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司法書士一発合格者インタビュー③ 司法書士試験の具体的学習法(実践編)

教材の使い方と具体的な学習方法

司会 それでは今度は、教材の使い方、過去問や記述式などの具体的な学習方法、そして学習に対して自分が工夫したところなどをお話していただこうと思います。

清水 まず、教材の利用方法についてですが、司法書士試験は出題される科目が多く、クレアールではいろいろな学習教材をご用意しています。学習を進めていく上で、どの時期にどのような教材を利用したか。実際に学習した教材、そしてご自身で作成なさったノートなどを拝見させていただきながら、利用方法を教えていただきたいと思います。

中辻 1年目は、どの科目も講義とテキストと過去問ぐらいしかやらなくて、初期段階で択一六法は読みあさりましたけれども、初期段階を過ぎると択一六法はほぼ触らなかったです。それが良かったのか悪かったのかというのは分からないです。



中辻さんが使用した過去問題集
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ただ、講義は1回しか見なかったので、1.5年コースの1年目は本当にテキストと過去問だけしかやらないという感じでしたね。自分で気付いたこと、講義で制度趣旨とか言ってもらったらそれをメモ欄に書いたり、講義を見終わった後も自分で気付いたことがあればテキストに書き込んだりという作業、また過去問を読むという作業、それらの行ったり来たりで、テキストに戻っても分からん、過去問を読んでも分からんとモヤモヤしながらやっていました。



中辻さんが使用した択一六法
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2年目は、マスター講義に入ると択一六法中心の講義になりましたから、そこから深く択一六法を読み進めていったという感じですかね。やはり論点が満載なので、これも理解できる、あれも理解できる、このフレーズも全部分かるじゃんという感じで、この学習の中盤期が、それこそ一番楽しかったと言っていい時期でした。どの論点を見ても理解できたので、そんなに苦にならず択一六法を読み込むこともできました。

ただ、私は、条文の素読とかは全くしなかったです。範囲ごとに復習で条文を読むというのはありましたけれども、一通り学習が終わって、テキストを一から最後までただ読んでいくということは、絶対しないようにしていたんです。条文の素読も同じです。



中辻さんが使用した
択一六法(会社法)
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例えば「この条文大事や」と言われたところを何回も読んで、六法開けて、いざ過去問に当たってみても、その条文が裏から聞かれている問題が全然解けなかったんですね。だから、ただ素読していくというのは問題に全く対応できない。何回読んでも対応できないのなら素読は無駄だと思ったので、テキストをただ読んでいく、条文を読み込むということは全くしなかったです。ただ、会社法の条文だけは、素読をしました。

清水 会社法は、条文中心の出題が多い科目ですから。

中辻 会社法は、年度別に過去問を解いていると、次の年は全く違うタイプの問題が8問並んでいたりすると感じたのと、24年度の試し受験のときも、やはり過去問で太刀打ちできないなと会社法だけは思いましたから。だから会社法だけは条文の読み込みはしました。2年目も、講義でやったところの択一六法はその復習で読みましたけれども、黙々と六法を読んでいくとか、黙々とテキストを読んでいくということだけは絶対にしないようにしていました。それをやっても過去問には対応できないな、というのを早い段階で感じましたし、それは自分の中では意味の無いことだなと思ったので、しないように心がけました。

記述は、マスター講座でテキストを使うじゃないですか、私は記述のほうがやることが多いなという感じがしました。不動産登記だったら、先生と一緒に講義で解いた問題を自分で解答を隠しながら申請書を書いてみる。そして、合格書式マニュアルのひな形に戻る。そして、例えば所有権保存の復習をしたら、収容により所有権を取得した場合を除いた申請適格者による申請を全部申請してみるとか、ある程度固まってきたなと思ったときに、記述式ハイパートレーニングを解きました。自分の中で結構やり込んだんですよ。それも後々の答練、模試をやり遅れた理由の一つですが...。私は、記述式ハイパートレーニングの教材が一番好きで、1問が多過ぎず、少な過ぎず、解きがいもあるし、かつ本試験の半分とか1/3ぐらいの量だから解きやすくもあるし、論点の整理にももってこいでした。記述式の教材だと、合格書式マニュアル対応問題集、書式マスター講義のテキストの問題、そして答練の問題もありますが、私はこの記述式ハイパートレーニングの問題を一番たくさん解きました。論点が2個、3個なので知識がごっちゃにならずに理解を深められたなというのが大きくて、この教材には本当にお世話になったなと思います。

