会計士試験で人生の基礎を築く

目次

はじめに

就職活動失敗から、会計士の道へ

会計士試験は、大きなチャレンジです。そして、大きなチャレンジだからこそ、目的次第では単なる資格取得を超えた大きな成果が得られます。

私の場合は、大学4年時に内定が一つももらえないという挫折から、「自分を変えたい」という目的で勉強をはじめました。だから、勉強中もいろんな人や本に出会い、自分についての考察をたくさん行いました。結果として、そのときの経験が、「夢に向かって行動し続ける」という今の自分を支える大切な基礎になりました。
目的のない努力は、必ず挫折します。逆に、目的を持って行う正しい努力は、必ず報われます。そこで今回は、受講生の皆さんにとっての「会計士受験の意味」を再考するきっかけとして、私が会計士試験で得た3つの基礎力を紹介いたします。

 

1.全力を出し切る力

完璧主義でもいいから、やってみる

学生時代から努力の習慣がない私は、勉強開始当初、いきなり「1日12時間、自習室にこもって勉強する」と無理な課題を掲げていました。案の定、勉強時間は良くて8~10時間でほとんどは3~4時間、自習室通いも2、3ヶ月で挫折してしまいました。
ただ、振り返ると、やる気の上がらない日やノルマに達しない自分への不満を横目に、「問題を解く力」は間違いなくこの時期に伸びました。この時期は、簿記1級合格に向けて、毎日講義と問題をがむしゃらに進めていましたが、振り返れば「短期集中で特定の科目を一つずつ仕上げる」というセオリーを実践できていたのだと思います。

「今日が、人生の頂点」

お笑い芸人の明石家さんまさんの言葉です。彼は、大舞台で緊張したことがないという話の中で、「緊張するやつは自分に期待しすぎ。おれは毎日、今日が人生で一番だと思っている」と言っていました。私の受験生活では、集中期、停滞期、休養期の3つのサイクルがあり、学習期間が伸びるにつれて後ろの2つが増えていました。それでも、合格を目指す意識は常に持ち続け、その時その時で自分のできる範囲で全力を出し続けた結果として、合格することができたのだと思います。そこから学んだことは、とにかく進み続けることの大切さです。調子が思うように上がらなくても、今までの最高の自分も最低の自分も含めて、「今日が、人生の頂点」と言い続ける。このことが、私にとって前に進み続けるための最大の原動力になりました。

 

2.夢を見つける力

現状の延長線上に、未来はない

受験当初は、不安と焦りでいっぱいでした。大学の友人たちの将来が決まっていく反面、自分は一つも内定がもらえない現実。自分には、何が足りなかったんだろう。会計士試験合格で、何を得られるのだろう。そう考えたとき、自分を大きく変えるためには、過去の延長線上ではなく、新たな未来像を描くことが必要なのだと感じました。

人と本に出会い、選択肢を拡げる

たとえば、受験当初の目標は「監査法人に10年在籍後、就職活動で叶わなかった志望企業へ転職する」というものでした。そのときはこれが私にとって一番ワクワクする選択肢でした。でも、先輩会計士の方に話を聞いたり、偉大な経営者の生き様を本で知るうちに、「自らのアイデアと行動力で世の中を変える社長になりたい」と強く願うようになりました。
一方で、それなら監査法人ではなく、ベンチャー企業やコンサルに挑戦すればよいのではという声もあります。でも、私は縁あって会計士試験に合格したからには、独占業務である会計監査の道で一流と呼ばれるまで腕を磨きたいと思いました。最近はやっと監査の全体像を覚えたというところですが、この経験がいつか必ずどこかで役に立つと信じ、夢へ繋がる大切な過程として、今は目の前の仕事に取り組んでいます。

 

3.自分を信じる力

トライアンドエラーが、人間力を育てる

会計士試験は、人間力を試す絶好の機会です。特に、今まで大きな受験を経験せず、学校の試験もそれなりだった私にとっては、ゼロベースの大きなチャレンジでした。そこで一番学んだことは、トライアンドエラーを繰り返して目標を達成するプロセスです。特に、「トライ」をどれだけ早く、多くの量をこなせるかが重要なポイントだと学びました。

自分を信じる人は、本番に強い

本番で結果を出すために大切なのは、たった一人で戦う自分を強く信じることです。私が受験生活で最も誇れることは、本番での強さです。論文式試験では、直前の2ヶ月間、ほとんど机に向かわなかったにも関わらず、一発合格できました。勉強時間の少ない私にとって唯一の自信があったのは、「この2年半の勉強量は、自分史上最大だ」という誇りです。周りを見渡せば、私より勉強をした人はたくさんいるし、頭がいい人もたくさんいる。でも、自分の歴史を振り返れば、会計士試験へのチャレンジが最大の勉強量だった。このように気持ちが吹っ切れた結果、本試験当日に実力以上の成果を出せたのだと思います。

 

おわりに

人生のステージに比例して、乗り越える壁も高くなる

受験生時代、会計士試験合格というとてつもなく大きな壁に対し、その手前の小さな壁を少しずつクリアしながら、なんとか乗り越えることができました。監査法人に入ると、今度は会計監査という仕事の難しさと、その成果の複雑性に、より一層高い壁を感じました。
会計監査の担当者レベルでは、監査計画で定められた監査手続を実行することが主たる業務となりますが、その成果は試験のように単純な採点はできず、様々な要素によって構成されます。たとえば、監査手続の実施段階におけるクライアントとのコミュニケーションの有効性及び信頼関係の構築、手続内容の十分性及び適切性、手続結果としての監査調書の正確性、論理性など。さらには、これらに加えて一般的なビジネススキルも問われます。

目標達成の基礎は、トライアンドエラー

会計士試験の受験当初は、科目別の攻略法にこだわり、どの科目のどこをどれだけやればよいのか、という点を先生や合格者の方によく聞いていました。それは、膨大な範囲の中で一定程度の合格点があるものの、どこから手を付け、どこまでやればいいのか全くわからない状態だったからです。

もしかすると、会計監査の仕事も同じなのかもしれません。クライアントが監査対応で何をどこまで求めるのか、手続内容や監査調書にパートナー・マネージャーはどの程度の完成度を求めるのか、また、合格点はどの程度なのか。そして受験で過去問を重宝するように、会計監査でも過去調書を研究すれば、それらのヒントが得られるのかもしれません。

大切なことは、1にも2にもトライアンドエラーです。これは受講生の皆さんにお伝えすると同時に、私自身に言い聞かせている言葉でもあります。そのためには、まず、トライすること。そして、エラーを必ず振り返ることが必要です。昨日より今日、今日より明日。一歩ずつ前進していきましょう。

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