「川崎市の職員になるには?」「採用試験の倍率や難易度は?」などが気になる方も多いでしょう。この記事では、川崎市の採用試験の日程や倍率・難易度、平均年収まで、受験生が気になるポイントを徹底解説します。川崎市採用試験の受験を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
川崎市職員の仕事内容

川崎市は政令指定都市であり、市役所は25の組織で構成されています。川崎市の職員は地域社会に貢献し、市民の生活を支えるというやりがいのある仕事を行っています。
仕事内容は部署によって異なりますが、概ね3年サイクルで異動するため、教育・福祉・都市計画・環境保全などさまざまな分野の仕事を経験可能です。
たとえば行政事務の仕事としては、市政に関する計画の策定、施策立案、事業実施、住民対応などがあります。市民に寄り添い、市民生活を直接支えることが求められる仕事で、多様な経験を積めるのが魅力です。
川崎市職員のキャリアパス
川崎市では、職員1人ひとりのキャリア形成を支援するため、さまざまな取り組みが行われています。ここでは、キャリアアップと人事異動について解説します。
キャリアアップ
川崎市では、入庁から3年目までを「重点取組期間」と位置づけ、集中的な人材育成を行っています。
職員の評価は、個人目標の達成度を評価する「業績評価」と、能力や姿勢を評価する「能力評価」の2本柱で行われる仕組みです。評価基準を明確にし、評価結果をフィードバックするなど、能力開発や人材育成の体制が整えられています。
また、女性の活躍推進にも力を入れており、令和6年度の人事では女性管理職比率が25%と過去最高を記録しました。
人事異動
川崎市では、職員の意向やキャリアアップの希望を重視して配属・異動を行っています。とくに、30歳程度までの若手職員は、概ね3年サイクルで人事異動がなされます。
本庁や出先機関など、さまざまな部署で幅広い業務を経験することで、職員の視野を広げ、適性を見極めることが可能です。
また、能力や意欲を活かせる部署に自ら応募できる庁内公募制度も実施されています。
このように川崎市では、計画的な人事異動を通じて職員の成長と活躍を後押ししています。
川崎市職員の給与・年収
令和5年10月6日のデータによると、令和5年4月1日からの川崎市職員の給与は以下のとおりです。
区分 | 給与 |
---|---|
平均給与月額 | 411,332円 |
事務・技術関係の初任給(大学卒) | 217,150円 |
事務・技術関係の初任給(高校卒) | 179,279円 |
出典:川崎市人事委員会|令和5年 職員の給与に関する報告及び勧告の本文
毎月の支給額の他に、期末・勤勉手当(ボーナス)として年間4.5カ月分(夏2.25、冬2.25)が支給されています。これらを合わせた川崎市職員の平均年間給与額は約680万円(平均給与月額×12カ月分+4.5カ月分)です。
川崎市の求める人材像

川崎市では、職員のあるべき姿として人材ビジョンを示し、職員の育成に取り組んでいます。
人材ビジョン
『全ては市民のために』という考えのもと、職員全員が、行政のプロフェッショナルとして、いきいきと仕事に取り組み、未来に向けてチャレンジしている
さらに、川崎市の職員には、5つの基礎力と4つの意識が求められます。詳細は以下のとおりです。
職員に求められる「力」と「意識」
【5つの基礎力】
対話する力・考え抜く力・前に踏み出す力・伝える力・やり抜く力
【4つの意識】
市民志向・チャレンジ意識・コスト意識・倫理観
川崎市では市の課題に対応し、市民とともに未来をつくっていける能力を持つ人材が求められています。職員のあるべき姿として人材ビジョンを示し、5つの基礎力と4つの意識を兼ね備えた職員を育成するために力を入れています。
川崎市職員の採用試験
川崎市職員の採用試験の概要について説明します。なお、受験案内の内容は状況によって変更になる場合があるので、最新の情報は川崎市のホームページにて必ず確認してください。
試験区分
川崎市職員の採用試験では、複数の試験区分が設けられています。最も採用数が多いのは、大学卒業程度の区分です。この区分では、次の試験種が設けられています。
