はじめに
私は社会人として働きながら日商簿記検定や公認会計士試験の学習を続けてきました。その後、一度退職して半年ほど学習に専念しましたが、論文式試験に不合格となりました。しかし、その後短答式試験合格者採用で監査法人に就職し、再び働きながらの学習を継続し、次の論文式試験で合格することができました。
日商簿記検定3級の学習を始めたのは、すでに30代になってからでした。そのため、クレアールの教材を利用すれば、年齢が高いスタートであっても、また働きながらであっても、公認会計士試験に十分合格できるということを、皆様にお伝えできればと思います。
以下に、私が日商簿記検定の学習を開始してから公認会計士試験に合格するまでの流れを表にまとめました。
| 学習 | 仕事 | |
| 2021年11月 | 日商簿記3級, 2級スタート | 仕事しながら学習 ※日商簿記1級合格までは週10h程度 それ以降は週30h程度学習 |
| 2022年2月 | 日商簿記2級合格(3級は受けず) | |
| 2022年6月 | 日商簿記1級不合格 | |
| 2022年11月 | 日商簿記1級不合格 | |
| 2023年6月 | 日商簿記1級合格 | |
| 2023年12月 | 短答式試験不合格 | |
| 2024年3月 | 仕事を退職 | |
| 2024年5月 | 短答式試験合格 | 学習に専念(週50h程度) |
| 2024年8月 | 論文式試験不合格 | |
| 2025年2月 | 短答合格者採用で監査法人に就職、仕事しながら学習 | |
| 2025年8月 | 論文式試験合格 |
日商簿記1級に合格するまでは、平日は勉強したりしなかったりで、休日も2時間ほどと、そこまで勉強時間を確保していませんでした。しかし1級合格後は気持ちを切り替え、仕事以外の時間の大半を勉強に充てるようになりました。
仕事のある日は通勤時間・昼休み・仕事後を活用して4時間程度勉強していました。通勤時間で暗記科目や講義の高速視聴をし、昼休みに計算科目、仕事後は講義視聴や計算という感じのルーティーンをとっていました。休日はじっくり時間が取れるので、連結会計の計算や答練等の演習といった時間がかかるものであったり、講義の復習等を行い7~8時間程度勉強していました。初受験の12月短答式試験に不合格だった後、一度仕事を辞め、学習に専念してからは毎日7~8時間程度勉強していたと思います。その後の5月短答で無事合格することができました。
特に勉強に専念している期間の話ですが、気分を変える意味で、自宅や自習室、カフェ等、勉強する場所を頻繁に変えていました。また、タイマーで時間を測り、科目別に勉強時間を記録していました。どうしても勉強時間が長くなると、好きな科目だけを時間かけてやってしまう懸念があったので、科目ごとに勉強時間のバランスを取りたかったという趣旨です。
長時間は難しくても、工夫して勉強を頑張ったとは思いますが、初受験の論文式試験は残念ながら不合格でした。それでも短答式試験合格採用という特殊な採用方法で監査法人に就職し、通常の監査スタッフと同様の仕事をこなしながら勉強を継続しました。監査法人の就職は通常2月であり、そこから新人研修を経て、3月頃から実務に移ります。実務に入るとすぐに3月決算の会社の期末監査が待ち受けているため、かなり忙しい日々を過ごすことになります。
ただし、基本的に残業がないよう仕事を振ってもらえるので、全く勉強ができないということはありません。そして、6月頃からは論文式試験の日まで有給休暇をいただけるので、金銭的な不安もなくその期間にラストスパートをかけることができます。仕事をしていた期間は3時間程度、休日や有給期間は8時間程度勉強していました。そして、その年の論文式試験で無事合格を勝ち取ることができました。
私は働きながら勉強した期間も、勉強に専念した期間も経験しましたが、個人的には、一日中時間があっても勉強できるのは8時間が限度でした。そのため、仕事をしていたとしても勉強時間への影響はそれほど大きくなく、仕事が良い気分転換にもなっていましたので、働きながら合格を目指すのにも一つの道だと思っています。なので、私と同じように、勉強ばかりしていると息が詰まってしまうような人には仕事をしながら合格を目指すというのも一つの方法かなと思います(もちろん、最低限の勉強時間を確保するために残業時間ができるだけ短い仕事であることは必要だとは思いますが…)。