あとは、スマートフォンのチェックテスト(現1,000問ノック)ですか、私はあれが相当好きで、おそらくこの年の受講生で私が一番アクセスしただろうなというぐらいに、毎日のようにお邪魔していたんですね。○か×か押して解答する前に、これはこれやから○、これやから×という感じで押すと、すぐ下に解説がパッと出てくるので、知識の確認に効率的なんですよ。テキストを読む、過去問をやるという知識の確認をするのに何時間もかかっちゃうところを、例えば民法の所有権というのだったら、40何問ぐらいあったと思いますが、10分、15分で確認できるということがすごい好きでした。それに場所を選びませんから、例えば電車に乗ったとき、「ちょっと商業登記の役員の1やっておく?」みたいな感じでどこでもできるし、気になった論点をパッと確認できるので、択一対策ではスマートフォンのチェックテストが一番好きでした。



中辻さんが作成したノート
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あと、ノートの作成ですが、最初は講義の画面に出るパワーポイントをそのまま書きながら進めたら理解も深まるかなと思って、一緒に図を書いてみたり、後でテキストにきれいに書こうと思ったところをさらっと書いたりしていました。ただ、どこかで聞いたんですが、初学者にまとめのノートをつくるのは無理だと聞いたんです。

よく考えてみれば、初学者の私が、何十年も教材を作っている提供元のクレアールのテキストよりもうまくまとめられるかといったら、自分なりにとかそういうのを言いだしたらきりがないですけれども、基本的には無理じゃないですか、絶対に。それよりも択一六法に載っているまとめの表を使えばいいから、無理に自分でまとめのノートを作るというのはやめました。ノートを作る時間があるんだったら、過去問解いて理解を深めようという感じでしたね。

清水 中辻さんは、本試験では午前が33問、午後31問と、非常にすばらしい高得点だと思いますが、クレアールの教材で十分合格点が得点できるとお思いですか。

中辻 当然ですね。薄い、薄いというのは、教材、テキストが特にそうだと思います。いろいろなところのネットを見ていても書き込みがあったりしますが、逆に、この論点やれば大丈夫という厳選されたテキスト、もう仕上がっている。だから、非常に効率的ですよね。十分そう思います。

過去問の学習方法

清水 今度は、過去問の学習方法についてお聞きします。司法書士試験の学習では、ご存じのとおり過去問の攻略が合否に直結します。そこで、過去問をどのように学習したか教えていただきたいと思います。



中辻 一番初めの時期は、この講義が終わったらこの過去問やってくださいねという番号を出していただいて、初めは取っかかり、読み物として進めてくれれば結構ですと言われたので、本当に初期段階は読むだけでいいのかと思いました。でも一応解いてみますが、訳が分からない。当然、解説読んでも分からない。それでも読む。分からない論点も読むと。そうすると、ああいうふうに書いてあって全然理解できないなと思っていたのが、10単元ぐらい先の講義を受けた時点で、「あっ」とつながったりするんですね。1つずつ理解ができていくということが民法で分かったんです。



中辻さんが使用した過去問題集
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過去問は、本当に初めは読み物。学習の中盤は正誤の判断ができる。学習の最終段階は解説までしっかり頭に入っている。過去問を理解できたというのは、私は解説まで完璧に自分で解説できるぐらい、難問とか奇問を除いて過去20年分の問題で全部の肢を自分で解説できるぐらいが、過去問をマスターしたと言っていいレベルだと思うんですね。私はそれに近いレベルになれたんじゃないかなと思います。

