モチベーションの維持
清水 非常に大事な姿勢だと思います。次に、モチベーションの維持に関して伺います。司法書士試験だけでなく、一般的にも、1年を超える学習期間が必要な資格試験の学習を継続していくことは、心身ともにきつい点が多々あると思います。
そこで、学習を進めていく中で、もし挫折しそうになったことがあれば、それをどう乗り越えたか、あるいはこんな工夫や気分転換を図ったということがあればお聞かせください。
中辻 私は、最終目標が明確だったので、ぶれなかったですね。やめようの一歩手前までいったことは、もしかしたらあったかもしれないですが、30歳になるまでに絶対に合格するという目標はぶれなかったので、それに向かって頑張れました。逆に、その目標を1年以上維持し続けるのがつらいのかなと思います。工夫、気分転換というのは、やはり集中できないときはやらない。
清水 先ほどおっしゃっていましたね。
中辻 はい。集中できなくなったら手を止めました。私は学習初期は、結構遊びに出ましたよ。勉強は、たくさんやっても1日5~6時間でした。
中には、全く何をする気も起きない日というのがありますが、毎日何かしらやるということは決めていたので、そのときにチェックテストが役に立って、今日は民法の抵当権の論点のチェックテストだけやろうと。10分、15分で終わるから、今日は民法の抵当権の基礎論点を確認したから「学習した」と割り切って、遊びに行くなり、寝るなりしていました。そうしたらモチベーションが戻ってくるというか、次の日はたいがい集中できる状態になっているので朝から勉強できました。だから、毎日何かしらやろうと思って、そういうチェックテストを1問やっただけで遊びに行くというのはよくしていました。きつかったですけれども、目標がぶれなかったので大丈夫でした。
清水 絶対に受かるという芯が一本中心にあったということが、大きかったのかもしれないですね。
中辻 1.5年コース受講後のことは全く考えてなかったので、不安にはなりましたけれども、落ちた後のことは考えなかったですね。「受かるもんや」と思ってやりました。
一発合格の秘訣
司会 それでは、そろそろまとめに入らせていただいて、これからの抱負や、これから学習する人たちへのメッセージやアドバイスなどを伺いたいと思います。
清水 見事中辻さんは一発合格をなされたわけですが、一発合格するに当たって、特別な秘訣というのはないのかもしれないですが、あえてお聞きします。一発合格の秘訣、何かあればお教えください。
中辻 毎日コツコツやることですよね。清水、古川両講師もおっしゃるように、コツコツやった努力が実りやすい試験というのが本当に実感できました。こんな膨大な論点範囲、忘れて入れての繰り返しと言われますけれども、それを反復でやり続けるうちに、嫌でも残っていきますので、本当にコツコツ毎日続けることですね。
清水 そうですね。これをやれば一発合格などというウルトラCは特に無いですよね。
中辻 はい。あとは、絶対1.5年のカリキュラムだけで受かるんやという気持ちと毎日やること、そんな感じですかね。すみません、何か特別なものが無くて申し訳ない。
清水 そんなことは無いと私も思います。おっしゃるように地道な努力を続けることが一番大切かなと思います。
今後の抱負
清水 では、これからの抱負としまして、どんな司法書士になりたいかといったところをお聞かせください。
中辻 私は、司法書士になりたい、司法書士の業務をしたいと思って勉強を開始したのではないですが、登記法の学習、いや民法段階からでもそうでしたけれども、法律は面白いと感じることができましたし、登記法は実務色が濃くて面白かったですし、受験勉強中に司法書士として仕事をやってみたいな、やりたいなというふうになりました。受講期間には、週2回アルバイトしていたのですが、自分の希望にあわせてくれたシフトに応えてくれた会社もありましたし、もちろんクレアールで最後の合格までしっかりサポートしていただいたので、1年と8カ月は頼りっ放しでしたから、今度は頼られる存在になれるように、また、クレアールで何でも相談しやすかったと一緒で、何でも相談してもらえるような司法書士を目指したいですね。
受験生へのメッセージ
清水 最後に、来年司法書士試験の合格を目指す方へのメッセージ、それから伝えたいことをお聞かせ願いたいと思います。
中辻 具体的な学習方法は、択一は過去問の攻略というのが一番大事だと思っています。学習2年目とか3年目の方は、本当の意味で攻略できているかということを一回見直せれば、できてなかったところを本当の意味での攻略に向けて1年間やっていけば受かるレベルになると思うので、過去問の攻略が一番大事だというのは伝えたいですね。
司法書士試験は、合格率3%未満と言われていますが、私は全然そんな感じはしなかったです。確かに受験会場100人教室で、その教室で受かったのは私だけでしたけれども、本気で取りに来ている人が何人やという話なので、数字に惑わされずに、司法書士になる、資格を取るという目標を明確に持って毎日コツコツやる、そんなところですかね。
司会 長時間にわたり貴重なお話を伺わせていただきました。これから受験なされる方及び司法書士試験の受験を考えられている方にとって、大変貴重なお話になったのではないかと思います。中辻さん、清水先生本当にありがとうございました。