一方、私が監査法人に就職してみて、色々な同期の方と接してきましたが、年齢層は一般の会社と比べてかなり幅広いイメージです。中には数年アルバイトや無職だったという方もいます。あまり無責任なことは言えませんが、少しくらい空白期間がある程度では就職先が見つからないということはない業界です(もちろん人間性は重視されますが…)。本気で公認会計士試験の合格を目指していて、まだまだ年齢が若い方は、無理して仕事をしながら勉強する必要はないと思います。その場合は思い切って専念の道を選ぶこともありだと思っていますし、むしろそちらの方が王道な気がします。
いずれにせよ、公認会計士試験はかなり長い時間を投入しなければ合格できない資格試験です。インターネットでざっと調べると、合格までの平均時間が4000hとのことです。仮に1日10h安定して勉強できると1年ちょっとで、毎日3hしか勉強できなければ4年ほどかかる計算です。
プライベートを捨ててでも短期で合格したいのか、それとも経済的に安定した状態で少し長くかかっても合格したいのか、ということも踏まえてご自身の公認会計士試験までの合格の道のりをイメージしてみてください。もし迷ったら、身近な人や、もちろんクレアールスタッフに相談することも考えてみてください。自分の後悔しない選択をできるよう、そして、皆様が公認会計士試験に無事合格できるよう、心より願っています。
私が公認会計士を目指したきっかけ
私は大学でも社会人としても、簿記や会計とは無縁の分野にいました。しかし、社会人として働く中で、常にお金のことを考えて行動することが求められ、財務情報を読み取るための研修受講などもありました。そのため、これまで関係のなかった簿記や会計を社会人に必要な素養として身につけようと考え、日商簿記検定の学習を始めました。
学習を進める中で、日商簿記1級が税理士試験の受験資格になっていることや、公認会計士試験の受験準備に適していることを知りました。私は、何かを始めるととことんやりたくなる性格なので、せっかく簿記を学ぶなら税理士や公認会計士も目指してみたいと考え、公認会計士試験を志すことにしました。税理士も選択肢にはありましたが、公認会計士でも税理士登録が可能だったため、公認会計士を選んだ記憶があります。
なぜクレアールを選んだか?クレアールの良かったところ
まず日商簿記の学習を優先したかったため、簿記と会計士試験対策がセットになっている予備校を探しました。社会人として勉強時間が限られることから、効率的に学習でき、通信講座が充実しているクレアールに注目しました。また、公認会計士予備校の中でも特に低価格で受講できた点も魅力でした。クレアールには、日商簿記検定や公認会計士試験の合格でキャッシュバックが受けられる制度があり、頑張れば大手予備校の半額以下で合格を目指すことができる点も魅力的でした。
クレアールを選んでよかったところは大きく2つあります。
① 日商簿記1級で合格点を取れるようになってから会計士試験の勉強に進むという方針
中々1級合格に至らず、焦ったことはありますが、1級の学習期間に計算力をしっかり固められたことで、結果的に公認会計士試験の計算科目に大きく苦労することはありませんでした。
② 合格に必要な範囲に絞ったテキスト
最初は、他校の大量で分厚いテキストと比較して、本当にこれで合格できるのか不安もありました。しかし、実際に受験してみると、クレアールのテキストに記載されていない問題はほとんど出題されず、仮に出題されても受験生が解けないレベルのものが多いことがわかりました。公認会計士試験は、皆が正答できる問題を取りこぼさないようにすれば合格するとよく聞きますが、まさにその通りだと思っています。必要な範囲のみに絞ったテキストは、効率的に合格を目指す上で非常に優れていると感じました。
私の学習方法について
日商簿記検定、短答式試験については、何度か不合格を経験しましたが、勉強方法は一貫していましたので、科目別に学習方法を記載しようと思います。一方、論文式試験については令和6年と令和7年受験時で学習方法を大きく変えたところがありますので、科目別、受験年別に学習方法を記載いたします。