だから、学習の終盤は解説も自分でできるぐらいまでになる。そこから派生論点や関連論点も学習するという感じで、例えば民事訴訟法で当事者尋問は職権でできるという、こんな論点は初学者でも○を付けられるようなレベルの問題ですが、そこで○を付けるときに、「証人尋問は違ったよな」とか、「これは職権証拠調べの禁止の例外やな」とか、「ん?職権証拠調べの禁止、あ、弁論主義の3つ目やな」と、「じゃ、1つ目と2つ目は何やったろか」、言えなかったらテキストを見る。「あ、弁論主義と似ていて処分権主義だったかな」という感じで、深みにはまらない程度で派生させていく。

自分は、この範囲をやろうというんじゃなくて過去問中心の学習をしていましたから、そういう感じで派生させると、関連論点も自動的に分かってくるのでその肢を最大限に活用できる。そういう利用までできて過去問をマスターしたと言えると思うので、繰り返しになりますが、読む、正誤の判断をつける、自分で解説できるという感じで、自然にそうなりました。当然初めは正誤の判断つけられないし、レベルが上がって正誤の判断をつけられるようになったら、今度は「あ、これ、うまいことまとまっておったし、どういう解説書いてあったやろか」というのまで頭に入れる。

学習の終盤は、肢のアだけずっと進めていくとかそんなことをしなくても、その肢を最大限に利用して、どういう解説していたかとか、これと似て非なるものはこれだとか、派生関連をどんどんさせていって、させ過ぎない程度にさせていくという感じで、中心は過去問でした。チェックテスト(現1000問ノック)もよくやりましたし、机に座っているときは過去問が常に開いてある状態だったので、テキストの読み込みとか条文の読み込みだけというのはやらなかった、そういう感じですね。

それと過去問に出ていない論点を一生懸命やっても、たぶん裏から聞かれたら答えられないなというのがあったですし、基本的には過去問発の過去問着みたいな感じでしたね。本当に合否に直結するというか、攻略の定義というのは、私が言ったように、解説もでき、派生関連もできるというのまでが攻略だと思います。

清水 過去問を初めてやったときは派生論点とか観念論点などは全く浮かばない。ただ、繰り返していくと、自然と派生論点、観念論点まで気付くようになるわけですから、そこまでしっかりと過去問を学習することが大事だということですね。

中辻 はい。そうです。

記述式の学習方法

清水 今度は記述式の学習方法についてお聞きします。

初学者にとっては、記述式の学習に不安を持つ方もいらっしゃいます。そこで、記述式の学習を進めていく上で注意したこと、工夫したことをお聞かせください。

中辻 記述式は合否を分ける一番大事なところというのも初めに聞いていましたし、択一でどれだけできても、記述もしっかりできないといけないというのがあったので、私はどっちかというと、2年目の中盤ぐらいから始めた書式マスター講義が記述として初めて学習するみたいなものですから、もうちょっと早く学習したかったなというのと、まだかまだかという気持ちがあったので、やっと司法書士的なリアルな申請書が書けるんだ、そういう学習ができるんだということで、記述のスタートは、本当にワクワクしていました。不動産登記法は好きだったので余計に楽しみでした。

中辻哲郎さん
一発合格者:中辻哲郎さん

不安は、書くことが遅いというのと、講義で聞いたものはできるんです。1個、2個、3個ぐらいまでの論点でしたら全然ついていけるんです。ただ、答練とか模試とか本試験レベルになってくると、幾つも論点が入っているのでそれを整理できないというのが、一番ストレスというか、自分の弱いところでした。書くのが遅いというのは何とでもなるなと思っていたのですが、答案構成がうまくできないということに一番神経を使ったので、記述式ハイパートレーニングで2つ、3つの論点からきっちり片付けられるようにして、答練レベルや本試験になってくるともうちょっとたくさんの論点がありますから、階段を上がるようにレベルをうまく上げてもらったと思います。本試験当日まで答案構成に不安はありましたけれども、実際に本試験でも思ったとおりに答案構成はできなかったですけれども、申請書を書くというのは、ひな形の学習も記述式ハイパートレーニングも相当書き込んだので、そんなに覚えるのは苦にならなかったです。とにかく答案構成をどのようにして作るかというのを一番注意しました。

