修了考査の学習法①(会計・監査・租税)

目次

はじめに

 皆さんこんにちは。最近、寒い日が続いてますが体調はいかがですか?昼夜逆転生活を送っていたり、偏った食事を摂っていませんか?体調管理も受験勉強と同じくらい大切なことですので、規則正しい生活リズム、バランスの取れた食事を意識して、寒さに負けない身体をつくっていきましょう!
 さて、今回も引き続き「修了考査」をテーマに、具体的な勉強時間と科目別の勉強方法について、私自身の体験談も織り交ぜながらご紹介していきます!

勉強時間について

 「修了考査」に合格するにはおよそ400〜600時間の勉強が必要であると言われています。もちろん、勉強開始時点における受験生の知識レベルには個人差がありますので、これはあくまでも目安の時間になります。

例えば、一般監査に従事している方であれば、監査に関する理論及び実務の勉強時間を短縮できるでしょうし、日頃から税務関係のお仕事をしている方は、税に関する理論及び実務の勉強にそれ程多くの時間をかける必要が無いかもしれません。このように、何らかのアドバンテージが有る方は、より少ない時間で合格ラインに達することができる一方で、アドバンテージが無い方の場合、600時間かそれ以上の勉強時間が必要になる可能性があります。

私は、7月から勉強を始め、12月の試験本番までに、合計で470時間の勉強をしました。これは、おそらく平均か平均より少し少ないくらいだと思います。基本的な勉強の流れは、講義受講→(例題演習)→答練(4回転)ですが、科目によっては講義をスキップしたものもあります。

さて、次項からは、いよいよ科目別の勉強方法をご紹介していきます。

会計に関する理論及び実務

 会計は、公認会計士試験の「財務会計論」にあたる科目です。しかし、会計士試験と全く同じ内容という訳では無く、事例に基づき減損の兆候有無を判定させたり、繰延税金資産の回収可能性を判断させるなど、実務的な知識を問う問題や、国際財務報告基準(IFRS)に関する問題も出題されます。また、連結や企業結合の出題頻度が高く、特に連結は応用的な内容が出題される可能性があるため、手厚く対策する必要があります。

私は、重要な分野については、講義を受講し、例題演習を行ったうえで答練に進みましたが、その他の個別論点は、テキストをざっと確認するのみでインプットを終了し、答練を通して実践力を伸ばすことにしました。

以上より、会計の勉強時間は、合計150時間でした。なお、講義の中で、分野ごとの強弱の付け方に関する説明があるため、まずは初回の講義を受講して、講師の方の説明を参考に勉強計画を練ると良いでしょう。

監査に関する理論及び実務

 監査は、公認会計士試験の「監査論」にあたる科目で、理論問題と事例問題が出題されます。会計士試験との違いは、実務に関する深い理解が求められる点、本試験での法令基準集の配布が無く、監査基準委員会報告書の暗記が必要になるという点です。したがって、実務経験の有無によって、必要な勉強時間が大きく異なる可能性があります。

私の場合、一般監査の実務経験があるため、改正論点などのトピックとなる分野のみ、講義を受講し、その他の論点は、答練を解きながら押さえることにしました。勉強の範囲を絞る代わりに答練は、隅々まで暗記し、関連する監査基準委員会報告書の原文もチェックしました。

以上より、監査の勉強時間は、合計60時間でした。

税に関する理論及び実務

 租税の試験範囲には、公認会計士試験でもお馴染みの、法人税、所得税、消費税に加えて、相続税、地方税、その他の税目(グループ法人税制、組織再編税制等)が含まれており、試験範囲が膨大です。したがって、日頃から税務関係の業務に従事していない限り、かなり多くの勉強時間が必要になります。

ただし、本試験では、全ての税目から満遍なく出題されるという訳では無く、全体の6割程度は法人税と消費税からの出題で、次いで、所得税と相続税の出題が多いです。その他、年によって地方税やその他の税目から少しずつ出題されます。そのため、勉強を行う上では、法人税、消費税に比重を置きながら、所得税と相続税についても、重要な箇所をしっかりと押さえるという方法でメリハリを付けて勉強すると良いでしょう。

私は、8月頃から法人税の勉強を始めました。講義を受けて、例題を解き、重要な計算式やポイントをノートにメモするといった方法で、消費税、相続税、所得税、地方税、その他の税目と順番に進めていき、10月には答練を解き始めました。ちなみに、租税の試験問題は、時間内に解ききることが困難な程のボリュームがあり、答練も本試験並みに問題数が多いため、1回転目は、かなり時間がかかる可能性があります。私の場合、答練の1周目は1問ずつ計算方法を確認しながら進めていたので、解き直しを終えるまでに、1週間かかってしまったことがありました。

以上より、租税の勉強時間は、最も多い190時間となりました。

おわりに

  今回は、「修了考査」の合格に必要な勉強時間と科目別の勉強方法をご紹介いたしました。今回取り上げた、『会計』『監査』『租税』は、いずれも3時間の試験で、この3科目の配点が、全体の75%を占めます。40%に満たない科目がある場合には不合格となる可能性があるため、他の科目も疎かにはできませんが、合格するためには、これらの3科目に特に力を入れて勉強することが、重要になります。
 
「修了考査」の合格に必要な勉強時間は400〜600時間程度ですが、簿記1級の場合は約1,000時間、公認会計士試験であれば約3,000時間が目安になります。しかし、合格するためには、目安となる勉強時間を、さらに科目、分野ごとに適切に割り振る必要があります。したがって、ただ闇雲に勉強時間を積むのではなく、過去問を見て出題傾向を分析し、合格者の体験談をチェックし、日々の進捗を管理しながら、バランス良く勉強を進めていきましょう。

次回は、今回取り上げられなかった残り3科目の勉強方法をご紹介します!

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