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公認会計士合格体験記「努力を継続すること」大平 哲也さん

目次

公認会計士を目指したきっかけ

私は地方に住んでいて、将来も地元で暮らしていきたいなと思っていました。大学生のとき就職活動をする際に、一般企業に就職すると転勤がある場合も多く、地元に戻れない可能性があると感じました。
そこで個人としての強みを持ち、地方でも需要がある専門的な資格を取りたいと考え、公認会計士の資格取得を目指しました。

クレアールを選んだきっかけ

大学が市街地から外れたところにあり、通学できる専門学校がなかったため、通信で学習ができる専門学校を探しました。
その中で、非常識合格法を掲げるクレアールを見つけ、問い合わせをしたところ、すぐに資料を送っていただけました。
非常識合格法の本も同封していただき、内容を読んだところ、重要論点のみに特化して対策をするというコンセプトに魅力を感じ、クレアールに申し込みをしました。

クレアールでよかった点

テキストがコンパクトにまとまっているため、試験範囲全体を押さえやすく、何周も回転させることで力をつけることができました。
全教材をPDFでダウンロードできるため、出張の移動中はタブレットで勉強を進めることができました。場所に関係なく学習できるのは社会人受験生にとって大きなメリットでした。

また、講師の方に電話やSkypeで質問するとすぐに回答してくださいました。時には1時間以上にわたり、教えていただいたこともあります。

具体的な学習方法

公認会計士講座の対策を始めてから合格まで5年半かかりました(短答4回、論文3回)。
私は会計大学院を修了しており、短答式試験は最終的に免除(企業法のみ受験)したため、論文式試験対策で勉強したことを記載したいと思います。

◆ 財務会計論(偏差値:46.33(2022)→53.5(2023)→55.95(2024)
[簿記(計算)]
・個別論点
【使用教材:基礎テキスト①②、答練、公開模試(他校模試4回を含む)】

論文式試験で非常によく出題されるリース・減損・S/S・C/S(個別)・収益認識・退職給付の分野は徹底的に対策しました。テキストの内容だけでなく、答練・模試で出題された問題もできるまで解き直しました。

一方で、あまり出てこないけど出たら必ず取らないといけないであろう論点(有価証券、SO、研究開発、ソフトウェア、ARO、外貨など)はテキストレベルの問題は確実にとることを目標にあまり時間をかけないよう対策しました。

論文期だと個別論点は手薄になりがちですが、私は論文3回目かつ短答免除という背景があったため、8月頭に1日しっかり時間をかけて簿記テキストを解き直しました。結果、令和6年の第3問(減損・ソフトウェア)は計算問題を1ミスに抑えることができました。

また、なかなか理解できない問題を電話で山田先生に質問したら、優しく丁寧に教えてくださいました。「他にはご質問ないですか?」といつも確認してくださるので、ついつい色々聞いてしまいました。とても感謝しています。

・連結会計、企業結合(計算)
【使用教材:連結テキスト(基本・応用)、企業結合テキスト、連結補講教材、答練、公開模試(他校模試4回含む)、過去問(市販)】

藤橋先生の連結補講の講座を受講し、自分なりにアレンジしながらタイムテーブルの解き方を学んでいきました。12月から1月はしっかりと時間をかけて総合問題形式の対策を行いました。

令和4年はタイムテーブルに頼りすぎるあまり、初見の論点をどう処理したらいいか分からず大失敗したので、令和6年試験の際は「基本はタイムテーブルで解くけれど、仕訳をいつでも書ける状態にしておく」ことを目標に取り組みました。修正仕訳は苦手でしたが、連結上あるべき仕訳を考えて、個別上の仕訳との差額で修正仕訳を導けばいいと気づいてからは比較的楽になりました(成果連結あたりは修正仕訳覚えたほうが早いですが…)。

また、総合問題を制限時間(60分くらい)付きでたくさん解いた(他校公開模試、過去問など)ことで、とるべき解答箇所はどこなのか嗅覚が身につき、本番も科目合格くらいの点数をとることができました。

