学習スタートから合格までの軌跡
2022年4月 簿記3級から学習開始
2022年6月 日商簿記3級⇒合格
2022年7月 日商簿記2級⇒合格
2022年11月 日商簿記1級⇒不合格
2023年5月 第Ⅱ回短答式試験(試し受験)⇒不合格
2023年6月 日商簿記1級⇒不合格
2023年12月 第Ⅰ回短答式試験⇒合格
2024年8月 論文式試験⇒合格
2024年11月 日商簿記1級⇒合格
公認会計士を目指した理由
私が公認会計士を目指した理由は2つあります。
1つ目は、将来は専門的な職業に就きたいと思っていたからです。高校2年生の頃に将来の進路をどうするか悩んでいたとき、私は専門的な資格があれば就職活動でアピールできると思い、様々な資格を調べました。そのときに会計の専門家である公認会計士は比較的自由な働き方ができる点や監査証明という難しそうな仕事内容に魅力を感じ、挑戦してみたいと思うようになりました。
2つ目は、大学に入ったら何か1つはやり遂げると決めていたからです。高校生活では部活動も勉強も全て中途半端で終わってしまったと感じていたので今度こそ全力で何かをやりたいと思いました。
そのため、日本の三大国家資格である公認会計士に挑戦しようと決意しました。
クレアールを選んだ理由
私がクレアールを選んだ理由は3つあります。1つ目は、クレアールの学習コンセプトに魅力を感じたからです。
クレアールには非常識合格法という学習法があり、合格に必要な基本論点を徹底的に仕上げて確実な知識にするという学習法が完璧主義的な自分に合っていると思いました。
2つ目は、良心的な価格です。他の予備校と比較して公認会計士講座の価格が圧倒的に低価格だった点が魅力的だと感じました。
3つ目は、コースプランが試験に挑戦しやすいと感じたからです。私は会計士講座の3年トータルセーフティコースを受講しました。このコースは受験料がクレアール負担となるため、失敗を恐れずに受験をしてみようとチャレンジする気持ちが高まりました。また、早期に合格すれば合格お祝い金や未受講分の受講料を返金してもらえる点も試験に挑戦するモチベーション維持につながりました。
具体的な学習方法
簿記検定対策
私は2022年4月から簿記の学習を始めて、まずは同年6月の日商簿記3級の合格を目標にしました。学習方法で心がけていたことは、理解できなかったとしてもとにかくテキストの内容を進めていくことを意識しました。
私は完璧主義的な傾向があるので、分からない点があれば理解できるまで悩んでしまうことがありました。
確かに、分からないことを理解することは勉強する上でとても大事ですが、その都度立ち止まって悩み続けるのはかなり効率が悪いので私は10分間悩んで理解できなかったら一旦飛ばして学習を進めていました。
一旦飛ばして進めて後で見返すと、悩んでいた点を理解できて解決することが多かったと感じました。
もう一つ心がけていたことはとにかく手を動かすということです。簿記の勉強では必ず仕訳が出てきますが、最初のうちはサボらずに仕訳を書いて勘定科目などを覚えることを頑張っていました。
上記の心がけが功を奏したのか日商簿記3級に合格して、それから一月も経たないうちに日商簿記2級も合格することができました。この調子で日商簿記1級の合格を目指しましたが日商簿記1級合格に合格するのはなかなかに険しい道のりだと感じました。
2022年11月に1回目を2023年6月に2回目の1級試験を受験しましたが、いずれも点数が60点台で合格点の70点には1歩足りない結果となりました。最終的に日商簿記1級に合格したのは公認会計士試験合格後の2024年11月となりました。3回目の1級試験では、過去問や1級答練を解くたびにWordにまとめを書いていました。
<まとめの例>
10/5 マスタ―① A
・棚卸資産の収益性の低下による簿価切り下げ額(商品評価損)は売上原価として処理するが、棚卸資産の製造に関連し不可避的に発生すると認められるときには製造原価として処理する。
・仕入割引は代金を期日よりも前に支払うことで決済日から期日までの期間に対応する金利相当額の割引を行うものであり利息の性質を有するため営業外収益とする。そのため仕入から控除しない。
・要償却額とは取得原価から残存価額を差し引いた額をいう。
▼ ポイント
・日付は復習のたびに更新して、日付の色はワードのフォントの色から標準の色を選択して標準の色の左から暗めの赤色が復習の1回目、明るめの赤色が復習の2回目、黄緑色は復習の5回目というように復習した回数を分かりやすくしました。
・「マスタ―①」はマスター答練の1回目という意味で自分がどの問題を解いたのかが分かるようにしました。
・Aというのは自分の解いた答練に対する理解度で「A:よく理解できている B:まあまあ理解している C:よくわかっていない」の3段階でBとCを重点的に復習するようにしていました。
・まとめで記載する内容は、自分が忘れていた点や忘れやすい点、理解が曖昧な点などを短い言葉でまとめることを意識していました。
・自分がもう覚えてしまって必要ないと感じたら、まとめで記載した内容を消していくことで覚えるべき知識の簡略化を図りました。
このようにWordやスマホでまとめて次の日に勉強する前などにまとめを見返すと昨日勉強した内容の要点を忘れにくいと感じました。
短答式対策
◆ 財務会計論 168点
財務会計は公認会計士試験の中で最も配点が大きく「財務会計を制する者が公認会計士試験を制する」と言う人もいるくらい重要な科目なので、財務会計は計算と理論ともに高い完成度を目指しました。
答練をとにかく何度も解いて理解の定着を図り、解答を見ても分からないところはテキストに戻るというのを繰り返していました。理論に強くなるにはやはりある程度の暗記は必要だと思いました。特に理解を伴う暗記はかなり記憶の定着が良いと感じました。
