【公認会計士受験対策】「簿記の学習方法④(原価率・利益率・利益付加率の考え方、勘定分析の考え方)」

はじめに

今回は原価率等や勘定分析の学習について取り上げます。これまでの学習の応用論点であり、かつ、これから学習する特殊商品売買の論点の基礎となる論点でもあります。簡単に身に付く論点ではありませんが、確実に理解する必要があります。

◆原価率・利益率・利益付加率の考え方

原価率・利益率・利益付加率という言葉はみなさん耳にしたことがあるかと思います。これらの考え方は後述する特殊商品売買を考える上で基礎となる論点ですので、確実に定着させた上で特殊商品売買の学習に進みましょう(原価率等の理解が曖昧なままですと、特殊商品売買の論点をいくら復習しても、理解が進まないと思います)。基本的には、テキストに書いてある数式を頭に入れて頂くしかないのですが、どうしてもそれぞれの式がこんがらかってしまうという方は、「利益付加率」は「原価」を基準(分母)にした考え方、それ以外の2つは「売価」を基準(分母)にした考え方であるということを意識すると、理解しやすくなるかもしれません。

この論点では、試算表の一部の数値と原価率等の情報が与えられ、期末商品棚卸高や売上高を算定したうえで、損益計算書を作成する形式の出題がされます。与えられる試算表のパターン(分記法・総記法等)と原価率等の組み合わせにより、複数パターンの出題が存在しますので、他の論点のようにテキストの例題を頭に入れておけば対応できるというような論点ではなく、習得には少し時間がかかるかもしれません。私自身もこちらの論点の学習には苦しんだ記憶があります。私が苦しんだ要因は、商品売買の記帳方法の論点と原価率等の論点それぞれの理解が不十分なまま、例題の形式的な習得に臨んでしまったことにあります。商品売買の記帳方法によって試算表に表示される数値にどのような違いがでるのかといったことや、利益率や利益付加率の関係性の整理といったことの理解が不完全な状態で、例題の解答を読んで解き方を身に付けるという学習方法を取っていたのですが、学習の際には確かに分かったつもりになっていても復習時に全然解法を思い出せなかったり、少し問題の条件が変わった途端に解けなくなってしまったりといったことが相次ぎ結果的に効率の悪い学習となってしまいました。こちらの論点は、商品売買の記帳方法の論点、原価率等の論点に、後述する勘定分析の論点を組み合わせた論点になっています。それぞれの論点の理解がしっかりできている状態であれば、例題の解法もすらすら身に付くと思いますが、例題の中でそれぞれの論点の理解を深めようとすると間違いなく混乱してしまいます。少なくとも商品売買の記帳方法と原価率等の理解が深まっている状態のときにこちらの論点を学習することをおすすめします。

◆勘定分析の考え方

原価率等の論点や特殊商品売買の論点では、勘定分析を実施し問題文中で与えられていない財務数値を算出する必要があります。あまり商業簿記らしくなく、頭の使い方も他の論点と異なるため抵抗感をもってしまう方が多いかと思います。私自身も最初はすごく苦手意識がありましたが、反復を繰り返し一度考え方が定着すれば確実に得点できる論点にすることができますので、根気強く学習しましょう。また、勘定分析の方法は何種類かあるためインターネットで情報を検索したり他校の受験生と交流したりすると他の方法を使用して勘定分析を実施しているという話を耳にするかもしれませんが、私はクレアールのテキストに示されているボックス図を用いた分析方法をおすすめします。ボックス図を用いた方法は視覚的に明快で、特殊商品売買の論点にもそのまま応用が聞きます。また、私の経験上ボックス図を使用して解けない問題に出会ったことはありません。人によってボックス図の考え方が合う合わないはあるかと思いますが、どの方法を用いたとしても簡単に身に付く論点ではありません。なかなか考え方が理解できないと、他の方法に頼ってしまいたくなる気持ちが出てくるかと思いますが、講義動画をもう一度見直したり、例題を何度も解いたりしてボックス図の考え方をマスターして頂きたいです。

◆おわりに

今回は、原価率等と勘定分析についてお伝えしました。繰り返しにはなりますが、これから学習する特殊商品売買の論点を学習する前に確実に身に付けておく必要がある論点です。また、商品売買の記帳方法等の理解に基づく応用論点でもありますので、基礎的な論点の理解を固めた上で学習を進めましょう。

テキストの1周目をしているときは焦りや期待からどんどん前に進みたい気持ちが出てきてしまうと思いますが、時には歩みを止めて着実に理解を重ねることも重要です。むしろ、各論点の理解が乏しいまま学習を進めてしまうと、2周目3周目の時に結局1周目と同程度のボリュームの学習をしなければならなくなる可能性があり、公認会計士試験の合格という最終目標に対しては遠回りになってしまいます。テキストがなかなか前に進まないと不安になるかもしれませんが、理解が乏しい論点はしっかり立ち止まって学習することが合格への何よりの近道だと思いますので、安心して学習してください。