企業結合については令和4年試験の時は手を広げすぎてしまい、他の科目との兼ね合いが悪くなってしまいました。その反省から令和5年以降はテキストの簡単な例題だけ回転させ、答練などは間違えたら確認する程度に留めました。
藤橋先生の補講を参考にしながら簡単そうな部分をサクッと解けるように対策しました。

[財務諸表論(理論)]
【使用教材:論文対策テキスト、法規集、答練、公開模試(他校4回含む)】

主に行った対策は、①論文テキストをひたすら暗記する、②法規集を使う練習をすることです。
①については藤橋先生が作成された論文テキストを愚直に繰り返しました。⑴1日後→⑵1週間後→⑶1か月後と復習していき、1か月間隔を開けても覚えている状態に持っていきました。例えば、⑵で忘れていたら⑴からやり直すイメージです(かなり苦行ですが…)。

また、最近の本試験の出題頻度を踏まえ、1章の総論はC/S以外を最後に回して、2章の概フレ以降を最初に覚えていきました。あとは、答練や模試で初見の論証がでてきたら、貼り付けたりして暗記対象に加えました。

②については、「定義」や「会計処理方法」を聞くような問題は法規集に書かれている場合が多いので、そこの見極めをし、探しにいける練習をしました。例えば、「キャッシュ・フロー見積法とはどのような”方法”か述べなさい。(令和6年)」のような問題のことです。この問題の場合、問題文中に「金融商品会計に関する~」とあるので、法規集の「金融商品に関する会計基準」を探しに行くという流れです。

また、法規集のすべてを通読はしていなかったですが、連結・企業結合・事業分離・収益認識は事前に読み込んでいました。出題頻度が高く、初見だと対応が難しいためです。

◆ 管理会計論(偏差値:48.25(2022)→48.15(2023)→43.45(2024))
・計算対策
【使用教材:テキスト、実力問題集、論文過去問(市販)、答練、公開模試(他校4回含む)】

年々成績が下降し、恥ずかしい限りなのですが、社会人受験生ということもあり、あまり時間をかけなかったのが主な言い訳です(管理単独で足切りがないので…)。特に2024年の成績が低いのは、標準原価計算だけは稼ごうと管理の勉強時間の大半を費やしたところ、出題されず撃沈したためです。

日頃の行いが悪いと、こういうことになるので、ヤマを張りすぎるのは良くないなと大反省しております。勉強内容について一応述べておくと、答練は分野別に分けて問題集のように使っていました。時間を計って解いたのは公開模試(クレアールと他校2社)の5回です。

・理論対策
【使用教材:テキスト、理論問題集、答練、公開模試(他校4回含む)】

理論問題集を使っていました。本文を丸暗記するのは無理だったので、各論証でキーワードになりそうな単語を抜き出し、問題文を見た瞬間にそれを思い出せるように練習しました。
ある程度できるようになったら、キーワード同士を肉付けして回していきました。

◆ 監査論(偏差値:46.80(2022)→55.05(2023)→53.55(2024))
【基礎テキスト、論文対策レジュメ、答練、公開模試(他校4回含む)、監基報】

監査論は、講師の吉田先生に大変お世話になりました。勉強方法を相談したり、答練の答案も毎回添削してもらったり、電話で何度もフィードバックしていただきました。

勉強法に関しては、暗記するしかないところ(例:二重責任の原則とは?精神的独立性とは?)はしょうがないので必死に暗記しました。具体的には論文対策講義で取り扱っているレジュメの論証を覚えました。苦痛でしたが、これも合格のためと思い…。

事例対策は、答練を解いたり、講義で重要だと話されていた監基報の箇所を読んだりしました。具体例がイメージできないときは吉田先生に電話質問して、いろいろ教えてもらっていました。

また、監査法人の短答合格者採用で働いていたこともあり、その知識を活かして乗り切った部分もあります。
監査法人で働いていたわり(しかも2年)に偏差値は大したことないなぁと感じられた方も多いと思いますが、案外こんなもんです。働いていても監査論の問題は難しいですし、試験対策としての勉強をいかに積むかが重要かなと思います。

