税理士試験の勧め

公認会計士になるには?試験概要・公認会計士登録も解説
目次

はじめに

公認会計士試験の合格を目指して日々机に向かっている受験生の皆さん、本当にお疲れ様です。

公認会計士試験は短答式・論文式とステップがあり、学習期間も数年に及ぶことが珍しくない過酷な試験です。特に短答式試験の合間や、論文式試験の結果待ちといった「空白期間」に、モチベーションをどう維持するかは多くの受験生が直面する課題ではないでしょうか。

そこで今回、私が提案したい戦略が「税理士試験の簿記論・財務諸表論(通称:簿財科目)への挑戦」です。

「別の試験まで受ける余裕なんてない」と思うかもしれません。しかし、実は会計士受験生にとって税理士試験は、極めて親和性が高く、合格可能性を最大化するための「最強の併願オプション」なのです。私も会計士試験の勉強中に税理士試験の簿財科目を受験し、科目合格しています。今回は私の実体験からその具体的なメリットを解説します。

1. 試験範囲がほぼ重複している

最大のメリットは、何と言っても学習内容のほとんどが被っている点です。税理士試験の「簿記論」と「財務諸表論」は、会計士試験でいうところの「財務会計論」とほぼ同義です。

簿記論: 計算問題が出題されます。会計士試験の財務計算(計算演習)で培った実力があれば、初見の問題でもかなりの割合で対応可能です。

財務諸表論: 理論問題を中心に出題されます(ただし、最後の大問は簿記論と同じ形の計算問題)。会計士試験の財務諸表論の内容を網羅していれば、税理士試験の理論問題にも、わずかな微調整で対応できます。

つまり、税理士試験のために新しい知識を一から学ぶ必要はありません。普段の会計士試験の対策そのものが、そのまま税理士試験対策に直結しているのです。

2. 試験時期の絶妙なタイミング

公認会計士試験のスケジュールを振り返ってみましょう。

第1回短答式:12月
第2回短答式:5月
論文式:8月下旬

税理士試験は例年「8月上旬」に実施されます。この時期が絶妙なのです。

5月の短答式試験を終えた後、12月の短答や翌年の試験に向けて学習をリスタートさせる際、どうしても中だるみしがちです。現に私もそうでした。しかし、8月に税理士試験という「本番」があることで、5月〜8月の学習密度を高めることができます。「8月の論文式試験を受けるレベルにない」と判断した論文式受験生にとっても、8月の税理士試験をターゲットにすることで、財務会計の力を一気に引き上げるモチベーションになります。

3. モチベーションを支える「成功体験」

会計士試験は論文式試験に合格しなければ、何も残りません。一方で、税理士試験は「科目合格制」を採用しています。

一度合格した科目は、生涯有効であり消えることはありません。

「会計士試験の勉強を続けているが、履歴書に書ける資格がまだない…」という不安は、メンタルに大きな悪影響を与えます。もし税理士試験の「簿記論」だけでも合格していれば、科目合格として履歴書にも記載できます。科目合格者を要件としている求人もあります。それは立派な客観的評価となり、自分自身の自信にも繋がります。

万が一、会計士試験からの撤退を考えざるを得なくなった場合でも、税理士科目を保持していることは、税理士への進路変更や会計事務所への就職において大きなアドバンテージとなります。

4. 試験本番の「現場対応力」を鍛える

模試と本番の最大の違いは、独特の緊張感です。税理士試験は、会計士試験とはまた異なる雰囲気がありますが、「制限時間内に確実に得点する」「難しい問題を後回しにする」といった試験特有の立ち回りを磨く絶好の機会になります。特に「簿記論」は非常にボリュームが多く、捨てる問題の取捨選択、計算のスピードが合否を分けます。この判断力や計算力は、会計士試験の財務会計論においても非常に役立つスキルです。

注意点

メリットばかりを強調しましたが、一点だけ注意してほしいことがあります。それは「税法科目にまで手を出さないこと」です。

会計士受験生の強みはあくまで会計科目にあります。税法科目は会計士試験の租税法とは出題形式や暗記の質が大きく異なるため、安易に手を広げると共倒れになるリスクがあります。あくまで試験勉強のモチベーションの維持を目的に、簿財に絞るのが賢明です。

最後に、今年の試験スケジュールを確認しておきましょう。税理士試験は出願期間が非常に短いため、早めの準備が肝心です。また、平日に実施される点に注意が必要です。

【重要】 詳細は必ず4月初旬に発表される国税庁の官報公告をご確認ください。

出願期間:4月中旬から5月上旬会計科目(簿財)の試験時間割(例年通りなら初日)
第1日目:2026年8月4日(火)
第1時限(9:00〜11:00):簿記論
第2時限(12:30〜14:30):財務諸表論

「会計士一本で集中すべきだ」という意見もあるでしょう。しかし、社会人受験生が資格試験においてリスクヘッジすることはとても大切だと思います。税理士試験科目合格を手にすることは、その後の会計士試験に向けた大きな弾みになるはずです。ぜひ税理士試験の挑戦を検討してみてはいかがでしょうか。

5月の短答式試験の直前はバタバタしがちです。4月中に願書を取り寄せることだけは、今のうちにカレンダーに入れておきましょう!

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