公認会計士試験の合格に、なぜ学習計画力が必要なのか
世間一般では公認会計士試験はいわゆる難関試験に位置付けられており、合格までには少なくとも数年の時間を費やす必要があります。ここで、公認会計士講座の学習案内等で大まかな学習スケジュールが示されていることが多いものの、実際にどのような学習計画を立てれば良いのか、悩まれる方も多いのではないでしょうか。
試験合格に向けた学習計画を立てるために、改めて公認会計士試験にはどのような特徴があるのか、振り返ってみましょう。たとえば公認会計士試験には、次のような特徴があるのではないでしょうか。
・会計・法務・税務・監査論等、異なる複数分野の学習を一度でこなす必要がある
・計算問題・暗記問題がいずれも出題される
・短答式試験・論文式試験の2段階式試験である
・相対評価試験であり、他の受験生との競争に勝つ必要がある
上記を踏まえれば、短期間で複数分野の計算・暗記問題を相当量こなし、かつ他受験生との競争に打ち勝つ必要がある、短期決戦型の試験であるといえるのではないでしょうか。そんな短期決戦の難関資格に合格するためには、それに見合った学習計画を立てることが必要不可欠です。
そこで今回は、公認会計士試験の合格に役立つ、学習計画力を磨くためのコツをご紹介したいと思います。
「WOOPの法則」で実現可能な計画を立てる
学習計画を立てるために押さえるポイントはいくつかありますが、たとえば「WOOPの法則」に従ってプランを考えれば、要点を押さえた学習計画となるのではないかと思います。
「WOOPの法則」とは、目標の設定から達成までの一連の流れを、「Wish(願望)」、「Outcome(結果)」、「Obstacle(障壁)」、「Plan(計画)」に沿って考えるフレームワークのことです。それぞれの頭文字を取って”WOOP”と呼ばれており、この順番で各要素を計画に落とし込めば、目標達成可能性が高い計画を立てることができると言われているようです。私が公認会計士試験の受験生であれば、たとえば、「WOOPの法則」を次のように活用するでしょう。
「Wish(願望)」:(例)公認会計士試験(論文式試験)に合格する
「Wish」には、”願望”や”自分自身のありたい姿”という意味があります。公認会計士試験の合格を目指されている方であれば、きっと”公認会計士資格を持って活躍している自分”が”自分自身のありたい姿”になるのではないかと思います。そのためにはまず、公認会計士試験(論文式試験)の突破が必要不可欠ですので、「公認会計士試験(論文式試験)に合格する」という願望を持ってみるのも良いのではないでしょうか。
「Outcome(結果)」:(例)精神的余裕・金銭的余裕・時間的余裕が確保できる
「Outcome」には、”ありたい姿を実現したときの結果”という意味があります。たとえば「公認会計士試験(論文式試験)に合格する」という目標を達成した暁には、資格学習で獲得した知識や経験を活かしてよりレベルの高い仕事をすることができるようになるため、その業務内容やその対価を踏まえ、精神的余裕・金銭的余裕が確保できるようになるのではないでしょうか。また、一般的に公認会計士は自身の希望に応じて業務内容や勤務場所、勤務時間等を選択することができることが多いように思いますので、必然的に時間的余裕を確保する余地があるのではないかと思います。
以上を踏まえれば、たとえば「精神的余裕・金銭的余裕・時間的余裕が確保できる」という結果を見込むのも良いのではないでしょうか。
「Obstacle(障壁)」:(例)学習時間不足、学習モチベーション低下
「Obstacle(障壁)」では、”計画達成を阻む要因”は何か、思考を巡らせます。公認会計士試験は”短期決戦”の字の如く、短期間で相当量の学習をこなす必要があり、そのためには学習の量と質をそれぞれ高める必要があるでしょう。この点、社会人受験生を例にすれば、日常業務の繁忙化による学習時間不足や、体力的疲労・精神的疲労による学習モチベーション低下が起こる可能性があるのではないでしょうか。
この点、たとえば、学習時間不足を未然に防ぐためには、生活習慣の見直し、日常の業務負荷の軽減のための業務見直し、時短勤務等の採用等を検討できるかもしれません。また、学習モチベーション低下を防ぐためには、休養日(半日・前日いずれも)を設けることが効果的かもしれません。
“計画達成を阻む要因”は人それぞれですので、ご自身を振り返ってその障壁を打ち破るための手段を見出し、学習計画に織り込むことが効果的です。
「Plan(計画)」:合計3年で会計士試験(論文式試験)に合格する
「Plan(計画)」では、上記の「Wish(願望)」、「Outcome(結果)」、「Obstacle(障壁)」での検討内容を踏まえ、実際に学習計画を立てていきます。
ここでのポイントは、必ず目標を小さな目標(マイルストン)に細分化し、それぞれの達成期限を設定することです。一般的に公認会計士試験では、①日商簿記試験(3級→2級→1級)→②公認会計士試験(短答式試験)→③公認会計士試験(論文式試験)の順番で合格を目指す人が多いため、各ステップ(①②③)にどれくらいの学習時間が必要か考えるのが良いでしょう。
たとえば、日常業務で忙しい社会人受験生の方であれば、「Obstacle(障壁)」の例として示した学習時間不足、学習モチベーション低下が起こらないよう余裕を持ってスケジューリングし、①日商簿記検定(3級→2級→1級)に1年、②公認会計士試験(短答式試験)に1年、③公認会計士試験(論文式試験)に1年の、合計3年を目標達成の期間と決めることも考えられます。
そして、それぞれの目標(マイルストン)に応じて、「Obstacle(障壁)」と「Plan(計画)」を繰り返し、具体的な日々の学習計画を立てるのが効果的です。ただし、公認会計士試験の初学者の方であれば、ご自身が立てた日々の学習計画が適切かどうか判断しかねることも多いと思います。そのような場合には、会計士講座の担当者や講師に相談し、適宜アドバイスを得るのが効果的でしょう。
おわりに
今回は試験合格に役立つ学習計画づくりについて、「WOOPの法則」に着目したポイントをご紹介しました。
学習計画は立てて終わりではなく、実行してこそ意味がありますので、学習熱が冷めないうちに早速学習に取り組んでみるようにしましょう!