◆ 企業法(偏差値:54.8(2022)→49.6(2023)→63.85(2024))
【使用教材:基礎テキスト、法令基準集(市販)、論文テキスト、論証集、答練、公開模試(他校模試4回含む)】

企業法は山本先生に何度もお世話になりました。今となっては笑い話ですが、私は企業法1科目だけの短答(いわゆるアカスク免除)で一度落ちています。
このときばかりは、新幹線のごみ箱に試験問題を叩きつけ、2週間くらい起きて食べて寝るだけの生活を送ってしまいました。

ただ諦めの悪さだけは人一倍あったので、落ち込みながらも山本先生に相談のメールをした(試験で何を選んだか思い出しながら記載)ところ、4ページ以上の文章で、励ましの言葉や、どういう問題を取らないといけなかったのか返信してくださいました。このとき、もう一度頑張ってみようと気持ちが固まり、勉強を再開しました。

論文についても失敗体験を振り返ってみようと思います。上記の通り、2023年の試験でかなり失敗しているのですが、主な要因は①論証を引き出す力が不足していた②初見の問題のアプローチが良くなかったためと考えています。

①については、論証自体はかなり暗記していたのですが、事例を見てどの論証を使うのかあやふやな状態になっていました。表現が難しいですが、例えば「非公開会社で株主総会決議を経ずに新株発行した場合は無効原因になる?」と聞かれればすらすら言えるけれど、「新株発行の無効原因になる判例3つくらい挙げられる?」と聞かれると固まってしまうような状態でした。

後者の論証を引き出す力があまりに弱かったため、問題文を少し捻られたとたん対応できなくなったのではないかと考えました。対策として、論証を覚える際は、単元ごとに何の論点があったか想起してから、論証を暗記することを意識しました。

②については、知らない問題がでてくるとかえって細かいところが気になってしまい、よく分からないまま無駄に長文を書いてしまうという悪い癖がありました。この反省から、初見の問題こそシンプルに考えるよう意識しました。

まず⑴必ず核となる条文があるので、それを時間かけて探し、⑵その本文やただし書きを写して、⑶問題文にあるワードを引用して丁寧にあてはめるようにしました。
山本先生が短答対策のときから「条文を必ず引いてくださいね」と何度もおっしゃっていましたが、初見問題で条文を発見するには短答期にしっかり条文を素読できたかが大きく影響するのではないでしょうか。

令和6年試験の際は、7月頭に短答期に使っていた法令基準集(マーカーとか書き込み入り)を改めて素読しました(忘れているところは基礎テキストを参照しながら)。
本番で116条というマイナーな条文にたどりつけたのはこのおかげなのかなと思います。種類株のへんにも反対株主の条文があったような…くらいの記憶で発見できました。

◆ 租税法(偏差値:51.40(2022)→53.20(2023)→61.00(2024))
・法人税(計算)
【使用教材:テキスト①②、法規集、答練、過去問(直近4年)、公開模試(他校4回含む)】

法人税テキスト①をまずは徹底的に復習しました。クレアールの教材の中でも特にやりこんだ(特別償却以外はほぼやりました)ので、最後はボロボロになっていました。
法人税テキスト②についてはすべてをやったわけではないのですが、論点丸ごと切るというよりもこのくらいまで取ろうと自分でラインを決めて演習しました。

例えば、資産の評価損益はよく見るから全部やろうとか、外貨建取引も直近本試験で2回出ているから「短期がCRで長期がHR」くらいで整理しておこうとか、欠損金は過去問で出た(令和2年、令和4年)とこだけは簡単だから押さえようといった具合です。
答練解説では山幡先生がとるべき箇所を丁寧に解説してくださったのでとても参考になりましたし、質問を送った際も分かりやすく回答してくださいました。

・所得税(計算)
【使用教材:テキスト、法規集、答練、過去問(直近4年)、公開模試(他校4回含む)】
 所得税については、取るべき基本的な問題を確実にとることを意識し、手を広げないように勉強していました。過去問を見て、給与所得、退職所得、配当所得、一時所得などは取りやすいことが多いなとか、事業所得とか譲渡所得は資料が多くて難しいことが多いなとか考えていました(論点ごと捨てるわけではないですが…)。
所得控除については法規集を参照すればとれることが多かったので、法規集を引く練習に力をいれました。

