「短期合格者はこうやって復習していました!」 Vol3.「なぜなぜ分析」のコツとは?

目次

はじめに

 前回は、”トヨタ生産方式”で採用されている「なぜなぜ分析」をご紹介したうえで、具体的な事例をもとに解答ミスの原因分析方法をご説明しました。解答ミスに至った根本原因分析のためには、何度も”なぜ”を繰り返す「なぜなぜ分析」が必要不可欠であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。今回は、試験勉強において「なぜなぜ分析」を実践するうえでのポイントをいくつかご紹介いたします。

(ポイント①)解答ミスの全てに対して「なぜなぜ分析」をしない

 解答ミスの全てに対して徹底的に「なぜなぜ分析」をすることはおすすめしません。その理由は、「なぜなぜ分析」は解答ミスの原因分析に有効である一方、ある程度の時間が必要とするため、全ての解答ミスに対して分析していては十分な学習時間を確保できない可能性があるためです。たとえば、1回分の答練で解答ミスが10個あり、1つの解答ミスに対する「なぜなぜ分析」に3分程度の時間を要する場合、10個全ての解答ミスを「なぜなぜ分析」するためには、少なくとも30分程度の時間を要することになります。これでは、答練後の復習に時間がかかりすぎてしまい、日々の暗記や問題演習等の時間を十分に確保できなくなってしまう可能性があります。

したがって、たとえば「なぜなぜ分析」を実践する回数は答練1回に対して1度きりとしたり、大問1つに対して1度きりとしたりするなど、ある程度分析の回数を絞ることが効果的です。私自身は、答練を解くときには、1つの大問の答え合わせが終わったタイミングで、大問自体に対して「なぜなぜ分析」をするようにしていました。もちろん「なぜなぜ分析」の適度な実施回数は人それぞれだと思いますので、ご自身で適切な分析回数を見極めてみてください。

(ポイント②)改善に向けた具体的なアクションまで考えてみる

 「なぜなぜ分析」によって根本原因がある程度明らかになったら、今後どのように改善していくか、具体的なアクションを考えてみましょう。

たとえば、答練で解答ミスが発生した根本原因が「答練の各問題の分量に応じた解答のペース配分を考えることができていなかったため」であった場合には、「試験開始直後に全ての試験問題にざっと目を通し、解答のペース配分を考えるように心がける」だったり、「あらかじめ試験問題の解答順序を決めておく」といった改善策を考えることができるのではないでしょうか。

このような根本原因を改善するための具体的なアクションを考え実践することにより、「なぜなぜ分析」の効果を高めることができます。「なぜなぜ分析」により解答ミスの根本原因が判明しただけで決して満足せず、次回以降の解答ミスを減少させることができるような具体的な改善策を考え、実行するように心がけてみてください。

(ポイント③)「なぜなぜ分析」を間違える可能性もある

 「なぜなぜ分析」自体を間違えてしまう可能性があることは念頭に入れておきましょう。「なぜなぜ分析」をすることでたどり着いた根本原因が間違っている場合、その原因に対応する改善策に取り組んだ場合であっても、解答ミスの数を減らすことができない可能性があります。

 ただし、「なぜなぜ分析」の結果が正しいかどうかを知ることは容易ではありません。したがって、分析結果に基づく改善策に一度取り組んだうえで、どうしても解答ミスが減少しないような場合には、以前実施した「なぜなぜ分析」が間違っていないか改めて考えてみるようにしましょう。

私の場合は、「なぜなぜ分析」の結果に基づく改善策に一度取り組んでみたうえで、1週間後に解答ミスが減少しているか確認することで、その改善策が有効であったか検証するようにしていました。そして、もし解答ミスが減少していない場合には、改めて「なぜなぜ分析」によって根本原因は何なのか考えるようにしていました。たとえば、特定の曜日(毎週日曜日等)を決定して、その日に「なぜなぜ分析」に基づく改善策の効果があったかどうか振り返ってみるのも良いかもしれません。大切なことは、自分が実施した「なぜなぜ分析」自体を疑ってみるように心がけることです。

(ポイント④)正答した問題に対する「なぜなぜ分析」も大切

 これまでご紹介した通り、解答ミスに対して「なぜなぜ分析」は効果的ですが、正答した問題に対する分析も重要です。正答した問題に対して「なぜうまく正答することができたのか」深く考えてみることで、自分の勝ちパターンを明らかにすることができるということを意味しています。

 私の場合、たとえば答練をミスなく全問正答できたときや、問題を繰り返し復習する中で何度も間違え続けていた問題がやっと正答できたとき等、問題をスッキリと解くことができたと感じたタイミングで、「なぜうまく正答することができたのか」振り返るようにしていました。そして、正答につながった学習方法や答練の解き方、日々のルーティーン等を明らかにし、繰り返し実践するようにしていました。

 自分自身の勝ちパターンを明らかにすることは、試験勉強だけにとどまらず大切なことですが、そのパターンは人それぞれです。皆様も普段の学習の中で何かうまくいったと感じたことがあれば、その原因を考えるように心がけてみてください。

おわりに

 今回は、試験勉強において「なぜなぜ分析」を実践するうえでのポイントをいくつかご紹介しました。ご紹介した4つのポイントそれぞれに留意しながら「なぜなぜ分析」を実践すれば、きっと解答ミスを減少させることができるはずです。闇雲に目の前の問題に取り組むだけではなく、ふとしたタイミングで「なぜなぜ分析」を活用し、自分自身を振り返ってみるようにしてみてください。

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