暗記する上で重要なことは、最初からすべてを暗記しようとしないことだと思います。そして必ずしも一言一句まで暗記する必要はないと思います。計算は下書きの精度を向上させることに努めていました。
◆ 管理会計論 70点
管理会計の試験はとにかく時間が足りないので、私は最初から計算問題8問中2問は解かずに6問正解させる戦略で勉強をしていました。限られた試験時間の中で自分が解答できる6問を選ぶには日ごろの勉強から自分の得意不得意や難しくなりがちな問題の特徴などを理解しておく必要があると思いました。
管理会計の得点を安定させるには理論問題の正答率を上げることが良いと思います。特に、原価計算基準からの出題は絶対に正解したい問題なので、しっかり対策することが必要だと思います。
◆ 監査論 85点
監査論は日頃の勉強で常に全体像を把握することが大切だと思います。短答式試験での点数を上げるために細かい規定ばかりを覚えようとすると全体が見えづらく、かえって非効率になるので、やみくもに暗記に走るのは危険だと思いました。
監査のプロセスを理解して、短答式試験の過去問集や答練を何度も解くことで高得点を目指すことはできると思いますが、満点を目指そうとするのは効率的でないのでやめたほうがいいと思います。監査基準の改訂前文を読んでおくことが大切だと感じました。
◆ 企業法 75点
企業法は範囲も広いので、初学者にはつかみづらい科目だという印象を持っていました。私は講義を受けてから答練を解いて分からないところはテキストに戻るというのを繰り返しました。
企業法の勉強では、テキストの通読をして手続きの流れなどを理解することも重要だと思いました。
また、講義の際には企業法の法令基準集を用意して講義を進めていました。短答対策時から条文を引くことで条文の構造やどの位置にどんな内容の条文があるかをある程度把握できるので、論文式試験を見据えた勉強ができたと感じました。
論文式対策
◆ 会計学午前(管理会計論)
計算は短答式試験で培った力を維持することに努めました。理論は会計学午後(財務会計論)と比較して点数が取りづらく、試験中に考えて解答する現場対応型の問題も出題されますが現場対応の力をつけるには答練でも解答をひねり出す練習が必要だと思います。本試験では、分からない理論問題でも部分点を狙うことを心がけていました。
◆ 会計学午後(財務会計論)
計算は短答式試験で勉強した内容のうち、論文式試験の頻出論点の部分を解き直して下書きなどの正確性を高めることを意識していました。連結会計の部分は少し踏み込んだ勉強をして、テキストのB論点とC論点の一部分はできるように仕上げていました。
理論は論文対策集をとにかく何周もして暗記に努めました。論文対策集に記載されている問題がいくつも出題されていたのでかなり得点の再現性が高いと思いました。
◆ 監査論
監査論は短答式試験から変わる部分の大きい科目だと思います。論文式試験では、自分でまとめて文章を書く必要があるので難しいと感じました。
試験や答練で意識したことは、とにかく空欄をなくすことと法令基準集のどこに何が書いてあるかをある程度把握しておくことです。監査基準の改訂前文をしっかり読んでおくことはかなり大事だと思います。
◆ 企業法
企業法は個人的に一番苦手意識の大きい科目でした。監査論と同様に短答式試験から変わる部分の大きい科目だと思います。論文式試験の勉強では、まず書き方の型を覚えて法令基準集を引いて条文とその条文の趣旨をセットで覚えておくことが必要になります。
私は本試験で手痛いミスをしてしまいましたが、問題文の事実をよく読んでどの条文について問われているのかをよく理解することが大切だと思います。そして、問題文の事実の条文への当てはめを丁寧にすることが重要だと実感しました。
◆ 租税法
租税法は論文式試験から追加される科目で新たに勉強することが必要な科目です。理論問題に対応できるように講義を見ながら法令基準集を準備して常に条文を引いていました。
計算は全体の流れを理解して解くことが重要だと思います。私はテキストの総合問題を何度も繰り返して解いて、計算の全体の流れをつかもうとしていました。
租税の計算は法令基準集の条文だけではない細かい規定もあり難しく感じるかもしれませんが、答練を受け続けると細かい規定にも対応する力をつけることができると思います。
◆ 経営学
租税法と同様に論文式試験から追加される選択科目で多くの受験生が経営学を選択しています。経営学の理論はキーワードを広く押さえることが大切です。
計算については、答練では見ないような現場対応の問題が出されることもありますが、その計算が何をやっているのかをしっかり理解すれば解ける問題もあるので、ただ答練の計算を解くのではなく、基本問題の本質的な理解をして計算を解くのが大切だと思います。
クレアールで学習して良かった点
Web通信なので、分からなかった講義をもう一度再生させることができるため勉強しやすかったです。家を不在にするときなどに事務局に連絡をしておくと、一時的に教材の配送をストップしてくださり、メールでの対応もとても良かったです。
最初は、非常識合格法に従ってほんとに大丈夫なのかという不安もありましたが、公認会計士試験は出題範囲のすべてをできるようにする必要はなく、他の受験生も解けない難しい問題を正解する必要がないことがわかり、非常識合格法は理にかなった勉強法だと思いました。
最後に
公認会計士試験は、勉強中は辛いなと思うこともある試験ですが、合格した時の達成感はすごいと思います。
自分も勉強した成果がなかなか結果に表れない時期がありましたが、辛い中でも勉強を継続していれば徐々に結果が表れてくると思うので頑張ってください。