8月論文に向けて3か月、3つの準備

目次

1.はじめに

8月の論文試験まで残り約3か月。この期間にやるべき大切な準備は3つあります。1.自分がどのレベルで合格するのか決める、2.科目の順位付けをする、3.直前1週間までに勉強を終える計画を立てる、です。私は1000位代ギリギリの合格でした。監査法人で働いてみて感じたのは、試験勉強でサボると実務で挽回が必要であることです。特に監査論は試験で48しかとれなかったこともあり、内部統制監査や実証手続の内容などがあいまいで、初めの現場では苦労しました。それでも、いま時間がないと焦っている方にはこの道をお勧めします。なぜなら、不足した知識は合格してから学べばよく、合格後の勉強は実務に直結してイメージがしやすいからです。以上を踏まえ、今回は論文試験に向けた準備について、私の経験からのアドバイスをお伝えいたします。

2.「何位で合格するか」決める

会計士に求められる専門知識

会計士は、監査・会計の専門家です。そして、専門家として働くための最低限の知識を担保するため、国家試験が実施されています。一方、最低限の知識といっても論文1位合格と1000位代合格とでは大きな差があるのも事実です。実際に監査法人に入所した同期を見てみると、私より何百位も上で合格した人たちは新人研修でも知識の差を実感しました。特に監査論の体系的な理解と基礎知識の暗記をマスターしていると、監査実務への理解力が大きく異なりました。

試験でどこまで進むか、決める

試験勉強は長い階段です。合格後も実務で知識が試されるため、会計士資格を持ち続ける限り勉強は永遠に続くでしょう。大切なことは、論文試験でどの程度まで登るか決めることです。私は勉強嫌いだったので、常に合格ギリギリのラインを探りながら、かなり範囲を絞って勉強していました。一方、本試験当日のアクシデント等を見据え、基礎レベルを漏れなく仕上げて上位合格する人もいます。この選択によって勉強量が大きく変わるため、この点を意識することは非常に重要です。特に、勉強時間が確保できないのに後者を選んでしまうと、広く薄く、中途半端な知識で試験に臨むこととなり合格は望めません。自分の確保できる勉強時間、性格等を踏まえ、自分にピッタリの勉強計画がとても大切です。

3.伸びそうな科目順に勉強する

論文は、短答4科目プラス2科目の計6科目です。特に論文2科目は準備に時間がかかります。また、短答科目でも企業法や財務会計論のように、論述形式となることにより難易度が変わる科目もあります。そこで大事なことは、伸びそうな科目順に勉強することです。30点から50点と、50点から80点では圧倒的に前者の勉強量が少なくて済みます。また、苦手科目でも、きっかけをつかめば伸びそうなものか(たとえば、企業法の論述の型をマスターする)、時間がかかるものか(財務会計、管理会計の計算全般が苦手)によっても変わります。思い切って後者は捨て、暗記系の監査論、計算でも時間がかからない租税法や経営学に時間を割くのも有効です。3か月は思いのほかあっという間に過ぎてしまうため、「費用対効果」を特に意識することが重要です。

4.直前1週間は、心と体を整える

本に没頭し、100冊読破する

私の場合、直前1か月は図書館にハマり読書に明け暮れました。本の種類は様々で、自己啓発書、趣味・実用書、動植物図鑑、会計学・経営学のビジネス書などです。中には、図書館で読んだ経営学の本の内容が試験に出題されるという幸運もありました。なにより、読書を通じて自分と向き合い、自分の生き方を見つめ直すきっかけになった経験は現在の大きな財産です。

前向きな遠回り

直前1か月の読書期間は、短答3回の経験と受験に専念という環境に恵まれたからこそ生まれた余裕でした。本来、学生や社会人の方の多くは短期合格を目指されていることでしょう。それでも、直前の1週間はリラックスに充ててもらいたいと思います。一見、合格の最短距離は直前の追い込みだと思いがちですが、思い返してみてください。論文試験にたどり着いたということは、少なくとも1年以上、そして短答では10人に1人の実力を発揮して今に至るということです。これまでの自分の努力をたたえ、体調と精神を整えることも大切な準備なのではないでしょうか。

5.おわりに

5月現在、監査法人では繁忙期のピークを迎えています。チームにより大きな差がありますが、私のチームではGWは日曜を除き全出勤、ここ3週間で休日は1日と、かなりの業務量です。ですが、自分の仕事に1%でも興味・やりがいを感じる限り、なんとか繁忙期を乗り切れるのではないかと思っています。勉強も同様に、残り期間で大量の課題があるとしても、それを前向きにとらえる限り必ず成果が出ます。試験が迫っているからこそ、「会計士として何がしたいか」を掘り下げてみてください。気分転換を兼ねて、合格者や講師の先生の話を聞くのもいいでしょう。1%でも試験勉強がワクワクする未来につながれば、合格はすぐ目の前です。

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