5月短答から論文合格するため、「今」を大切にしよう

目次

はじめに

12月短答に結果が出なかった受講生へ

本試験当日に受講生応援のため早稲田大学に着いたとき、ちょうど2年前、3回目の短答試験に望んだ朝のことを思い出しました。大学卒業後から受験開始し、この12月短答でダメだったら5月を待たず、会計士をあきらめよう。そう覚悟して望み、なんとか合格することができました。

受講生の皆さんは、それぞれの思いを持って本試験に望まれたことと思います。まずはここまでたどり着くまで走り続けられた、「自分」を労ってあげてください。そのうえで、8月へ向けて、5月短答だけでも…という中途半端な気持ちではなく、論文合格に執着しましょう。悔しい結果の直後だからこそ発揮できる大きな集中力が、今の皆さんにはあるはずです。そのためにも、論文合格へ向けたロケットスタートを「今」から切りましょう。

 

1.本試験問題を復習すると、「不合格のトラウマ」が克服できる

まず、本試験問題を解き返す

多くの人は試験のあとに自己採点を実施していると思いますが、復習までしている人はごく僅かでしょう。本試験復習の最大のメリットはズバリ、トラウマを克服できることです。結果が芳しくなかった回の答案を見返したくない気持ちはよくわかります。しかし、本試験問題はそもそも良問が多く、復習用教材として最適なことを忘れてはなりません。さらに、当日は解けなかったけど、家でじっくり向き合ってみたら簡単に解けた、という問題もよくあるものです。8月論文合格に向けての第一歩として、まずは本試験問題の復習をしてみてください。

本試験問題は、反省材料の宝庫

各予備校の解答速報などでは、問題の難易度ランクまで出しているところもあると思います。それらを利用し、落としたA問題を徹底的に復習しましょう。また、B問題も自分が解けそうと思って解けなかった問題はしっかり復習してください。そうすることで、補強ポイントが明確になります。繰り返しになりますが、本試験問題は非常に優れた復習教材です。目先の5月短答対策に向けても弱点克服が不可欠であるため、これらを材料に今後の戦略を考えていきましょう。

 

2.最初の2ヶ月は、論文科目に徹する

時間は、たっぷりある

12、1、2、3、4、5、6、7、8。論文式試験までの月を並べましたが、「意外と時間があるな」と思いませんか。5月短答、8月論文という数字に焦点を当てると時間が限られている印象がありますが、少なくとも5月までは短答合否にかかわらず十分な時間があるのです。大切なことは、羅針盤となる大きな学習計画を組むことです。場当たり的な学習では付け焼き刃の知識しか得られず、非常に非効率だからです。後述する論文特有科目は最初の2ヶ月で、次の3ヶ月では短答弱点対策を、最後の3ヶ月は論文特化といったように、大きな流れを踏まえたうえで細かな計画を立てましょう。

12月短答直後が、最大のチャンス

8月論文を目指す皆さんには、必ず今年の論文試験で合格してもらいたいと思っています。そのためには、論文特有科目の租税・経営(選択)の2科目は、5月短答後ではまず間に合いません。逆に、短答の弱点補強は、2、3、4月で効率よく行えば必ず間に合います。以上より、私のおすすめとしては、12月と1月で2科目の講義を復習とセットですべて完了することです。そのうえで、この2科目に関しては論文答練も積極的に受けて欲しいです。簿記で経験したとおり、計算科目を習得するには一にも二にも、演習量が必要です。逆に、この2科目だけでも短答対策と並行してできれば、5月の短答後の最小限の勉強量でも、十分戦える戦力になるでしょう。

なお、今年の講義がまだすべて揃っていないと思いますので、ひとまず去年の分で進めてください(去年の教材と講義は、申し込めば無料で入手・受講できます)。経営学は例年大きな変更はなく、租税も改正点は例年ごく一部ですので、テキストが到着次第、該当部分をフォローすれば十分です。

論文答練と短答対策の両立法

例年、論文答練は2月から5月頃まで満遍なく続いていきます。短答対策時期と重複しているため、これらの両立に悩んでいる人も多いでしょう。私のおすすめは、論文2科目は受ける、それ以外は必要に応じて解く、です。科目ごとに論文答練の活用法が変わってくるため、まずは各科目、答練を受けてみてください。そのうえで、たとえば財務の理論は「Aランク問題」の解答をそのまま教材として読み込む、企業法は条文を引いて要点のみを解答するなど、自分なりに工夫してみてください。
私は12月短答合格からの8月論文でしたが、4月から監査法人に短答合格者採用で就職したため、ある意味、皆さんと同じように論文対策の時間に限りがある状況でした。そんな中でも上記のような工夫を重ねた結果として、論文合格することができました。したがって皆さんにも、「トライ&エラー」の精神を実践していただき、試行錯誤の先にある自分だけの「短答論文両立法」を築いてもらいたいですね。

 

3.科目別に、短答弱点対策月間を設ける

同時並行より、1点集中が強い

試験学習で難しいところは、必ずしも勉強量と成果が比例しないことではないでしょうか。勉強スタイルは自分にあったものが一番だと思いますが、各科目の習得法という意味では1点集中が非常に効果的です。特に5月短答まで時間的余裕がある今だからこそ、「短答弱点対策月間」を設けることをおすすめします。特定の科目や分野に絞り、月内では特定科目(分野)に7割以上を費やし、残りの3割でその他科目を回すといったものです。たとえば、4月を企業法強化月間とした場合、日々の学習の7割以上は肢別問題集をやる、残りの3割で財務・管理の計算や監査の過去問題集を解く、などです。

計算科目に苦手意識を持っている方は、12月から論文科目の合間をぬって問題演習を繰り返しましょう。財務、管理の計算は一朝一夕には習得できないので、コツコツ継続しつつ、3、4月で改めて強化月間を設けることが効果的だと思います。自分の弱点を分析し、その傾向に応じて対策をする、まさに監査の大原則「リスク・アプローチ」です。トライアンドエラーを繰り返し、自分の成長を楽しみましょう。

 

おわりに

受講生に学ぶ、トライ&エラーの姿勢

短答後、残念ながら不合格の見込みである受講生が相談に来てくれました。正直なところ、落ち込んでいる気持ちをどう盛り立てようかと考えていましたが、全くの杞憂でした。皆さんそれぞれ自分なりに本試験の分析を行い、これまで何が足りなかったか、当日に実力が発揮できなかったのはなぜか、そしてなにより8月論文に合格するために今後何をすべきか、思い思いの気持ちを語ってくれました。

最後は、「自分だけの会計士の魅力」を見つけられるか

会計士試験の合格が幸せにつながる人、不幸につながる人がいます。その違いは、受験生時代にどれだけ「辛い我慢」をしなかったかどうかです。我慢を「しなかった」人が、合格を幸せにつなげられるのです。そのため、盲目的に合格=幸せと信じ込んで自分にムチを打つのは、今すぐやめましょう。実際の会計士キャリアはどんなものなのか、仕事が幅広いとはどこからどこまでなのか、ぜひとも実際に現役会計士に会って話を聞いてみてください。いろいろな話を聞く中で、必ず自分が目を輝かせる瞬間があるはずです。合格=目指すべき将来となれば、あとはコツコツと学習を積み重ねるだけ。根底に「ワクワク」がある人は、強力な底力を手に入れることができるからです。受験勉強は、自分だけのワクワクする将来を見つけたもの勝ちなのです。

 

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