司法書士2015年一発合格者インタビュー 富田 朝貴さん(4/5)

 

目次

教材の利用方法

清水 続いて、教材の利用方法について伺います。司法書士試験は出題される科目が多く、いろいろな復習教材をご用意しています。学習を進めていく上でどの時期にどのような教材を利用したか、実際に学習した教材やPDFデータの活用の有無、活用方法もお聞かせください。

富田 もちろん講義を聞き進めていたので、基本テキストをまず使いながら脇のメモ欄などに、教材には載っていないけど講師の方々がおっしゃっていたことを、例えば理由付けとか具体例は少しメモを取りながら利用していただけで、特別な利用の仕方はしていないです。そして、一通り全部講義を聞き終わった後に択一六法は使用しました。先ほどもお話しましたが、やはり図とか表を使ってそれで頭が結構整理できたので、後になって択一六法を利用しました。あと択一六法は結構コンパクトなので、出先とかにも持っていきやすいんです。そういう面では、例えば職場にも持っていって休憩中に見るのでも軽いしコンパクトなので持っていきやすいですから、そういう使い方もしやすいと思いました。特別な使い方はせず、基本講義を択一六法で確認して、模試とか答練を受けて間違えたところはまた基本テキストなどに戻って復習したというかたちですね。

PDFデータは、記述式ハイパートレーニングで使用しました。合格書式マニュアルとかぶっている部分もたくさんあったので、そういう時は問題を見てこういう問題が出ているんだと把握する程度で、自分が全然わからなかったところは多少記述式ハイパートレーニングのPDFデータにメモをしながら使いました。

 

過去問の学習方法

清水 次に、過去問の学習方法について伺います。司法書士試験の学習では、過去問の攻略が合否に直結します。過去問をどのように学習したかお聞かせください。併せて○×テストや1000問ノックWEBテストの利用の有無、活用方法もお聞かせください。


一発合格者 富田 朝貴さん

富田 1000問ノックや○×テストは、自分の場合は使わなかったです。問題形式のものは過去問題集と、あとは答練や模試のみです。過去問は先ほども話しましたとおり、主要科目といわれるものは3回から4回ぐらい、マイナー科目といわれるのは大体2回ぐらいでした。頻出事項と問われ方を把握するにとどめた学習ですね。やはり仕事をしながらだとどうしても時間がとりづらかったので、時間がとれる場合は本当に過去問から勉強していくような、既出の問題を完璧にするだけでも結構得点はとれますよね。もっと過去問に重点を置いてやってもいいとは思ったんですけれども、どうしても時間がとりづらかったので、インプットに時間をかけたため、過去問は2回から4回ぐらいでとどめざるを得なかったというのもあります。全科目になると、結構過去問の量はありますから、あまりそこに時間をとり過ぎてしまうと自分のスケジュールだと少しきついかもしれないと感じていたため、そのぐらいの回数だけこなして「どういった問題が出ているのか」といったところだけ把握できていれば大丈夫かなと思いました。

清水 過去問をやっていると、例えばこの問題はいつも正解できて間違えない、この問題は何回も間違えてしまうということがあると思いますが、そういう時は何かメリハリをつけたりしていましたか。

富田 清水先生が「正」の字を書いていくという方法を学習ナビで説明されていましたよね。

清水 はい、「過去問の学習方法」を学習ナビで説明していました。

富田 学習ナビの中で説明された内容をそのままやりました。正の字を書いて、例えばもうこれは大丈夫だろうみたいなものは5をつけて、合っていたけど理由付けとか説明まではちょっと怪しいのは3ぐらい、全くもって当たりませんというのは1ぐらいで、メジャー科目は3回から4回解きました。わからないところをなるべく中心にやっていくというやり方でした。

 

記述式の学習方法

清水 次に、記述式の学習方法を伺います。初学者の中には、記述式の学習に不安を持つ方もいらっしゃいます。記述式の学習を進めていく上で注意したこと、工夫したことをお聞かせください。また答案構成用紙をどのように使用したか、不動産登記、商業登記それぞれお聞かせください。

