「福岡市役所採用試験の倍率、難易度は?」「特別枠や社会人枠って何?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。この記事では、福岡市役所採用試験の概要、難易度、給与・年収から仕事内容まで徹底解説します。福岡市役所の採用試験の受験を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
福岡市役所職員の仕事内容・配属先

福岡市役所の職員は、市民の生活を支える重要な役割を担っています。ここでは、福岡市役所職員の仕事内容と配属先について解説します。
仕事内容
福岡市役所職員の業務は多岐にわたります。たとえば、市民の生活を支える公共サービスの提供をはじめ、都市計画、環境保全、福祉や教育の充実、地域経済の活性化など、さまざまな分野で活躍しています。
いずれの仕事も、市民一人ひとりの暮らしに直結するため、高い責任感と使命感が必要です。
また、福岡市は政令指定都市であり、都道府県のような権限を持っています。さらに、国家戦略特区にも指定されているため、先進的な取り組みに挑戦できる環境が整っています。
配属先
新規採用職員は、入庁後の研修期間を経て福岡市役所の各部署に配属されます。配属先には、市民の生活に密接に関わる市民局や、市の財政を担う財政局、子育て支援を行うこども未来局、福祉行政を担当する福祉局などがあります。
なお、事務職の場合は、市長部局の全部局へ配属される可能性がありますが、技術職は専門分野に応じた部局への配属です。研修後は、まずは市民と直接接する部署で勤務し、行政サービスの基本を学ぶのが一般的とされています。
福岡市役所職員のキャリアパス
福岡市役所では、職員にさまざまな仕事を経験してもらうために、3~5年ごとの計画的な人事異動が実施されています。人事異動では、希望の異動先ややってみたい仕事を自己申告し、それが異動先を決める際に参考とされます。
ただし、必ずしも希望の部署に配属されるとは限りません。
また、「自ら考え、自らチャレンジする職員」の育成を目指し、多様な研修制度も用意しています。たとえば、「職場トレーナー制度」では、年齢が近い先輩職員が、新規採用職員の1年目の業務を1対1でサポートし、きめ細やかな指導を行います。
福岡市役所職員の給与・年収
令和4年4月1日のデータによると、福岡市の一般行政職の給与は以下の通りです。
区分 | 給与 |
---|---|
平均給料月額 | 311,600円 |
平均給与月額 | 420,604円 |
初任給(大学卒) | 179,300円 |
初任給(高校卒) | 144,800円 |
平均給与月額は、給料月額や扶養手当などすべての諸手当の合計した金額です。さらに、年間4.4月分の賞与も支給されるため、平均年収は「6,418,288円」と高水準となっています。(平均給与月額×12ヶ月+平均給料月額×4.4月分(賞与)で算出)
福岡市役所は、キャリアアップを重視する人、給与等の待遇を重視する人、どちらにもおすすめできる職場です。
福岡市役所が求める人材・期待される職員像

ここでは、福岡市役所が求める人材像と、期待される職員像について解説します。
求める人材
「市民から信頼される人材」
福岡市役所が求めている人材像は、「市民から信頼される人材」です。市民の声に耳を傾け、説明責任を果たせるコミュニケーション力を持ち、市民や職場の仲間と信頼関係を築ける人材が求められています。
また、困難な状況でも、責任感と積極性をもって仕事に取り組めることも重要視されています。
期待される職員像
「市民に信頼される公共サービスの提供者」
「市民と共働する行政のプロフェッショナル」
「チャレンジ精神あふれる自律型職員」
福岡市役所では、「市民に信頼される公共サービスの提供者」「市民と共働する行政のプロフェッショナル」「チャレンジ精神あふれる自律型職員」という3つの職員像が期待されています。
市民の立場に立って、行政のプロフェッショナルとして成果を達成し、新たな課題にも果敢に挑戦する姿勢が求められています。
福岡市役所職員の採用試験の概要
ここでは、福岡市役所職員の採用試験の概要について説明します。令和6年度福岡市職員募集案内を基に解説しますが、変更になる場合もあるため、必ず福岡市役所のホームページで最新の情報を確認しましょう。
出典:福岡市人事委員会「令和6年度福岡市職員募集案内」
出典:福岡市人事委員会「令和6年度福岡市職員募集案内(社会人経験者)」
試験区分
福岡市役所の行政事務職の試験区分には、上級行政事務(特別枠)、上級、社会人経験者、就職氷河期世代、中級、初級、障害のある人を対象とする職の7種類があります。それぞれの試験区分によって、受験資格が異なります。
