公認会計士合格体験記「私の合格体験記」牛原 遼太郎さん

働きながら一発合格

目次

はじめに

私は大学4年生の12月から本格的に公認会計士試験の学習に取り組み(その時点で日商簿記2級は取得していました)、社会人1年目の8月に短答式試験、11月に論文式試験に合格しました。この体験記では私が実践した学習方法について体系的な記述を心掛けましたので、是非この体験記を読まれている方の参考になれば幸いです。

公認会計士を志した契機

私が公認会計士を志した契機は大学4年の11月に受験した簿記2級でした。簿記の学習当時は漠然と将来会計知識が役に立ちそうという動機があり、簿記を学習するうちに企業会計の「資金の流れを仕訳というツールを用いて簡潔に表現する」という魅力に取り憑かれ、そのまま公認会計士の学習を始めることとなりました。

クレアールを選んだ理由

クレアールを選んだ理由は、4月からの就職を控えた状況下で会計士試験に向け十分な学習時間を確保できないことが予期された中、クレアールの謳う「非常識合格法」に興味を抱いたからです。この点、クレアールのテキストは重要性の低い論点を削ぎ落とした効率的な仕様となっており、私が仕事と並行して1年弱で学習範囲を終わらせることができたのは、この「非常識合格法」のコンセプトのお陰だと思っています。それゆえ同様に学習時間の限られる社会人受験生の方にとって、クレアールの受講は1つ大きな選択肢になるものだと思っています。

社会人受験生の戦い方

勉強時間の限られる社会人に必要なのは、「①可能な限り効率的な学習方法を心掛ける」「②会計士に受かるには今しかないという危機感を抱く」ことだと思います。ここで後者の危機感は人それぞれ異なる(私個人は社会人1年目という業務負担の軽いタイミングでなければ会計士試験に合格できないという危機感を抱いていました)と思うので、下記では前者の効率的な学習方法に絞って述べていきたいと思います。なお下記の学習法は私が様々な試験を通じて形成してきた独自の学習方法であり、必ずしも全ての方に当てはまるものではないことを断らせていただきます。

少数の重要概念を理解するということ

上述した効率的学習を考える上で重要なことが、「少数の重要概念を確りと理解する」ことだと思います。何故なら多くの論点は少数の重要概念を基礎として成立するものであり、それらの概念を理解すれば自ずと関連論点への理解も深まっていくからです。以下に代表的な例を記載します。

資産負債アプローチ(財務会計論) → 包括利益、減損会計

取引の安全(会社法) → 表見代表取締役、株主総会決議取消し訴訟の可及的制限

債務確定主義(法人税法) → 引当金の損金不算入、切り捨てを行った債権額の損金算入

上記のように重要概念と合わせて個々の論点を理解することで必要な学習量が格段に減るとともに、試験本番においても自らの思考に自信を持って回答することが可能となります。

ただいかに重要概念と紐付けながら個別論点の理解を図ったとしても、一部の天才をのぞいて一目でその内容を理解しきることは困難だと考えられます。またいかに重要概念と紐づけて内容を理解したとしても、会計士試験(特に論文式試験)ではそのアウトプットこそが重要であるため、ある程度の解法暗記は不可欠なものとなってきます。この点について私は以下に述べる繰り返し学習法を意識しながら、学習範囲の理解・暗記に努めていました。この学習法は「①可能な限り学習に対する心理的ハードルを下げていく」「②脳による無意識化の情報処理能力を活用する」ことにより、継続的な学習を可能にするものとなっています。

繰り返し学習法

①まず一度答練の問題に目を通し、ざっと内容を読み取ったら即座に対応する回答解説を眺める。

※このステップはどのような論点がどのような形式で出題するのか肌で感じ取るためのものですので、当然1つも解けなくて大丈夫です。

②分からなかった部分の講義を受講し、テキスト(以下レジュメも含む)を適当に読み流す。

※このステップは個々の論点につき、脳にざっくりとした概要をインプットすることが目的ですので、完璧に理解しようとする必要はありません。この段階では30~40%程度内容を理解できれば十分だと思います。

③一旦放置

④1週間程度経ちふと思い出したタイミングでもう一度答練の問題を解いてみる&テキストを読み直す。すると

①②の段階と比較し個々の論点についての理解度が多少なりとも深まっていることを感じられると思います。この「そういうことだったのか!」という瞬間をエウレカモーメントと言い、これは③一旦放置の段階で、脳が無意識下に情報を処理しようと努めてくれることに起因するものだそうです。

ここで一回の振り返りでその論点をマスターできれば良いのですが、論点によってはそれが難しい場合もあると思います。そういった点についてはひたすら③④のステップを繰り返し、論点への理解を重層的に積み上げていくことが必要となってきます。

上記が私の実践した勉強法の大まかな内容です。私はこの学習法のお陰で会計士試験の学習から逃げ出すことなく、最終合格という結果を出すことができたと感じています。

私が考える最も大切なこと

上記では私が実践してきた繰り返し学習法の概要をお話してきましたが、この体験記を読まれている方の中には「私にはこの勉強方法は無理」「こんな方法で合格できるはずがない」と思われる方も大勢いらっしゃるのではないかと推察します。私はその反応こそ至極当然だと思っています。何故ならその人に合った勉強法はその人にしか分からないと確信しているからです。故にこの体験記を読まれている方には是非この勉強方法を叩き台にしていただいて、「この勉強法は無理だからこっちの勉強法を取ってみよう」「この部分は自分に合いそうだからそこだけ試してみよう」と自らの勉強法に想いを巡らせてくださることを切に願っています。

最後に

ここまで私が実際に行ってきた学習法についてお話させていただきました。しかしいくら繰り返し学習法で心理的ハードルを引き下げたとはいえ、学習の継続には困難を伴う場面もあるかと思います。そういった場面ではEDINETで有価証券報告書を眺め、自らが学ぶ企業会計の最終ゴールを確認いただくとモチベーションが上がるのかなと思います。以下に私がオススメする有価証券報告書とその見所を記載しますので、休憩がてら眺めてもらえると良いのかなと思います。

  • JR東海…中央新幹線(リニア)建設に係る巨額の資金管理信託・借入金
  • 東京電力…発電事業に係る巨額の発電設備・核燃料・資産除去債務
  • ソフトバンクグループ…SVFに係る巨額の投資勘定
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