170回簿記1級を分析してみよう 工原編

公認会計士コラム

N.K 講師(簿記講座)

簿記講座質問担当。前職で取得が課されていた某国家試験の勉強時に「問題の難易度の見極め」の重要性に気が付く。「教科書的な解き方ではなく、現実的にどう解くか」がモットー。サッカー、旅行、ネコが好き。

今回は工原です。下記の表は70点台の方と60点台の方の各科目別得点の平均を集計したものです。

商業簿記会計学工業簿記原価計算
70点台14.520.72217.9
60点台12.116.121.414.6

工原は大幅に易化

162回以降、工原は大幅に易化しています。筆者の推測となりますが、その回から作問者の一部変更があったと考えます(「HIT製作所では〜」で始まる問題が無くなりました)。
工原合わせて40点以上が見込める出題が続いています。

難易度は2級〜テキスト例題レベル

170回試験では、工業簿記の大半の問題は2級レベルでした。上記の各科目別平均得点からもわかるように、60点代・70点代の方の差がほとんどないことからも、ミス以外で得点差はつきません。

また、作問者は今回のような長文空所補充問題の出題を好む傾向があります。
文章量と癖のある文体に悩まされますが、聞かれていることは極めて基本事項です。次回以降、この形式の問題が出題されたらボーナスステージと捉えるくらいの気持ちで挑みましょう。

原価計算も第1問:問2・問3を除けばほぼテキスト例題レベルの出題です。第2問は完答の必要があったと推測されます。

今後の対策を考える

基本的な問題で40点を見込めるのであれば、難しい論点にまで手を広げる必要はありません。工原の学習量を減らし、その時間を商会に充てるのも作戦となります。

また、工原の特徴は「文章量・計算(集計)量」いのいずれかを増やしてミスを誘発させるか、逆算推定を盛り込んで計算が苦手な受験者を振り落とそうとしている点にあります。

これらの問題の対策としては、らずにゆっくり考えて取り組むことです。商会と違って問題量自体は少なく、50分あれば1回は解き終えられる分量です。残り時間を使って見直し・解き直しを進めて一つでも間違いを潰していきましょう。

最後に

工原ではほぼ毎回、専門学校間でも解答が割れる問題が出題されます。過去問を解く際、このような問題を深追いすることは厳禁です。本番でも「みんな解けない問題だな」とスルーしましょう。正解のない問題に時間を取られないようにすることが大切です。

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