皆さんは「幌尻岳」という山をご存知でしょうか。「ぽろしりだけ」と読みます。名前は、アイヌ語が由来です。
「ポロ・シリ(poro-siri)」という言葉が、そのまま和名になったとされています。
アイヌ語で、
ポロ(poro):大きな
シリ(siri):山
つまり、幌尻岳は「大きな山」という意味を持ちます。日高山脈の最高峰であり、「日高の盟主」とも称されるこの山にふさわしい、堂々とした名前です!
そんな幌尻岳は、北海道の背骨、日高山脈の最高峰で、標高2,052mを誇り、日本百名山の一つに数えられています。
さらに、日本百名山の中でも最難関の山とされています。
その理由はいくつかあるのです、順に説明したいと思います!
①山荘の予約が取れない
まず、人気過ぎて山荘の予約が取れません。幌尻岳は日高山脈の奥地なので、通常は途中の山荘で1泊するのですが、この山荘の予約を取るのが非常に困難です。
そもそも、北海道の山ということもあり、登ることができる期間が夏に限られてしまうため、期間も短いのです。
ちなみに、私は3つあるルートのうち「チロロ林道コース」という唯一日帰りで登山ができる可能性のあるコースを選択しました。
②登山口までのアクセスが悪い
次にアクセスが非常に悪いです。
北海道のため、本州の方であれば飛行機がほぼ必須ですし、空港から車やバスで移動しなければいけません。
車の移動も途中、整備されていない林道を通ったりとかなり大変です。
ここまでの行程が伴うと、事前に移動手段や宿泊先を手配しなければいけませんが、そうなると天気を選べません。せっかく準備をしたのに、当日が雨で断念、ということもあります。
そういった意味でも挑戦するまでの難易度も高い山なのです。
③アプローチが長く、整備された道もわずか
片道12~13km、ピストンのため往復で約25kmの行程です。
登山道も最低限の整備で、険しい急登や岩場を登る箇所もあります。途中は沢渡りもあり、複数の渡渉ポイントがあります。水量によっては膝下くらいまで浸ることも。
さらに、幌尻岳までには、ヌカビラ岳、北戸蔦別岳、戸蔦別岳という、3つの山を超える必要があります!
ヌカビラ岳からはひたすら稜線を歩くことになります!
そのため、登っては下る、という行程を繰り返すことになり、累積標高は2,500mにも達すると言われています!
一方で、日高山脈のありのままの自然を味わうこともできます!それが魅力でもあり、登山を困難にしている要因でもあるんですね。
④ヒグマの生息地である
北海道といえば、ヒグマです!
最近は住宅街にも出没して、ニュースで取り上げられるのを見た方も多いのではないでしょうか。
ヒグマは日本国内では北海道にのみ生息しています。体長はオスで約2.0mにもなり、日本に生息する陸上哺乳類の中で最大です!
日高山脈はそんなヒグマの生息地であり、そんな森の中に足を踏み入れることになります。
そのため、私は体力には自信はあったのですが、登る直前までこのヒグマが非常に恐ろしくてたまりませんでした。なので装備も抜かりなく行い、熊鈴はもちろん、熊スプレー、ヘルメットなどなど、完全防備の体制で臨みました(笑)。
先日、そんな日本百名山最難関、幌尻岳に登ってきました!
大まかな日程はこんな感じです。
1日目:移動日。前日のうちに登山口まで移動。その日は車中泊です。
2日目:登山。深夜からスタートし、なんとか日が暮れる夕方までに帰ってくるのが目標でした。
3日目:予備日。2日目が悪天候などで登れなかったときの予備日です。実際は2日目に登ることができたので、3日目は気分晴れやかに北海道観光を満喫しました!
4日目:移動日。この日も朝から北海道観光を満喫し、無事帰ってくることができました!
それでは、1日目から幌尻岳登山までの行程を執筆したいと思います!
1日目
まずは羽田空港から飛行機に乗って新千歳空港へ。到着後、レンタカーを借りて日高市まで向かいます。日高市で食事の買い出しを行い、その日のうちに登山口近くの「チロロ林道駐車場」まで向かいました。日高市は道の駅とセイコーマート(北海道で有名なスーパーです!)1店舗くらいしかなく、のどかな町だったのが印象的でした。
登山口までの車の移動も林道の砂利道が続いており、運転するだけでも一苦労でした。
夕方16時くらいに到着。軽く夕食を済ませて次の日に備えます。周りにも10台くらい車がありました。翌日は深夜3時起床予定だったので、車中泊でぐっすり眠れるわけもなく、ほぼ一睡もせずに翌朝を迎えました、、、
2日目以降はまた別の回で執筆したいと思います!
ぜひお楽しみに!