【公認会計士試験対策】簿記の学習方法⑤(特殊商品売買1)

◆はじめに

今回は特殊商品売買の学習について取り上げます。前回からお伝えしていることの繰り返しにはなりますが、特殊商品売買は商品売買の記帳処理や原価率等の論点の応用論点です。基礎となる論点の理解が不十分なまま学習を始めても絶対に理解できず、応用論点の学習と平行して基礎論点の復習をしなければならなくなるため非常に効率が悪いです。必ず基礎論点の理解を固めてからこちらの論点に着手しましょう。特殊商品売買は学習に時間がかかる割に本試験での出題頻度が低く、あまり重要な論点とはいえないのでテキストの一周目は思いきって省略してしまうのも戦略の一つだと思います。また、学習時間もかけすぎないように注意しましょう。

特殊商品売買の学習についてはお伝えしたいことがたくさんあるのですが、全て書いていてはきりがないので各論点の簡潔なポイントと私が学習した際の気づき事項をお伝えするに留めたいと思います。

◆特殊商品売買の論点に共通する考え方

特殊商品売買では通常の方法で販売する「手許商品」と「未着品」や「試送品」等(以下、特殊商品勘定とします)通常とは異なる方法で仕入れや販売が行われる商品が登場します。仕訳を追いかけていると非常にややこしく見えるのですが、商品の流れのみに注目すると①外部からの移動、②手許商品と特殊商品勘定間の移動、③外部への移動の3種類しかありません。これらの流れをもう少し会計的に表現すると、①は仕入れ(棚卸資産の増加)、②は棚卸資産間の移動、③は販売(棚卸資産の減少)となります。基本的には期首棚卸資産と①で仕入れた商品のうち、③の移動の対象となった商品が売上原価となり、それ以外の移動については売上原価とはなりません。すなわち、外部へ移動した商品のみが売上原価となり、それ以外の商品は全て期末時点の棚卸資産を構成するということです。

どの論点にも共通するようにあえて抽象的な書き方をしたので、これを読んだだけではまだ何を言っているのかよく分からないという方が多いと思いますが、各論点の学習を進めるにつれて少しずつ私のお伝えしたことの意味が分かってくると思います。とりあえず今の段階で意識して頂きたいのことは、特殊商品売買の学習をする際には上記①②③のどの流れに該当するのかを意識しながら学習することです。いくつもの移動が登場して混乱してしまいがちですが、3つの流れに整理して捉えてみると以外とシンプルに見えてきます。また、取引形態は異なるものの商品の流れは同一的になっており、実質的に求められる処理が同じになる論点もあります。特殊商品売買はただでさえ覚えなければならない論点が多岐に渡りますので、各論点を分断して考えずに「ここの処理は未着品のあの処理と同じ!」といったように共通項はまとめて覚えてしまった方がかなり楽になると思います。

◆特殊商品売買の論点に共通する解法

特殊商品売買でもボックス図を用いて問題を解きます。このとき、手許商品と特殊商品を別の商品として区別したうえで、それぞれの商品についてボックス図を作成します。ボックス図の処理は手許商品のみを扱う問題の場合と基本的には同じですが、上記②の流れが登場する点が特異です。②の流れはボックス図の左下にある「仕入高」の区分で調整することになります。手許商品から特殊商品勘定に流れる場合ですが、手許商品の仕入高のマイナス、特殊商品の仕入高のプラスとなります。手許商品のみの場合だと仕入れた商品の移動は基本的に外部への販売時しか発生しないため全てボックスの右上で処理していた経験から、特殊商品売買でも商品の移動は右上で処理したくなってしまうかもしれませんが、②は会社の内部で商品の区分が移動しているに過ぎないのでボックスの左下で調整しています。PL作成時は、2つのボックスのそれぞれの構成部分を合算して反映させます。

こちらについても今読んでもあまり意味が分からないかと思いますので、各論点の学習中に迷子になったら思い出してみてください。

◆おわりに

今回は特殊商品売買に共通する考え方を紹介しました。まだ特殊商品売買の学習をしたことがない方にとってはあまり意味が分からなかったかと思いますが、必ず特殊商品売買の学習を楽に進める一助になると思いますので、頭の片隅にでも置いて頂けますと幸いでう。私がはじめて特殊商品売買の論点を学習した際には上記のような考え方が頭になかったため非常に苦しみましたが、今改めて商品の3つの流れを念頭に置いてテキストを見直すと、当時あれだけ苦しんだのが嘘のようにシンプルな論点に思えます。そうはいっても特殊商品売買は初学者の方にとって鬼門となるのは間違いないので、すぐに理解できなくてもご安心ください。一通り特殊商品売買の論点を学習が進んだあとに今回のブログの内容について「なるほど!」と思えるようになっていたら、かなり理解が進んでいると思います。ご自身の学習の進度を知るためにも、お時間があればまた今回のブログを読み返してみてください。次回は各論点のポイントを簡潔に紹介します。