「社会人1年短期合格のススメ」 Vol.43.短答式試験対策 – 監査論 – 学習内容・特徴

目次

はじめに

 クレアール公認会計士講座の学習カリキュラムでは、学習ガイダンスの後、まず「計算力養成期間」として日商簿記3級から日商簿記1級までの学習を順番に進めます。その後、「公認会計士 短答式・論文式試験合格力養成期間」として、短答式試験・論文式試験の学習を進めます。

 短答式試験は、財務会計論・管理会計論・監査論・企業法の5科目500点満点の総合試験であり、そのうち監査論は100点を占める科目です。監査論では、会計士の独占業務である「監査業務」の基礎となる監査の理論を学習します。

 今回からは、短答式試験の試験科目のうち監査論について、その学習内容や特徴、論点ごとの学習のポイントをご紹介したいと思います。

監査論の学習内容・意義

 日商簿記を学習された後で短答式試験の学習に進まれた方にとっては、監査論はまったくもって新しく学習する科目となるため、多少なりとも抵抗感がある方も少なくないのではないでしょうか。

 公認会計士・監査審査会が公表した「令和7年公認会計士試験の出題範囲の要旨について」によると、監査論の出題範囲には、公認会計士又は監査法人による財務諸表の監査を中心とした理論、制度及び実務が含まれ、財務諸表監査、中間監査、期中レビュー及び内部統制監査の理論、制度及び実務が問われることとされています。

 公認会計士の独占業務である監査業務に携わるうえでは、監査の理論の理解が必ず求められますので、会計士試験受験後に監査業務に携わる予定の方にとっては、非常に学習意義がある科目となります。加えて、仮に監査業務以外の業務に携わる方であっても、どこかのタイミングで企業の開示書類を目にする機会はあると思いますので、その開示書類がどのようなプロセスを経て公認会計士から保証を付されているのか、学習するのは意義があるのではないでしょうか。

短答式試験の監査論の特徴

 ここからは、短答式試験で出題される監査論の科目の特徴について、ご紹介したいと思います。学習を開始される前には、ぜひ一度目を通していただき、参考にしてみてください。

解答時間は比較的余裕があるものの、精緻な解答が求められる

 短答式試験の監査論の試験問題は、直近では1時間の試験時間に対して全20問が出題されており、複数の選択肢から正しいものの組み合わせを選択する、いわゆる肢別問題が出題されています。答練や公開模試の問題を解き始めた当初であれば、1時間いっぱいを使い切って解答を導き出すことも多いかと思いますが、実践問題の対策が進み徐々に問題形式に慣れてくれば、1時間の試験時間を丸々使わず、30分か50分程度(人によっては20分程度)で全ての問題を解答することができるようになります。したがって、計算問題が出題される財務会計論や管理会計論と比較すれば、時間に追われる試験問題とは言えないのではないかと思います。

 ただし、どの受験生にとっても同様に試験時間に余裕があるため、大多数の受験生は各問題を十分に集中して解答すると考えてよいと思います。したがって、各問題ではいずれも精緻な解答が求められる点には留意しましょう。

 そして、監査論は監査論は100点の配点に対して全20問が出題される試験形式であり、特に配点調整がされなかったと仮定すれば、単純に1問当たり5点(=100点÷20問)が配分されていると考えられ、1問間違えれば得点率が1%(=5点÷500点)減少する点には注意が必要です。短答式試験では、最終的には1%の差で合否が決まってしまうことも珍しくありません。試験時間に余裕があることを踏まえれば、基本的には100点満点を狙いにいく意識で解答するように心がけましょう。

未経験の業務に対する想像力が不可欠である

 会計事務所で既に勤務経験がある方を除き、基本的に受験生の大多数は、監査業務が未経験であるにもかかわらず、監査論を学習し、その問題を解答することとなります。

 監査業務が未経験であれば、監査論の各論点の内容を頭の中では整理できていたとしても、実際に腹落ちするまで理解するのは難しいのではないでしょうか。たとえば、内部統制評価における”整備状況評価”と”運用状況評価”の違いについて、実際の実施手続内容も踏まえて、理解ができている方は少ないと思います(会計事務所で勤務しながら公認会計士試験の学習を進めていた私も、初めのうちは両者の区別が付かず、何度もテキストを読み返し、監査チームの先輩に質問を繰り返していました)。

 このように未経験業務に関する問題を解くうえでは、想像力を働かせることが非常に重要です。たとえば、前出の内部統制評価における”整備状況評価”と”運用状況評価”等について、それらの手続を実施している未来のご自身の姿を頭に思い描きながら、実際にはどんなことをやっているか想像力を働かせて解答するようにしてみましょう。

おわりに

 今回は、短答式試験の試験科目のうち監査論について、その学習内容や特徴、論点ごとの学習のポイントをご紹介しました。監査論は学習当初なかなか手強い科目かもしれませんが、十分に対策をすれば得点率がぶれることのない比較的安全な科目となりますので、少しずつ学習を進めるようにしましょう。

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