なお、上級行政事務(特別枠)は、「SPI3(テストセンター方式)」で教養試験が実施される試験です。
受験資格
福岡市役所職員の行政事務職の受験資格は以下の通りです。
【上級、行政(一般)の受験資格】
・平成7年4月2日から平成15年4月1日までに生まれた人(21歳から29歳までの人)
・平成15年4月2日以降に生まれた人で、次のいずれかに該当する人(21歳以下で)
ア 大学を卒業した人又は令和7年3月31日までに卒業見込みの人
イ 人事委員会がアに掲げる資格と同等の資格があると認める人
「上級、行政(一般)」は、若年層(未経験者)を対象とした採用試験です。学歴要件はないため、年齢要件さえ満たせば誰でも受験できます。
【社会人経験者、行政(一般)の受験資格】
・昭和38年4月2日から平成7年4月1日までに生まれた人で、民間企業等における職務経験を直近10年中7年以上有する人(29歳から61歳までの人)
「社会人経験者、行政(一般)」の試験では、民間企業等で実務経験を積んだ方を対象としています。年齢要件が広い一方で、受験には「7年以上」の職務経験が必要です。
自分の年齢や経歴に応じて、適切な区分を選択しましょう。
日程
【上級、行政(一般)の試験日程】
申込期間:4月30日(火)午前9時〜5月20日(月)午後5時
第1次試験日、筆記試験: 6月16日(日)
口頭試問受験該当者発表日: 6月20日(木)
第1次試験日、口頭試問: 6月29日(土)〜7月6日(土)のうち1日を指定
第1次試験合格発表日:7月11日(木)
第2次試験日:7月下旬〜8月上旬
最終合格発表日:8月上旬
【社会人経験者、行政(一般)の試験日程】
申込期間:4月30日(火)午前9時〜5月20日(月)午後5時
第1次試験日、筆記試験: 6月1日(土)〜6月16日(日)のうち各受験者が選択する日
口頭試問受験該当者発表日: 7月11日(木)
第1次試験日、口頭試問: 7月27日(土)〜9月1日(日)の間で1日
第1次試験合格発表日:9月5日(木)
第2次試験日:10月5日(土)〜10月27日(日)の間で1日
最終合格発表日:10月下旬
福岡市役所の採用試験の日程は、試験区分によって異なります。上級と社会人経験者の試験申込期間は、例年春ごろで、具体的な日程は福岡市役所のHPで確認できます。
申し込みは、第1次試験日の2ヶ月程度前から受付開始になることが多いです。自分の受験する試験区分の日程を早めに確認し、申込期間を逃さないように注意しましょう。
試験内容
【上級、行政(一般)の試験内容】
- 第一次試験
【教養試験】配点:100点 試験時間:2時間30分
[内容]
筆記試験: 5肢
択一式 50問・公務員として必要な一般教養について・社会・人文・自然に関する一般知識、文章理解(英文を含む)、判断推理、数的推理、資料解釈
【専門試験】配点:100点 試験時間:2時間
[内容]
筆記試験:5肢
択一式 40問
各募集区分に必要な専門知識及び能力について・政治学、行政学、憲法、行政法、民法、刑法、労働法、経済学、財政学、社会政策、国際関係、経営学
【口頭試問】配点:180点 試験時間:15分〜30分程度
[内容]
個別面接(WEB)・コミュニケーション力、情緒安定性、協調性・関係構築力、責任感・積極性の観点から評定- 第二次試験
【論文試験】配点:30点 試験時間:1時間15分
[内容]
1000字程度の論文試験理解力、問題意識、独自性(自分の考え・意見)、論理性、構成力、表現力の観点から評定
【口頭試問】配点:160点 試験時間:20分〜30分程度
[内容]
個別面接(対面)・コミュニケーション力、情緒安定性、協調性・関係構築力、責任感・積極性の観点から評定
1次試験では、「教養試験・専門試験・口頭試問」、2次試験では「論文試験・口頭試問」が実施されます。どちらも、口頭試問の配点が非常に大きいです。
なお、第1次試験の成績は、第2次試験には引き継がれません。そのため、福岡市役所の採用試験では、口頭試問の成績によって最終的な合否が大きく左右されます。
【社会人経験者、行政(一般)の試験内容】
- 第一次試験
【教養試験験(SPI3(基礎能力検査))】配点:100点 試験時間:適性検査30分、能力検査35分
[内容]筆記試験:公務員として必要な基礎能力についての試験(言語的理解、論理的思考、数量的処理能力といった知的能力)口頭試問の参考とするため、性格検査も実施【職務経歴評定】配点:100点
[内容]職務経歴書を評定【口頭試問】配点:200点 試験時間:15分〜30分程度
[内容]個別面接(WEB)- 第二次試験