日商簿記検定
簿記・会計学
簿記初心者だったため、講義を最初から最後までしっかり聴き、テキストに書き込みながら理解を深めました。基本的にはクレアールテキストのみを使用し、例題を繰り返し解き、直前期に答練・模試で演習を積みました。日商簿記1級は市販の過去問も併用しました。クレアールのテキストは例題以外の記述も丁寧なので、公認会計士試験を目指す場合は例題以外の部分にも定期的に目を通しておくと、その後の勉強が楽になります。
工業簿記・原価計算
学習方法は簿記・会計学とほぼ同じです。テキストの問題を繰り返し解き、模試や過去問で演習を行いました。
短答式試験対策
財務会計論
日商簿記の学習で短答に通用する計算力がついていると実感できたため、連結会計は論文対策講義の応用論点までしっかり聴き、それ以外の計算は日商簿記1級テキストの例題を繰り返しました。直前期は答練や模試(他校含む)を解き、理解の浅い部分の補強に集中しました。
管理会計論
計算は得意でしたが、短答の管理会計は特に時間管理が難しいと感じたため、講義はほとんど受講しなかったものの、早期から過去問・答練・模試を中心に演習し、「解く順番」と「時間配分」の戦略構築に重点を置きました。形式が変わるため参考にならないかもしれませんが、私は60分の問題を55分で解く練習をし、最初の15分ほどで理論と計算の順番決めを行い、残り40分弱で計算を6問以上確保する練習をしていました。理論対策ではテキストに加えて原価計算基準を定期的に読んでいました。
企業法
クレアールの企業法は特にテキストが分厚く、網羅性が高いです。講義を1.5倍速で視聴して理解を深めてから、テキストを何度か回しました。直前期は答練・模試で理解の弱点を洗い出して補強しました。
監査論
最も内容がわかりにくく、苦手だった科目です。監査は全体の流れを理解することが重要と聞いていたため、テキストのフローチャートを中心に流れをつかみ、講義で聞いた重要事項をフローチャート付近に書き込んでまとめていました。ベストな方法かはわかりませんが、合格ラインは確保でき、なぜか論文式試験でも科目免除を得ることができました。
論文式試験対策
財務会計論:(得点率 R6 52.0→R7 63.75)
令和6年
財務会計論は、まず連結会計の計算を中心に対策を行いました。特に、短期間で得点力を上げるためには連結の安定化が不可欠と考え、テキスト例題や過去問を複数回繰り返して解くことで、論点ごとに抜けがないように意識していました。一方で理論については、当時は時間の制約もあり、理解を深めるというよりは暗記に頼った学習方法になっていました。キーワード中心で覚えようとしたため、論点間のつながりや背景理解が不十分で、本試験では思ったように得点に結びつかず、結果として総合的な得点力の伸び悩みにつながったと感じています。
令和7年
翌年は、前年の反省を踏まえ理解を伴った理論の学習を最優先に取り組みました。理論については、前年は暗記に偏った勉強を行っていたという反省を生かして、論文対策講義をしっかり受講したうえで、テキストの記述の意味を理解しつつ暗記を進めました。講義内で扱われる理論の背景や基準の意図を理解してから覚えることで、暗記が定着しやすくなったと思います。計算では、ある程度土台ができていた連結会計をさらに強化しました。特に、連結特有の論点を「なぜその処理になるのか」まで説明できるレベルにすることで、少し複雑な問題にも対応できるように対策しました。演習を解く際も、答えが合っている・間違っているだけでなく、過程を意識する習慣をつけていました。
管理会計論:(得点率 R6 57.70→R7 58.80)
令和6年
管理会計は得意科目だったため、勉強時間は多く割いていませんでした。計算は週1〜2時間程度、テキストでメンテナンスするのみでした。理論は標準原価計算が毎年出題されていたことから、その部分に絞って論証暗記を進めていました。(ちなみにR6では標準原価計算が出題されず、完全にヤマが外れました。時間がある方はヤマ当ては避けた方が良いと思います笑)
令和7年