作り方は、最後まで市山先生の真似をしていました。初めは、答練解説で「こんなに書き込むの?」、「申請書を書く時間無いやん」と思ったんですが、「私はもっと書き込みますけどね」と言われたんですね。私も練習しているうちに、何とかそういう感じでできていくようになったので、ひな形をどう書くかというよりも、答案を作成していく前に、どう一枚に集約するか、そこに一番注意工夫はしました。

メリハリをつけた学習法

清水 次に、学習を効率よく進めていく上で工夫したこととしまして、1日、1週間をどのように過ごしていらっしゃったか。クレアールの通信講座をどこでどのように学習したか。音声学習を利用したかどうか、こういったところをお聞かせください。

中辻 さっきも言いましたとおり、細かい学習計画を立てなかったので自分にあんまり縛りをつけず、毎日何かやろうというのは最大限ありましたけれども、例えば毎日何時からやるというのは決めてなかったので、今から講義を見ても集中できないなという状態でしたら、その時は講義は見なかったです。いろいろ集中できない理由はあるでしょうけれども、気分転換が必要だったら遊びに行ったり、昼から帰ってきて勉強したり...。だから、たぶん私は、人より遊んで気分転換をやっていると思うんですよ。1日、1週間単位の計画も立てなかったですし、逆に、最高の状態が作れたときはとことんやるというか、集中できるときに根詰めてできたというのが、工夫したことというか、うまくいったことですね。

学習場所は、9割9分自宅、親のすねをかじっているので、2階の自分の部屋でした。私が学習を開始したときは、テレビが地デジ化になっていまして、まだ買い替えてなかっので、アナログでしたからもテレビは映らない。自分の部屋は寝るのと勉強するだけでした。

音声学習というのは、取り込んで聞くだけというやつですよね。これはマイナー科目のみ利用しました。民事訴訟が好きだったので民事訴訟ばかり聞いていたんですが、眠りに落ちながら流して途中で眠りに落ちてしまうこともありましたし、移動中も聞きましたが、そんなに思ったほどは使わなかったです。

あとは、繰り返しになりますが、何時間勉強しようとか縛りをかけなかったです。今日は朝の8時から夜の8時まで12時間ぶっ通しでやってやろうとか、そういうことは絶対しなかった。おそらく1日の学習時間が10時間を超えたというのは10日もないでしょうし、中盤よりも直前期のほうが学習量は少なかったくらいですから。ただ、集中できなくなったら学習も止める代わりに、集中できるときはとことんいくという感じで、中盤なんかは特に面白かったですから、とまらなかったですよ。なので、工夫というのは、集中できるときにとことんやる、集中できなくなったら手を止める、そのぐらいですかね。

苦手科目の克服法

清水城講師
インタビューアー:清水城講師

清水 続いて、苦手科目、苦手分野の克服法についてお聞きします。
学習を進めていくと、例えば民法のどこそこの分野が分かりにくくてつらかったとか、会社法のイメージがつかみにくかったとか、記述式の何々に戸惑いがあったなど、苦労したこともあったかと思います。このようないわゆる苦手となりそうな分野、あるいはご自身が苦手と感じた科目や分野をどのように克服していったか教えてください。

中辻 択一科目の中で一番苦手だったのは、おそらく会社法じゃないかなと思います。実際会社法の基本4法のベーシック講座に入るときに、会社法は苦手にされている方が非常に多いと聞きました。ただ、非常に多いということは、択一では合否に差がつきやすいから会社法が何問取れるか。身近でなくて面白くない科目ですから、もう1段ギア入れて、気合入れて会社法の学習に入ったんですが、やっぱりイメージが難しくて...。私は民法や不登法は結構イメージで進めていったというのが初期段階ではあったので、いきなり代表取締役とか言われても...。初めは発起設立、募集設立から入りますが、そこからきつかったですね。

清水 用語とかも何のことだかよく分からないと。

中辻 そうですね。新株予約権なんか聞いたことなかったですし、択一科目では会社法が一番苦手だったかなと思います。だから、会社法のみ条文を読み込んだというのは、そういう勉強方法も必要だというのと苦手だったというのが重なって、だいぶ力を入れました。会社法に割く時間も多かったと思います。

