合格倍率

上級行政

707人

464人

94人

77人

56人

8.3倍

中級行政

312人

149人

56人

55人

38人

3.9倍

初級行政

548人

363人

113人

107人

55人

6.6倍

上記は2022年度採用試験の結果ですが、全国の地方上級の倍率は5倍前後であるため、福岡市役所の上級行政はかなりの激戦区と言えるでしょう。

福岡市役所は第一次試験・第二次試験ともに、口頭試問の配点が最も高い点が特徴です。しかし、他県に比べて筆記試験の配点も高いため、まんべんなく対策できるよう、しっかりと学習計画を立てることが重要です。

福岡県庁職員と福岡市役所職員の違い

福岡県庁と福岡市役所は併願が可能ですが、どちらがより希望のキャリアプランに合っているのか判断するためには、両者の違いを把握しておいた方がいいでしょう。

そこで本章では、福岡県庁職員と福岡市役所職員の違いについて解説します。
具体的には、以下の3つの項目について見ていきます。

仕事内容

【福岡県庁】

  • 政策の企画・立案
  • 条例の制定・改定
  • 道路や河川、空港などの公共工事
  • 雇用
  • 大学などの設置
  • 産業振興

福岡県庁の仕事は多岐にわたりますが、基本的には市町村の範囲を超えた広域業務(政策の企画・立案や条例の制定・改定、道路・河川の整備など)がメインとなります。

また、福岡県は九州の中心部としてだけではなく、アジアの窓口としても力を入れているため、福岡県庁ではアジア関係の業務が多い点も特徴です。具体的には、「グリーンアジア国際戦略総合特区」の推進などを行っており、アジアの産業拠点を目指す活動を積極的に行っています。

【福岡市役所】行政職の場合

  • 戸籍や住民登録などに関する手続き
  • 税務や福祉に関する相談対応など
  • 地域の防災・防犯対策
  • 福岡市の魅力をPRする業務やまちづくりの計画を策定する業務

一方、福岡市役所の仕事内容としては、戸籍に関する手続きや税務・福祉に関する相談、地域の防災・防犯対策といった、地域住民の日常生活に必要な行政サービスが中心となります。ただし、福岡市は政令指定都市の1つであるため、都道府県の業務(児童相談所の設置や老人ホームの認可など)も一部担っています。

また、福岡市は東アジアの主要都市(ソウルや上海・北京・台北など)と距離が近いこともあり、「アジアのリーダー都市」を目指し様々な試みを行っている点も、福岡市役所の特徴です。

給与・手当

【福岡県庁】

福岡県庁職員の初任給(2022年4月1日現在)については、Ⅰ類行政で「201,000円」、Ⅱ類行政で「180,000円」、Ⅲ類行政で「165,000円」となっています。ただし、条例などの改正により変更されることもあります。また、職歴や学歴などに応じた加算や、状況に応じた手当(扶養手当や住居手当など)も支給されます。

平均給与月額411,689円
平均賞与1,568,800円
平均年収6,509,068円
平均退職金(勧奨・定年)22,627,000円
※2021年データ(一般行政職)

【福岡市役所】

福岡市役所職員の初任給(2022年4月1日現在)については、上級(大卒程度)が「197,230円」、中級(短大卒程度)が「174,020円」、初級(高卒程度)が「159,280円」となっており、他県に比べてかなり高水準です。ただし、条例などの改正により変更されることもあります。また、状況に応じた手当(扶養手当や住居手当など)も支給されます。

平均給与月額420,604円
平均賞与1,549,800円
平均年収6,597,048円
平均退職金(勧奨・定年)22,167,000円
※2021年データ(一般行政職)

配属先

【福岡県庁】

福岡県庁は幅広い分野に対応できる人材の育成を目的として、最初の配属の後は、概ね3~4年のサイクルで人事異動があり、多様な職務を経験できます。その後、本人の適性や希望を基に配属先が決められます。

また、福岡県庁ではワークライフバランスも重視されており、男性の育児参加や産休・育休の取得を積極的に推奨している点も特徴です。

【福岡市役所】

福岡市役所は職員の意欲・適性・能力などを考慮し、概ね3~5年程度のサイクルで人事異動が行われます。その他、福岡市役所では、最初の1年目の業務を年齢の近い先輩がサポートする「職場トレーナー制度」を採用している点が特徴です。

また、「福岡市特定事業主行動計画」を策定し、福岡県庁と同様、働きやすい職場と働きがいのある職場づくりを目指しています。

福岡県内の市役所試験データ 2023年度

1次試験日年齢 試験内容備考
大牟田9/2~1629事務能力検査、論作文 
久留米6/18、7/3~635教養+専門1次事務能力試験あり
直方6/1~2730SPI3、論作文1次書類選考あり
飯塚9/1728教養(StandardⅠ)、論作文 
田川10/1527教養(StandardⅡ)、論作文 
柳川9/1729教養、論作文1次事務能力診断あり
八女7/10~2329SCOA-A,C1次書類選考あり
筑後9/1735SCOA-A,C1次録画面接あり
大川9/1730教養(LogicalⅠ)、論作文SPI3型あり
行橋9/1727教養(LogicalⅠ)+専門、論作文 
豊前9/11~2629基礎能力検査、論作文 
中間9/16~3037SCOA-A,C 
小郡9/1739教養(LogicalⅡ) 
筑紫野7/927教養(StandardⅠ) 
春日4/7~2531SPI3、論作文 
大野城6/1130教養(StandardⅠ)、論作文 
宗像9/16~2825ヒアリングシート、基礎能力試験(2次)1次書類選考、録画面接あり
大宰府6/2~7/227SPI31次書類選考あり
古賀4/25~5/2731SPI3(2次)1次書類選考、録画面接あり
福津4/26~5/2426SPI3 
うきは録画面接※25SCOA-A・C(2次)、論作文 
宮若9/1730教養(StandardⅡ)、論作文 
嘉麻9/5~2026SCOA-A,C 
朝倉9/1730教養(Light)、論作文 
みやま9/1729教養(LogicalⅠ)、論作文 
糸島8/12~9/1135SPI3 
那珂川市9月16日30SPI3、論作文 

福岡県の公務員試験を突破するには、計画的な学習が必須

福岡県庁・福岡市役所ともに、ワークライフバランスや働きがいを重視しており、非常に魅力的な職場とえます。ただ、それだけに志望者も多く、採用試験を突破するのは決して容易ではありません。筆記・論文・面接と、まんべんなく対策が必要になるため、計画的な学習が必須と言えるでしょう。

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この記事を監修した人
クレアール公務員相談室タニオカ
これまで、公務員試験の受験・学習を考える3,000人以上の相談に答えた実績を持つアドバイザー。「公務員 転職ハンドブック」「ココからスタート!公務員試験入門ハンドブック」などを執筆。

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