短答式試験対策 の学習方法

目次

1.はじめに

今回は、短答式試験までの具体的な学習方法についてお話します。各科目別の詳細な学習方法についてはまた別の機会に改めてお話ししますので、今回は短答式試験対策の学習に対する全般的な考え方を説明したいと思います。

 

2.短答式試験の性質から考える

短答式試験は全科目択一問題です。択一問題には、我々受験生にとって非常に有利に働く二つの特徴があります。一つ目は、問題に対する解答が全て問題用紙上に示されていることです。解答に難しい用語が使われていたり、ロジックが難解だったりする場合でも求められる解答が綺麗な文章にまとめられて示されているのです(論文式では、問題に対し適切な用語を用いてロジックの通った解答を文章化する作業を自らの頭でする必要があります)。二つ目は、問題に対する正答を知らなくても明らかに誤っている肢を切っていくことによって正解を導けることです。短答式試験の選択肢は一問あたりおおよそ4~6肢ほどです。論文式試験では、正解についての知識が身についていなければ得点につなげることはできなくなってしまいますが、短答式試験では正解の選択肢を判断することができなくても、他の選択肢が明らかに間違っているということを判断することができれば得点につなげることができます。特に短答式試験では正しい肢の組み合わせを選びなさいという形式で、二重選択肢になっている問題が出題されることもあります。このような問題では選択肢の組み合わせからも誤りを判断することができるため、問われている内容の知識がほとんど身についていないにも関わらず正解が判断できてしまうこともあります。

 

3.私の短答式試験対策(方針)

私は短答式試験対策にあたり、前述の性質を踏まえ大きく二つの方針を決めました。

  • 選択肢を見たときに正誤が判断できる程度の理解を当面の目標とする。
  • 知識の網羅的な理解よりも、選択肢ベースでの知識量の確保を優先する。

一つ目については、各論点の理解の程度を一定の水準に抑えることによって短答式試験で戦える実力を早期に養成することが目的でした。つまり、問題に対する解答を自分の頭で導き出し、文章化できる水準までの理解を後回しにして、既に文章化されているものを見て正しいか否かの判断ができる=選択肢の正誤が判断できる程度の水準の確保を最優先事項としたのです。二つ目については、本番で使える知識の数を効率的に増やしておくことが目的でした。私は短答式試験の形式を知った時から、試験問題全体で一定の数の選択肢を理解していると仮定した場合、試験問題全体に自分の理解している選択肢が散らばっている状態より、一部の問いに自分の知っている選択肢が集中している状態のほうが確実に得点できると考えました。また、短答式試験の問題を分析してみると、各問題は単一の論点で構成されていることが多く、複数の論点にまたがった問題が出題されることがまれであることが分かりました。そこで、やみくもに知識を増やすのではなく、短答式試験で確実に得点できるように各論点=選択肢ベースで知識を身につけていくことにしたのです。

 

4.私の短答式試験対策(実践)

二つの方針を踏まえ具体的に実践した学習方法は、短答式形式の問題集や答練の選択肢の正誤の根拠を覚える作業の反復でした。

網羅的な理解よりも選択肢ベースでの知識量を増やすことを優先する方針とはあくまでも短答式試験で通用する水準の知識量についての話であり、最初はやはりテキストを使用し、全体についてある程度理解する必要があります。テキストの内容を一通り学習した後に、前述の学習方法を実践しました。短答式試験形式の問題集・答練ベースでの反復です。テキストを一通りこなした時点での実力でいきなり短答式試験レベルの問題に挑戦することになるので、ほとんどの問題が分からない状態でしたが、そんなことは気にせずひたすら解答と照らし合わせながら各選択肢の正誤の根拠を頭に入れていきました。時にはかなり知識が乏しいと感じる論点が出てくることもあったので、そのような時にはもう一度テキストに立ち返り、基本の理解を深めました。また、反復の中で自分が苦手な論点が浮き彫りになってきたので、そういった論点は思い切って捨てることにしました。こうした作業を繰り返していった結果、確実に正解を導くことができる問題と手も足も出ない問題がはっきりとわかれるようになり、日に日に短答式問題の得点率が上がっていきました。

 

5.おわりに

今回は私が短答式試験対策として実践した学習方法をご紹介しました。科目ごとに微妙に違いがありますので、そちらは科目別の学習法を紹介する際に合わせてご紹介させて頂きたいと思います。

また、一点ご留意頂きたいのですが、今回ご紹介した学習方法は、何よりもまずは短期で短答式試験の合格を優先したいと考えた私が実践した方法であるため、時間に余裕のある方や論文まで見据えて長期的な学習計画を立てている方にとっては、少し極端な例になってしまったかもしれません。そのような方は「選択肢ベースで学習する」ではなく、「漠然と知識を増やしていくのではなく、分かる論点と分からない論点のメリハリがつくように学習を進める」と読み替えて頂くと良いかと思います。

 

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