また、ネットで「所得税 フロー」などで検索すると所得税計算の関係図がでてくるので、印刷して所得税の勉強するときはいつも眺めて、どこの計算なのか迷子にならないよう意識していました。
例えば、「合計所得金額に含まれる一時所得の金額を答えなさい。」みたいな嫌らしい問題があったりするのですが、フロー図を見ながら勉強すると、間違えたとき、なぜ2分の1しないといけないのかイメージしやすかった記憶があります。

・消費税(計算)
【使用教材:テキスト、法規集、答練、過去問(直近4年)、公開模試(他校4回含む)】

「貸倒れに係る税額」「対価の返還等に係る税額」「控除過大調整税額」と「中間納付額」は出たら必ずとれるように練習しました。
上記以外では、売上げまでは最低限解いてみることを目標に演習をこなし、仕入れについては時間があれば「その他の資産の譲渡等にのみ要するもの」など簡単そうなら解くくらいにとどめていました。
 
・租税理論
【使用教材:テキスト(4冊)、直前テキスト、法規集、答練、過去問(直近4年)、公開模試(他校4回含む)】

まずは計算を先にやり、ある程度慣れてきてから理論対策を始めました。法規集を購入し、最初のうちはテキストに掲載されている条文を引いたりして覚えていきました。
答練やテキストで見た条文については必ず探せるようにしました。計算では深く対策しなかった論点(リース、繰延資産、工事、組織再編など)についても理論で問われたらある程度は答えられるようにしておきました。

私が、不合格だった年(令和4年と令和5年)は理論がとても難しかったのですが、すぐに飛ばすことができず、時間を浪費してしまいました。
その反省を踏まえ、合格年は問題をみてもパッと条文が浮かばなかったら一度とばし、後から戻ってくることを徹底しました(公開模試などで実践)。

◆ 経営学(偏差値:53.40(2022)→43.95(2023)→52.65(2024))
・経営管理(理論)
【使用教材:テキスト、答練、公開模試(他校模試4回含む)】

時間がないなかでの勉強だったので、とにかくたくさんキーワードを覚えていきました。クレアールの教材で出てくる問題はもちろんですが、他校の公開模試で出た問題がたまたま本試験で出たりすると、相対的に点数が低くなってしまうので、他校模試もたくさん受けて、なるべくたくさんのキーワードをおさえるよう意識しました。

論述問題の対策も本来ならするべきなのでしょうが、時間がなかったため断念しました。本試験はほぼ作文となってしまい、点数もきていない気がします。ただ、それでも合格ボーダーくらいは取れました。

・財務管理(計算)
【使用教材:テキスト、答練、公開模試(他校模試4回含む)、過去問】

もともと数学が得意ではなく管理会計も苦手だったので、ファイナンスの勉強は苦労しました。また、答練がとても難しかったです。過去問なども活用し、少しずつ苦手意識を消していきました。
最後まで得意にはなれませんでしたが、粘り強く勉強した結果、合格ボーダーくらいまでは乗せることができました。

最後に

ある著名人の方が、「報われないかもしれないところで、同じ情熱をもって継続するのは非常に大変であり、それこそが才能だと思う。」とおっしゃっていました。

公認会計士試験に必要な「才能」もこの継続力が大部分であり、最も難しい部分なのだろうと思います。確かに、これまで育ってきた環境や学歴など、学習経験の個人差は少なからずあるでしょう。

しかし、決してそういう「頭のいい人」だけが受かる資格ではなく、幾度の挫折を乗り越えてなお、努力を継続した人も辿り着ける資格なのだと思います。短答1科目で落ちた私でも、最終合格できたのですから…。
とはいえ、5年もの期間を勉強に費やせたのは実家で勉強させてくれた家族、仕事を調整いただいた職場の方、ずっと心配してくださった大学院のK先生や友人、そしてクレアール職員の方々のご支援があったからです。

お世話になった全ての方への感謝を忘れず、将来を担える公認会計士になれるよう、これからも日々、歩んでまいります。ありがとうございました。

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