「社会人1年短期合格のススメ」 Vol.35.先を見通す力を身につけよう

高卒でも公認会計士になれる?大卒との違いや合格率、難易度も解説
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大局観をもって学習スケジュールを立てよう

 皆さんは試験勉強を進めるにあたり、大局的な視点から学習スケジュールを立て、勉強をするように気を付けていらっしゃいますでしょうか。実は先を見通した学習スケジュールを立てることは、長期間にわたる公認会計士試験の勉強にとって命といっても過言ではありません。

 最近、クレアールの公認会計士講座の受講生の皆様の学習相談を担当するようになったのですが、学習スケジュールの進め方に関する悩みが多いことに気が付きました。実際の学習相談でも、計画的に試験勉強を進めることの大切さについてお話しすることが多いので、今回は学習スケジュールをテーマとして、記事を執筆したいと思います。

先を見通す力は監査業務においても重要

 公認会計士の独占業務である監査業務においても、先を見通して計画を立てたり行動することは非常に重要です。私も以前、経験豊富な公認会計士から「監査業務において監査計画は命と言っても過言ではない」とアドバイスいただいたこともあります。

公認会計士は監査の実施にあたり、まずは監査計画を立案することになります。ここではリスク評価やリスク対応手続の立案のみならず、監査チームの人員リソースの配分等も検討することで、効率的に監査を実施するために十分な計画を立案します。もし監査計画の検討が不十分で、たとえば監査チームの人員リソースの配分に失敗してしまったような場合には、期末時期に過度な業務負担が生じてしまったり、期限内に監査手続が完了できなかったり、はたまた監査対象企業から監査法人に対しクレームが入ってしまったりと、様々な弊害が生じてしまいかねません。

 監査は、監査報告書の提出という目標に向かって、1年もの長い期間をかけて各種業務を実施することになります。公認会計士試験においても、試験合格という目標に向かって長期間にわたって学習に取り組む必要があるという点で、監査業務と似ています。これらの目標達成には先を見通して計画を立てる力が必要不可欠ですので、その点に留意して学習スケジュールを立てるようにしましょう。

小さな目標を積み重ねる学習スケジュールを作ろう

 学習スケジュールを立てるときには、私はまずは具体的な試験日程から逆算して考えるようにしていました。公認会計士試験の場合、短答式試験が毎年5月と12月、論文式試験が毎年8月に実施されますので、たとえば3月に公認会計士試験の学習を開始した場合には12月の短答式試験の合格、翌年8月の論文式試験の合格を目指すのがよくある学習スケジュールかもしれません。

次に、各試験別に必要な勉強量を明らかにして、その大まかな学習スケジュールが達成可能なのか、検証していました。たとえば、短答式試験は財務会計論・管理会計論。企業法・監査論の4科目が試験範囲であり、仮にそれぞれの科目の合格に必要な勉強量を250時間と仮定すれば、少なくとも4科目で合計1,000時間の学習が必要となります。そして、1日当たりの学習可能時間が5時間であるとすれば、短答式試験の合格のためには少なくとも200日(=1,000時間÷5時間)、すなわち7か月程度の時間が必要と考えることができます。そのように考えれば、仮に3月に学習を開始したとしても12月の短答式試験までには9か月の学習期間を確保できるため、ある程度の余裕をもった学習スケジュールを作ることができたと判断できます。

 加えて、クレアールの合格体験記も読みながら、実際に作った学習スケジュールが達成可能なのか検証していました。たとえば、クレアールの合格体験記にて短答式試験の合格に1年程度の時間を要する試験合格者が多かったのであれば、前述の学習スケジュール(=3月に学習を開始し、12月の短答式試験の合格を目指すスケジュール)は多少チャレンジングな目標であるといえるかもしれません。ただし、クレアールの合格体験記を執筆する試験合格者は、あなたと全く同じ人間ではありません。したがって、最終的には「その学習スケジュールをやりきることができると断言できるのか」ご自身に問いかけたうえで、学習に着手するようにしてみてください。

前倒しの目標達成を心がける

 前倒しの目標達成は、短期合格には必要不可欠です。一度立てた目標を予定よりも早い段階で達成することができれば、その分余裕をもってその後の学習を進めることができます。また、私の個人的な考えでは、前倒しの目標達成を目指していなければ、そもそも事前のスケジュール通りの目標達成は困難だと思っています。

たとえば、10月までに日商簿記1級の学習を完了させるという学習スケジュールを立てていたとしましょう。ここで、9月までに日商簿記1級の学習を前倒しで完了させようと努力していた場合、あらかじめ自分自身に高いハードルを課しているため、10月までに目標を達成できる可能性は高いのではないかと思います。一方で、事前の学習スケジュール通り10月に日商簿記1級の学習を完了させる想定で学習を進めている場合は、仮に何かハプニング(たとえば、学習意欲の低下等)が起こってしまった場合、10月中に目標を達成することが困難となる可能性もあります。

前倒しの目標達成は自分自身に高いハードルを課すため、普段よりも大きなプレッシャーを抱えることにつながるかもしれません。しかし、きっとその分だけ余裕をもって学習ができるはずですので、無理のない範囲でぜひ取り組んでみてください。

おわりに

 今回は、学習スケジュールの立て方やその目標達成に向けたマインドをご紹介しました。公認会計士試験の学習は長期間にわたりますので、しっかりとした学習スケジュールを立てることは最重要と言っても過言ではありません。先を見通すことを意識しながら目の前の課題に取り組んでいきましょう。

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