会社法の理解が一気に深まったなと思うのは、書式マスター講義を勉強してからですね。改めて「択一でやりましたよね、復習兼ねますけど」という感じで、申請書を書く手前で古川先生がおっしゃって、復習でも択一でやりましたと言われたな、この論点復習になりますと言われたな、そこにまた戻ってという感じで、2年目の冬ぐらいに一気に理解が深まったという感じです。併せて、その記述の設例を解いてみて解説を読むときも、条文が出てきたらその条文をもう一回読んだりして、あえて克服したというよりも、記述が始まって自然に克服できました。ただし、記述を学習したらもっと理解できるというのが初めは分からなかったので、会社法は相当つらかったですね。

面白いもので、不動産登記法は記述と択一は別みたいな感覚でした。実際は別ではないですし、清水先生の書式マスター講義では、例えばこの錯誤の問題は択一のこの問題から出しているという説明がありましたし、択一の記述化というのも聞いていましたから。ただ、会社法は主に商業登記と一体やな、記述と一体やなというのが、最後に一気に理解が広がっていったという感じです。

記述式は、本当に最終段階のあの量の答案構成ですね。いかにわかりやすく、ミスもせずに、できるだけ少ない時間でどんな構成を作れるのかということに苦労したというか、一番時間をかけました。択一の不動産登記や商業登記も学習してきたので、記述式自体に戸惑いはなかったのですが、試験対策としての答案構成をしていくという、それに苦労しました。択一のほかの分野ですと民法の債権編は嫌いでした。どうしてですかね。

清水 物権編や親族編と比べると何となく分かる気がしますね。

中辻 若干抽象的という感じで、民法は債権編がだめでしたね。不動産登記法は好きでした。商業登記法も好きでした。マイナー科目は全部大丈夫です。司法書士法はあんまり好きじゃなかったです。私は司法書士法があんまり好きじゃなかったというのもあって、1年目の試し受験前も、今年の本試験前も、ラスト1週間で詰め込んじゃおうという学習方法をとったんですね。見事に2年とも司法書士法を落としてしまいまして、それはちょっと反省点というか、司法書士法もほかの科目と一緒に通常時期からちゃんと勉強したほうがいいんじゃないかなというのは、これから学習される方にはお伝えできます。

やはり苦労したのは、民法の債権編と会社法です。会社法にはいろいろな形態の会社があって、やっと株式会社を理解できたなと思ったら、持ち分会社を学習しなければならず、さらに一般社団、一般財団も出てきます。一般社団、一般財団は、商業登記法でやりますが、きつかったですね。有限会社もありますし...。

清水 苦手な部分は、先ほどおっしゃったように、最初は苦手だったけれども先に進んでいくうちに、だんだん分かるようになってきたということと、特に会社法では条文を読んだりして、苦手な分少し時間をかけてしっかり学習したということですね。

中辻 そうです。学習を進めていく上で何とかなると思いました、講義は、一番初めの初めが一番つらかったですが、講義が進むにつれてどんどん緩和されてきましたから、受け切るということが大事だなと思います。苦手科目、苦手分野の克服法はこんな感じです。

答練と模試の活用法について

清水 それでは、答練と模試についてお聞きします。

初学者にとっては、答練で思うように解けないこともあれば、問題を解く勇気がない、あるいは点数が伸びなくてつらく思うこともあるかと思います。

そこで、答練を解くときの心構えや注意したこと、工夫したこと、それから返却された答案や成績表の利用方法などをお聞かせください。

中辻 まず、点数が伸びないというところは、気にしないでいいと言われたので、これは割り切れました。その論点、その問題が理解できていないのならそれは学習すればいいし、その論点はやってないけれどもこういう趣旨で出してみましたとか解説で書いてあったら、後回しにしてもいいのかなとか、そんなに重要じゃないけれどもちょっとさわりで出しておこうとか、そういう趣旨なども解説に書いてあるので、そこは別に取れなくてもいいじゃないですか。逆に、基礎問題を落としちゃうと、同じ1問間違えたのでもそこは悔やみますが、全体の得点としては気にしない。点数が伸びないというのは全く気にならなかったです。

