先日、5月25日に公認会計士・監査審査会より、令和9年(2026年12月)の短答式試験から導入される「英語による出題」の配点割合や出題範囲が前倒しで公式発表されました。
以前のブログ記事で短答式試験の英語出題について触れましたが、今回の公表資料を読み解くと、「どこに照準を合わせるべきか」という明確な突破口が見えてきます。
今回は、特に合否の分かれ目となる「国際基準やグローバル企業特有の論点」という超重要ポイント、管理会計論、監査論の視点も交えて解説します!
1.「英語による出題」の概要整理
まずは今回発表された制度の全体像です。
対象試験:令和9年 第I回・第II回 短答式試験
対象科目:財務会計論・管理会計論・監査論の3科目
配点割合:3科目合計で短答式試験の総点数の5〜6%程度
出題範囲:日本語の出題範囲と基本的に同じ(重要項目は網掛けで明示)
総点数の5〜6%(20〜30点分程度)は、当初の各科目1割程度よりも抑えられた印象ですが、ボーダー付近の1点を争う短答式試験において合否を分けるボリュームです。
2.合否を分けるのは「国際基準との差異・繋がり」
今回最も強調したい、かつ試験で強烈に差がつくポイントがここにあります。
財務会計論の出題範囲には「日本基準と重要な差異がある点について、国際会計基準(IFRS)等の内容を出題することもある」、監査論でも「国際監査基準(ISA)を参考にして出題することもある」と明記されています。
・財務会計論
のれん(Goodwill):日本基準は定期償却、IFRSは非償却(毎期減損テスト)。
その他の包括利益(OCI)のリサイクリング:純利益に振り替える処理の範囲や思想が日本とIFRSで異なる。
・監査論
品質管理基準(Quality Management):国際監査基準(ISA)の動向を意識した、監査事務所の品質管理システム(ガバナンスやリスク評価プロセス)。
つまり、2科目について「国際基準との差異・繋がり」が共通の裏テーマになっています。ここが本試験で最も受験生が揺さぶられやすく、逆に言えば「最大の得点源」になり得る部分と考えます。
では、国際基準の文言がない「管理会計論」はどうでしょうか?
管理会計論の重点出題範囲(網掛け部分)を見ると、「多国籍企業」のような応用論点ではなく、「CVP分析」「投資意思決定(差額原価収益分析・投資経済性計算)」といった、基本的な論点が指定されています。
つまり、管理会計論の英語出題の本質は「差異の比較」ではなく、「日本語でもお馴染みの超重要ロジック(CVPや原価差異分析など)が、英語の単語や問われ方になったときに、パニックにならずに処理できるか」です。
財務・監査で「国際基準との差異」を意識しつつ、管理は「徹底的な基本の英語キーワードの定着」を図るという、科目ごとのメリハリが重要になります。
3.今すぐ実践すべき「3つの英語出題対策」
今日からの勉強に組み込める学習法を3つご提案します。
① 日本語の「理論勉強」の精度を圧倒的に高める
英語問題の土台は100%「日本語での理解」です。日本語で概念フレームワークの意義や、管理会計の「責任会計・振替価格」のロジックが曖昧な人が、英語で解けるわけがありません。まずは日本語で完璧に説明できるようにしましょう。
② 重要キーワードの「英訳」をテキストにメモする
財務の「認識(Recognition)」、監査の「職業的懐疑心(Professional Skepticism)」、管理の「原価差異(Variance)/ 貢献利益(Contribution Margin)」など、重要ワードはテキストに英語をメモしておきましょう。視界に入れておくだけで、本番の英文へのアレルギー反応が減ります。
③ 「日本基準 vs 国際基準・グローバル論点」を意識的に読む
講義や答練で出てきた「国際基準との比較」は、今後は「英語出題のホットスポット」になります。これらを勉強する際は、「ここが英語で狙われるんだな」とマークをつけ、背景まで理解するようにしましょう。
受験生の皆さんへのエール
「英語」の導入と聞くと負担が増えたように感じて嫌気がさすものです。しかし、今回の公表では出題範囲はかなり抑えられており、受験生の負担が減ったと考えればむしろポジティブに捉えることもできます。そんな中ですが、多くの受験生が対策を後回しにする中、少しでも前向きに取り組めば、それだけで大きなリードを奪えます。
この変革をピンチではなく、周囲に差をつける「チャンス」と捉えましょう!皆さんの合格を心から応援しています。