行政事務・社会福祉・心理・学校事務・土木・電気・機械・造園・建築・化学・消防士・薬剤師・獣医師・保健師
大学卒業程度の区分では、行政事務の採用予定人員が最も多く、令和6年度試験の採用予定人員は120人程度です。受験を検討している方は、自分の学歴や専門分野、志望する職種に合わせて適切な試験区分を選びましょう。
受験資格
【令和6年度大学卒業程度・行政事務の受験資格】
・平成7年4月2日から平成15年4月1日までに生まれた人(22歳から29歳までの人)
・平成15年4月2日以降に生まれた人で、次のいずれかに該当する人
ア 大学を卒業した人又は令和7年3月までに卒業見込みの人
イ 川崎市人事委員会がアと同等の資格があると認める人
川崎市の採用試験、大学卒業程度、行政事務の受験資格は上記のとおりです。行政事務の場合、年齢制限をクリアできれば国籍や学歴問わず受験できます。ただし同じ大学卒業程度の試験区分でも、消防士は日本国籍を持つ人のみが対象となります。
受験を希望する方は、自分が受験資格を満たしているか最新の情報を必ず確認しましょう。
日程
【令和6年度大学卒業程度・行政事務の試験日程】
申込期間:【電子申請】4月10日(水)~5月15日(水)
第1次試験日: 6月16日(日)
第1次試験合格発表日:7月17日(水)
第2次試験日:7月23日(火) ~ 8月7日(水) のうち指定する1日
最終合格発表日: 8月15日(木)
令和6年度採用試験の大学卒業程度・行政事務の試験日程は上記のとおりです。
小論文試験は第2次試験として設けられていますが、第1次試験の総合筆記試験と同日に実施されます。第1次試験と第2次試験は同時期に対策を進める必要がある点に注意しましょう。
なお、小論文試験の採点は第1次試験合格者のみが行われ、最終的な合否判定に使用されます。
試験内容
【令和6年度大学卒業程度・行政事務の試験内容】
- 第一次試験
【総合筆記試験】配点:300点(面談試験と合算) 試験時間:3時間
【内容】筆記試験:択一式60問
知能系(20問程度):文章理解(現代文・英文)判断推理・数的推理・資料解釈
知識系(40問程度):法律(憲法・民法・行政法)政治学・経済学・財政学・社会及び現代の社会に関する問題
【面談試験】配点:300点(総合筆記試験と合算) 試験時間:20分
【内容】机を挟んだ対話形式(2対1)の個別面談・人物的な側面・仕事に対する意欲/適性・コミュニケーション能力などを評価- 第二次試験
【面接試験(個別面接)】
配点:700点(小論文試験と合算)
試験時間:30分
【内容】
個別面接(3対1)
人物的な側面・仕事に対する意欲/適性・コミュニケーション能力などを評価
【小論文試験】
配点:700点(面接試験と合算)
試験時間:80分
【内容】
一般的な行政課題や時事問題などが出題・問題意識、論理性、表現力などについて評価
川崎市職員採用試験の試験内容は、上記のとおりです。川崎市の大学卒業程度・行政事務の採用試験では、公務員試験で一般的に実施されている教養試験・専門試験ではなく「総合筆記試験」が実施されます。
総合筆記試験では、「数的処理・文章理解」などの教養問題と、他の公務員試験の専門試験で出題される「法律・政治・経済」などの問題が混合して出題されるのが特徴です。
川崎市職員の採用試験の倍率・難易度

申込 | 1次受験 | 面談試験対象 | 1次合格 | 最終合格 | 倍率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
令和5年度 | 1130人 | 784人 | 604人 | 348人 | 193人 | 4.1倍 |
令和4年度 | 1440人 | 1035人 | 605人 | 345人 | 174人 | 5.9倍 |
令和3年度 | 1247人 | 836人 | 602人 | 363人 | 251人 | 3.3倍 |
川崎市職員採用試験の倍率は、上記のとおりです。最終倍率は例年4倍前後で推移しています。