問題を解く勇気がなかったりするという方が、私はあてはまるかも。私は完璧主義的なところがあるので、ある程度取れなかったら嫌だし、2年目の答練が始まる前にマイナー科目の学習を一からやり直しましたから。民事訴訟法からやって、ちょうど憲法と刑法ぐらいをやっている時期から答練が始まって、でもまだ司法書士法も供託法もあるし、1年目にやってからずいぶんたって忘れているから答練を解いても全然分からない。実際に第1回目の模試は時期どおり受けましたけれども、取れている問題でも感覚で選んだのが○だったりで上がってきた成績ですから、答練はもう一回復習してからやろう、ちょっと先延ばしにしようと、結局解く時期を先延ばしにしてしまったのですが、そういう理由で解く勇気がなかったかもしれません。

ただ、これは間違いだったかなと思います。今のレベルで供託法の復習が進んでなくても、供託法が取れなくても、ほかの論点をその時点のレベルで確認できるから、復習がどの段階であろうが、時期通りに解いたほうがいいと思います。ちょっとニュアンスが違いますが、そういう意味で解く勇気がなかったかと...。

ただ、全体的な点数を取れる勇気が無いから、今解くのはやめようというのはなかったですね。逆に、今のレベルでどれだけ取れるだろうかという楽しみはありました。

あとは、変形というか、うまいこと動揺させるような問題が中には入っているんですね。そういう問題を捨てる、捨てない、割り切る、割り切らないは別にして、動じなくなるようにするという練習はしました。その一問で動揺しちゃって後が崩れちゃうと、今まで何をやってきたのかということになりますから。実際にそういう問題を答練でも入れてくれたので、一番は本試験だと思って書く、時間も3時間たったら記述も書かないという感じでした。私は答練と模試を解く時期が遅れちゃって、終盤は答案を提出しなかったんです。もういいやと思って。ただ答案は絶対に提出したほうがいいと思います。

答案はできないから恥ずかしくて提出しなかったというよりも、残りをこなしていくのに精一杯で、提出したら提出したで、また答案が戻ってきたら順位も気になるだろうしというので、後半は答案提出が滞ってしまいました。その結果本試験の記述で苦労したのかなと思ったし、絶対に最後まで提出して、成績を確認して、順位は気にしない。今、何位だろうが、本試験で上位3%未満に入ったらいいから、点数も順位も気にしない。ただ、自分はどこができなかったかというのを測るバロメーターとして大事にしていました。

答練では、初見の論点も、ここはやっておいたほうがいいかもなという問題を出してくれるわけですから、その論点も1回は確認してみました。答練は本試験で最高のパフォーマンスを出すための調整です。そういう意味合いが一番自分の中では強いので、3時間過ぎたら絶対手を動かさない。3時間の間はたばこも吸わない、休憩もしない、3時間フルで脳みそを回転させる練習をする、そんな感じでした。

清水 通信の方ですと、つい自分に甘くなってしまって、3時間過ぎても最後まで解いて採点してもらおうとする方もいらっしゃるかもしれませんが、中辻さんは時間に厳しく、本試験の形式に沿ったということですね。

中辻 厳しくしました。終盤は、答案の提出が滞ってしまいましたけれども、例えば商業登記の記述が半分ぐらいしか書けなかったとしたら、一回手を止めて青のボールペンで残りのところを書きました。今も提出していない答案が残っていて、その答案を見ると、ああ、これだけ時間内に書き切れなかったんだなということがわかります。

清水 本試験だったらここは取れてない部分だから、青字で書いていたということですね。

中辻 そうです。書式解法マスター答練があるじゃないですか。この商業登記の1回目も全然時間が足りなくて2問目は半分ぐらいしか書けなくて、残りの部分も時間が過ぎても一緒のボールペンで書いちゃったんですが、この部分は採点しないでくださいとメモ書き付けて提出しましたし、そこは厳しくできました。今現在の自分のレベルを測る、0点だろうが、満点だろうが全然気にしない、それは割り切りました。

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