前年同様、計算は週1~2時間のメンテナンスが中心でした。理論は全範囲を対象にし直し、論文対策講義を視聴して理解を深めた上で論証暗記を進めました。
監査論:(得点率 R6 56.75→R7 -)
令和6年
短答対策の延長に加え、論文対策講義資料の読み込みを中心に行いました。また、監基報の構造を把握し、どこに何が書かれているかを確認しておくことで、試験中に素早く参照できるよう意識していました。監査論は苦手科目でしたので、結果的に科目免除をいただけた理由は、自分でも正直よく分かっていません。
令和7年
科目免除のため、なし。
企業法:(得点率 R6 22.40→R7 45.60)
令和6年
論文式試験特有の解答作成方法を身につけること、判例等の暗記が中心でした。もともと得意科目ではなかったこともあり、問題文の読み取りに時間がかかる傾向がありました。試験当日は焦りから問題文を正確に読めず、「論ズレ」してしまい、大問が丸ごと0点となったことが不合格の大きな要因でした。
令和7年
ポケット六法を購入し、勉強時は常に使用しました。条文の構造を理解し、試験中も素早く引けるよう、講義やテキストに出てくる条文を都度確認していました。ポケット六法は関連条文も末尾に載っているため、基準集より学習しやすいと感じました。その他、基礎講義テキストに戻って理解を深め、論証暗記も継続しました。結果は足切りも見える点数でしたが、前年に比べ対策の方向性は改善できたと思います。
経営学:(得点率 R6 53.75→R7 61.40)
令和6年
財務管理は管理会計と似た感覚で取り組みやすく、主に財務管理を中心に対策しました。経営管理も本来であればまんべんなく対策すべきでしたが、時間的制約から財務管理に大きく偏った学習となりました。経営管理の講義は倍速で視聴したものの、最後まで見終わらないまま本試験に挑まざるを得ませんでした。結果は得点率53.75と合格水準には達しましたが、内訳は経営管理23.05、財務管理30.7で、経営管理が大きく足を引っ張る結果でした。
令和7年
財務管理は前年のベースがあったため、テキスト例題で軽くメンテナンスする程度に留めました。勉強の中心は経営管理に置き、講義を最初から視聴し直し、テキストの太字部分を定義とセットで理解することを意識しました。令和7年の経営学は経営管理・財務管理ともに難問が多かった印象ですが、難しい問題に惑わされず、基本的な問題を確実に取れれば十分合格点が狙えると思います。結果は得点率61.4で、経営管理29.7・財務管理31.7と、経営管理を大きく伸ばすことができました。
租税法:(得点率 R6 54.55→R7 63.70)
令和6年
短答式対策ではほとんど時間を割いていなかったため、論文では得点比重の高い第二問対策として計算中心の学習を行いました。時間が足りず消費税の対策は不十分となりましたが、法人税・所得税の計算はテキストベースで繰り返し行いました。その分第一問が手薄となり、結果も第一問17.25、第二問37.3と、第一問が足を引っ張る形になりました。
令和7年
計算では前年に対策不足だった消費税を基礎講義を通じて固めました。消費税は集計が多く難しく見えますが、論点は少なく理解が進むと最も点が取りやすい分野だと感じました。時間がない方もできれば消費税はしっかり対策された方が良いと思います。第一問対策では、テキストと基準集を照らし合わせつつ、基準集の内容を嚙み砕いて理解する形で進めました。問題演習では、基準集の目次から該当条文を素早く推測できるかを確認し、推測できなかったものを優先的に覚えるようにしました。結果は得点率63.7。第一問23.3、第二問40.4と、第一問を大きく伸ばすことができました。
最後に
令和6年は短答合格が5月だったこともあり、3か月という短期間で効率的に学習せざるを得ず、どうしても計算中心の対策となりました。不合格の直接的な原因は企業法の論ズレですが、他科目でも計算以外の部分の弱さが目立ちました。時間に限りがある中でも、やはりバランスの良い学習が重要であると痛感しました。
テキストはクレアールから提供されるテキストのみで十分合格点が取れます、何度も繰り返し学習を行ってください。ここ最近は某予備校が勢力を拡大してきておりますが、それに惑わされることなく、クレアールを信じて頑張ってください!


