【公認会計士試験対策】簿記の学習方法⑨(リース会計)

はじめに

今回はリースの会計学習方法について紹介します。複数の処理方法や細かい基準まで覚えなければならない論点であり、本試験での出題形式にも幅があるため、安定して得点できるようになるにはは少し辛抱強く学習する必要がある論点です。出題頻度はかなり高いため、時間をかけてでも確実に定着させましょう。

リース取引の概要について

簿記初学者の方にとっては、「リース」という言葉自体を聞いたことはあっても具体的な取引のイメージがわかないという方が多いかと思います。リースには会計上2種類ありますが、それぞれの取引を簡単に説明すると、ファイナンスリースは固定資産の(実質的な)取得と金融取引が一体となった取引、オペレーティングリース取引は固定資産を単に賃貸借する取引となります。これだけではイメージがわきにくいかと思いますので、それぞれもう少し詳しく説明します。

ファイナンスリース取引は、貸し手側となる「リース会社」がリースの対象となる固定資産をメーカー等から購入し、当該資産の使用を希望する会社に一定期間貸し出しながらリース料を受け取る取引です。借り手側から見ると、通常の固定資産の取得取引においてはメーカーから直接固定資産を購入し、代金は基本的に一時に支払う必要があるのに対し、リース取引においては固定資産の取得後、使用可能な期間に渡って分割して代金を支払うことができます。これは、銀行から必要資金を借り入れて固定資産を取得して、定額で借入金を返済することと同様の効果を有していることが分かるかと思います。このように、固定資産の取得を意図する企業に対し、リース会社が当該固定資産の提供と代金支払いの融通を行う取引がファイナンスリース取引です。

一方のオペレーティングリース取引は、ファイナンスリースの場合のように企業が固定資産の取得を意図しておらず、一時的に固定資産を借りるような場合(車のレンタル等)が該当します。賃貸物件にお住まいの皆さんは、一種のオペレーティングリース取引をしていると言えます。

リース会計の学習について

会計とは企業の経済活動の実態を適切に財務諸表に反映させるために存在するものですが、リース会計の背景にはその考え方が特に色濃く反映されています。すなわち、銀行からお金を借りて固定資産を取得する取引と実質的に同一の効果を有するのであれば、リースを利用する場合も会計上同様の結果にする必要があります。

リース会計の論点では覚えなければならない基準が多数あり大変に感じるかも知れませんが、やみくもに覚えようとするのではなく、リース会計の目的を念頭に置いて学習するとかなり覚えやすくなると思います。

リース取引の形態による処理の違いについて

リース会計の論点では、所有権移転ファイナンスリース取引、所有権移転外ファイナンスリース取引、オペレーティングリース取引の3種類について、それぞれ借り手側と貸し手側の処理が登場します。オペレーティングリースについては、前述の通り単に資産をレンタルしているだけで、賃借料としてのリース料の収受しか発生しないため理解しやすいと思います(家賃をイメージすると良いと思います)。ファイナンスリースについては、所有権移転の場合、実質的に資金を借りて固定資産を購入する場合と変わらないため、会計上もそのように処理します(ex.自己所有の固定資産と同様の方法で減価償却)。一方、所有権移転外の場合は固定資産の最終的な所有権は貸し手側に戻るため、リース期間についてのみ当該資産を自ら取得した場合と同様に処理する必要があります(ex.耐用年数:リース期間、残存価額:0で減価償却)。また、貸し手側となるリース会社は借り手に一定期間固定資産を使用させ、その対価を受けとる事業(固定資産の取得に必要となる代金を融通し、その利息を受けとる事業)を営んでいるため、通常の固定資産の売却と異なり、リース料の受け取り時点まで収益を繰延る必要がある点に注意が必要です。

おわりに

今回はリース会計の学習について取り上げました。最終的にはテキストに載っている判断基準や定義を頭に入れていただく必要があります(財務会計論でもよく問われる論点です)が、最初からすべて頭に入れようとすると非常に大変だと思います。まずは今回紹介したリースの基本的な考え方を念頭に置いて例題を解いて、リース取引の概要を腹落ちさせることが重要だと思います。リース会計に限ったことではありませんが、経済的実態を最も適切に反映させる処理方法を選択していけば自ずと正答に繋がります。そのためにもまずは処理の裏にある取引の実態や会計処理の考え方を理解する必要があります。