【公認会計士試験受験対策】過去のすべての失敗は、合格のためにある

目次

はじめに

免許合宿で卒検に落ち、延泊する

世界最高峰バイクレースMoto GPで活躍する国産メーカー、ヤマハ製のレースマシンレプリカモデルYZF-R1に憧れて、山形県までバイクの免許合宿に来ました。出発前のバイク購入から、卒業日の翌日の免許センターで免許証交付、お店でのバイク受け取り、さらには初ツーリングの日程まで、仕事の休暇取得と合わせて完璧な計画を立てていました。ところがまさかの卒業検定不合格により延泊が確定し、結果としてバイク納車と初ツーリングが休暇期間中に達成できず、ずっと楽しみにしていたイベントが大幅に延期になってしまいました。

失敗には、意味がある

バイクの卒業検定のポイントは、バランス走行です。日頃の教習で失敗がなかったとしても、安定して低速走行できていなければ、当日の緊張などで簡単に失敗してしまいます。私が失敗したのは「クランク走行」で、バイク用のクランクの両脇にあるパイロンに接触してしまい、検定中止となりました。卒検に落ちると、再受験の前に補講教習を受けなければなりません。この時、担当教官からは「この1回の補講を、合格後の安全運転を支える機会にして欲しい」と言われました。私はこの一言に、心が救われました。

よく考えると、バランス走行に不安がある中で大型バイクを走らせることは、道路上では非常に危険です。「待ちに待った初バイクに今週末乗る」という計画は失敗したけれど、この先の長いバイクライフを安全に過ごすことを考えれば、自分にとって重要で欠かせない機会となったのです。一見、単なる不運に見える出来事も、最大限肯定的に捉えることで価値が見出せるのだと、改めて実感しました。

失敗を、味方にする

会計士試験においては、一発合格をする人より2回目以降で合格する人の方が圧倒的多数です。また、それまでの過程において、模試や答練、各論点の問題集などで失敗を繰り返すことは珍しくありません。ただ、失敗を合格につなげるかは、失敗の捉え方とその後の行動の変化によって決まります。そのためには、失敗の意味を理解し、受け入れ、新しいトライをすることが必要です。失敗を味方につけ、合格を自ら手繰り寄せましょう。

1. 失敗を、理解する

自分はツイてる、と信じる

私の心の師匠である事業家の斎藤一人さんは、「ツイてる」を口癖にすることが極めて重要だと言っています。自分を「ツイてる」と思い込むと、どんなことがあっても謙虚になれます。良いことがあれば「運のおかげ」と感謝し、悪いことがあれば「必要な軌道修正のきっかけ」と捉えることができます(短期合格者は、「軌道修正」を重視する)。まずは騙されたと思って、毎朝起きた時に「私はツイてる」と呟く習慣を心がけましょう。

失敗は、自分を変える絶好の機会

失敗した時、それまで築き上げた自信は一瞬にして吹き飛びます。これまでの努力が無駄だったのではないか、本番に弱い自分が情けない、もしかしたら一生受からないのではないか。失敗は、悩みと不安のような負の感情を生み出します。でも、この負の感情があるからこそ、現状の自分を批判し、改善するための行動をとることができるのです。ピンチはチャンスと心に刻み、失敗を肯定的に捉えましょう。

2. 失敗を、受け入れる

試験の意義を、思い出す

会計士に限らずどの士業にも言えることは、資格の価値は資格自体ではなく、資格取得後の実務経験にあるということです。会計士キャリアに限っても、各業種別監査業務、各種会計アドバイザリー業務、さらに税務も含めると、多数の枝に分かれます。専門家の価値はこの細かい枝、すなわち各領域の高度な専門性にあるのです。専門性は、専門知識の更新とともに多数の実務事例の経験によって得られるものです。そして資格試験では、この専門性を磨くために最低限必要な知識が問われているのです。

受験生時代の失敗は、専門性を磨く基礎になる

誰しも受験生時代には失敗をします。小さなものでは「苦手な論点をなかなか習得できない」「答練でAランクをたくさん落としてしまう」など、大きなところでは「模試や本試験で思うような結果が出ない」などがあるでしょう。失敗には、必ず意味があります。仮に苦手分野が本試験に出ず合格したとしても、実務で苦労する場面が増えるだけです。しかも、合格後はまとまった時間をとって集中的に学習する機会が激減します。合格前だからこそ、ひとつひとつの失敗に対して着実に対処することができるのです。合格後に専門性を磨くことに集中できるよう、失敗を将来への投資機会と捉え、集中的に取り組みましょう。

3. 失敗を、次のトライに活かす

弱点補強を徹底する

失敗には、必ず原因があります。前述のバイク免許の卒業検定は、クルマの試験よりも難易度が高いのが特徴です。そもそもバイク自体が不安定な乗り物であるうえ、クランクや一本橋などの課題走行は高度なバランスが試されることから、当日の緊張によって簡単に失敗してしまいます。でも、裏を返せば少々の緊張にも動じないバランス走行が試されているとも言えます。本番では緊張しても100%が出せるように、練習では120%の状態を目指す必要があるということです。私の例で言えば、クランクには苦手意識を持っていましたが、不合格後の補講教習でギアの操作から目線の向け方まで徹底して練習した結果、少なくとも練習時には全く不安がなくなりました。本番も、緊張から多少のぎこちなさは生じたものの、無事クリアすることができました。

過去の失敗が消化できた時、合格が手に入る

今回のバイク免許合宿では、想像以上に苦しみました。休暇日程を一発合格前提に組んでいた(2日以上延泊すると、仕事に支障が出る)こともあり、卒検不合格時には「これ以上落ちたら、免許取得を諦めなければいけない」という大きなプレッシャーを感じました。この時、大学卒業時に就職先が決まらず会計士受験を決意し、期限の卒業3年目に受けた「最後の」会計士試験、不合格だったら他の道を探そうと本気で考えていたあの頃を思い出しました。

その日の夜は、翌日の再受験に対して不安と緊張でいっぱいでした。スマホや読書で気を紛らわそうとしても、心の中のそわそわした気持ちは一向に消えません。そんな中、ふと1回目の試験の失敗を振り返った時、少しずつ今回の失敗の意味が理解できたのです。「緊張した状態でもバランス走行ができるレベルになる」「合格後の安全運転を支える機会になる」。自らの失敗に対して正面から向き合うと、失敗から学べる本当の意味とこれまでの自分の努力を再認識することができます。また、優しくて厳しかった教官の皆さん、再受験に向けて暖かい声をかけてくれた事務の方たちなどの顔を思い返した時、「自分はもうここでやり残したことはない」という感覚に至り、翌日の試験に向けて心の準備が整ったように思います。

もちろん、会計士試験はバイク免許よりもはるかに難しい試験です。でも、本試験を迎えるにあたって過去の失敗と正面から向き合うことは、合格後のキャリアの成功を目指すうえでもとても大切なことです。過去のすべての失敗を正面から受け止め、合格に結びつけましょう。

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