【口頭試問】配点:200点 試験時間:20分〜30分程度
[内容]
個別面接(対面)・口頭試問の参考とするため、適性検査も実施
「社会人経験者、行政(一般)の試験」では、専門試験が実施されません。教養試験も「SPI3(基礎能力試験)」で実施されるなど、民間企業の採用試験に近い形式です。
第1次試験、第2次試験ともに口頭試問が実施され、試験全体の600点中400点の配点を占めています。職務経歴評定も実施されており、上級以上に人物試験に比重が置かれた試験といえるでしょう。
福岡市役所職員の採用試験の倍率・難易度
採用予定 | 申込 | 1次受験 | 2次受験 | 最終合格 | 倍率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
上級 | 55人 | 1009人 | 616人 | 374人 | 65人 | 7.9倍 |
社会人経験者 | 20人 | 455人 | 350人 | 25人 | 17人 | 20.6倍 |
上記は、令和5年度の福岡市職員の上級と社会人経験者の行政(一般)の採用試験の試験状況です。福岡市は九州最大の都市であり、採用試験の倍率も非常に高くなっています。
最も採用数の多い「上級(行政事務)」でも8倍近い倍率となっており、「社会人経験
者」では倍率が20倍を超えています。
他の公務員試験と比較しても福岡市役所の難易度は高く、合格にはしっかりとした対策が必要です。
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福岡市役所職員の採用試験の対策ポイント

ここでは、教養試験、専門試験、口頭試問、論文試験の4つの試験について、それぞれの特徴と対策のポイントを解説します。
教養試験
福岡市役所の教養試験は、知識分野と知能分野から幅広く出題されるのが特徴です。社会科学、人文科学、自然科学など、さまざまな知識が問われるため、分野の偏りなく勉強を進めるのが対策ポイントといえます。
幅広い知識を身につけるために、得意分野だけでなく苦手分野にも力を入れ、バランスよく学習しましょう。
専門試験
福岡市役所の専門試験では、募集区分に応じて必要な専門知識が問われます。とくに、法律や経済などの分野は配点が大きいため、それらを重点的に勉強しましょう。
法律や経済の知識を深めれば、教養試験の「社会科学」もカバーできます。過去問や予想問題を活用し、出題傾向を掴みながら効率的に学習を進めていきましょう。
論文試験
論文試験では、福岡市が取り組んでいる政策がテーマとして取り上げられるケースが多いです。福岡市の政策について研究し、現状と課題について理解を深めておきましょう。
また、論文試験では、文章力だけでなく、課題解決能力や政策立案能力なども評価されます。日頃から幅広い視野を持ち、自分の考えを整理しておくことが大切です。
口頭試問
福岡市役所の口頭試問は、筆記試験で一定の点数を取得した受験生に実施されます。口頭試問では、自己PRや学生時代に力を入れたことなどが聞かれるほか、福岡市の政策についても質問されるケースもあります。
自分の経験や考えを論理的に伝えられるよう準備しておくほか、福岡市の政策について調べ、自分なりの意見を持っておくのがポイントです。ただし、1次試験と2次試験での発言に矛盾が生じないよう注意しましょう。
福岡市役所職員の採用試験に合格するための勉強時間の目安
福岡市役所職員を含む、地方公務員の採用試験に合格するために必要な勉強時間の目安は、
- 上級(大卒程度)で800~1200時間程度
- 中級(短大卒程度)で500~1200時間程度
- 初級(高卒程度)で300~1200時間程度
とされています。
福岡市役所の採用試験合格には、十分な勉強時間を確保するのが重要です。勉強時間は週20~30時間程度を目安とし、ゴールから逆算して計画的に学習を進めていきましょう。
ただし、単に時間を費やすだけでなく、効率的で質の高い学習を心がけることが必要です。
福岡市役所の採用試験の合格を目指すならクレアールがおすすめ
福岡市役所の給与水準は高く、待遇重視の人も満足できる職場といえるでしょう。また、「職場トレーナー制度」という制度もあるなど、研修が充実している点も特徴です。
福岡市役所の試験の倍率は、他の公務員試験と比べても高く、合格する難易度は高いといえます。合格するには、事前に試験内容を把握し適切な対策を進めていくことが大切です。また、最近は人物対策試験が重要視される傾向にあるため、面接対策も怠れません。
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