人物試験の比重が高いことが特徴で、1次試験の面談試験で不合格となるケースが多い傾向にあります。ただし、1次試験の合否は総合的に判定されるため、筆記試験でも一定の点数を取得しないと1次試験突破は難しいです。
限られた時間の中で効率よく勉強するなら、通信講座がおすすめです。「クレアール」では、自宅や外出先から、自由に学ぶことのできるWeb通信の公務員講座を提供しています。
筆記試験対策はもちろん、人物試験対策においても手厚いサポートを受けられるのがクレアールの魅力です。実際に、クレアールの公務員通信講座では数多くの合格者を輩出しています。まずは学習相談から始めることもできるので、ぜひお気軽にクレアールにお問合せください。
川崎市職員の採用試験の対策ポイント
川崎市職員の採用試験に合格するには、どのような対策が必要なのでしょうか。ここでは、試験内容別の対策ポイントを解説します。
総合筆記試験の対策ポイント
総合筆記試験は、教養試験と専門試験で構成されています。とくに、法律科目を重点的に対策することが対策のポイントです。憲法、民法、行政法などの基本的な知識を身につけるとともに、条文の趣旨や重要判例を理解しましょう。
また、過去問を繰り返し解いて、出題傾向や頻出テーマを把握することも不可欠です。
面談試験の対策ポイント
面談試験では、川崎市職員としての意欲やビジョンを具体的に示すことが求められます。「自分がなぜ川崎市職員を志望するのか」、「どのような職員を目指すのか」などを明確に伝えることが重要です。
また、川崎市職員に求められる能力や川崎市の政策についても、十分に理解しておく必要があります。川崎市の直面する課題や将来像を把握し、自分の考えを述べられるよう準備しましょう。
小論文試験の対策ポイント
小論文試験では、川崎市が実施する政策や、重視するビジョンを理解し、課題や政策に対する自分なりの意見をまとめることが求められます。
たとえば、令和3~5年度の小論文試験では
「たと脱炭素化の取組み」《要確認》
「川崎市らしい環境をつなぐための取組み」
「最幸のまち かわさきを実現するための取組み」
のテーマについて出題されました。
川崎市の政策の特徴や課題を理解し、自分の考えを論理的に展開する練習を積んでおきましょう。
面接試験の対策ポイント
面接試験では、仕事に対する意欲・適性、コミュニケーション能力などが総合的に評価されます。面接官の質問に対して、自分の考えを明確かつ簡潔に伝えることが求められます。
自己PRや志望動機、川崎市の特徴など、基本的な質問に対する回答は事前に練習しておきましょう。また、模擬面接を繰り返し行い、面接の雰囲気に慣れ落ち着いて受け答えできるようにしておくことが大切です。
川崎市職員の採用試験合格に必要な勉強時間は?
川崎市職員を含む地方公務員の採用試験に合格するために必要な勉強時間の目安は、上級(大卒程度)で800~1200時間程度といわれています。
川崎市の採用試験は、総合筆記試験、小論文試験、面接試験など多岐にわたるため、まずは試験内容の全体像を把握することから始めましょう。また、人物試験の比重が高いため、その対策時間も十分に確保する必要があります。
各試験の出題範囲や傾向、特徴を理解した上で、それぞれ試験に最適な対策を立てましょう。
川崎市職員採用試験の合格にはクレアールがおすすめ
川崎市は女性の活躍推進に力を入れており、女性管理職比率は25%と高水準です。また、庁内公募制度など、職員の成長を後押しする制度が整っています。
川崎市職員の平均年収は、約685万円のため安定した収入を得たい方にもおすすめの職場です。採用試験では人物試験を重視する傾向にあるため、筆記試験・人物試験ともに入念な対策が必要となります。
川崎市採用試験の合格を目指す方は、「クレアール」の公務員通信講座を検討してはいかがでしょうか。クレアールでは、筆記試験対策はもちろん、エントリーシートの添削や模擬面接など人物試験対策も重視しております。
さらに、時間や場所を問わないweb学習のため自分のペースで学習を進められるのも魅力です。合格に最適な学習環境を整えておりますので、ぜひお気軽にクレアールへお問い合わせください。