富田 まず合格書式マニュアルですよね。これに載っている書式の基本となるひな形を、まず書いて覚えました。普段あまり書く勉強はしないんですけど、ただこれに関しては記述の試験でそのまま書きますから、結構書くことも有用だと思ったので、書いて覚えるということをしました。何回かやったらあとは書かずに見てきちんと確認する程度でしたけど、まずは書式のひな形を全部覚えていきました。そして、覚えた上で問題にあたりました。あとは択一の勉強をしている時でも例えば出てきたものに対して、「これは記述だったらどういう書式になるのか、どういう解答になるのか」、択一式と記述式を分けずにお互い意識させるようなかたちでやりました。自分の場合だと、択一で問われればわかるのに記述だと間違えることが結構あったんです。例えばうっかり抜かしてしまったりとか…。そこはわかっているのにミスしてしまうのが一番怖い、と問題を解いたりしながら感じていました。「ここは択一だったら絶対解けるのに、なんで記述だと間違えているんだろう」ということがあるので、択一の勉強をするときも「この場合記述だったらどう問われるかな」とか、「こういう書式があったな」とか。逆もそうですよね。「記述をやりながら択一で問われた過去問があった」とか。そういったかたちで関連付けながら、常にどういう書式だったか、どういうふうに解いていくんだ、どう問題を出されそうだなとか、そういうイメージを描きながら書式の勉強をしました。最初はまず書式のひな形を覚える。その後は、択一と記述の問題を解くことを意識しながら勉強するという方法でやりました。
答案構成用紙は、講義で聞いたとおりの全く同じ作り方です。先生は、取締役がいてそこからずっと線を引いてといった形で書かれていましたよね。あれと全く同じやり方でした。本当に講義そのままです。

清水 不動産登記はどんな答案構成でしたか。

富田 図を書いて、誰々さんが不動産を持っていて誰々さんから移転してとか、横に誰々さんに例えば抵当権が、というメモをしていったぐらいですね。特別なやり方もなく、本当に講師の方々がおっしゃっていたようなかたちでそのままやりました。

清水 講師が説明したのと同じやり方ですか。

富田 特に自分のオリジナルでやったことはないです。

清水 少し話は戻りますが、ひな形を覚えるときに「合格書式マニュアル対応問題集」は使っていましたか。

富田 使いました。それも使いながら、最初は一通り合格書式マニュアルを全部見て、ある程度覚えて、その後に合格書式マニュアル対応問題集で確認するかたちで使いました。

 

学習を効率よく進めていくうえで工夫したこと

清水 では次の質問に行きます。学習を効率よく進めるために1日、1週間をどのように過ごしていらっしゃったか。そしてクレアールの通信講座をどこでどのように学習したか、音声学習の利用の有無や復習講義の利用の有無をお聞かせください。

富田 効率よくという点ではやはり早い段階で復習した方がいい、特に最初は時間があまりとれなかったため、1回勉強したところが抜けてしまうとまた一からになってしまうので、早い段階で復習するという意味で、先ほどスケジュールの話の中でお話しさせていただいたように、仕事の間に今日やったことを頭の中で復習しながら、帰ってきてまたそれをテキストなどを見て確認していました。講義の後は、復習をすぐ2回やるようなかたちです。勉強して仕事中にもう1回頭の中で繰り返す、帰ってきてまた軽く見るというかたちで、実際の講義と合わせて3回ぐらいをすぐに1日の間でやるようなかたちでした。早い段階で復習することで、比較的早く知識を定着させられたかなと思っています。

清水 忘れる前に確認するということですね。

富田 はい、そういうかたちだったので、そこはうまく時間を使えたかなと思っています。通勤中も仕事中でも全部頭の中でやっていたので、あまり音声学習なども使わずに本当に普通の講義中心でやっていました。復習講義は使わなかったです。多分もっと仕事が忙しい方や家庭を持たれている方は、本当に5分、10分でまとめられたあの復習講義はかなり有用だと思うんです。ただ、私は家庭を持っているわけでもないですし、そこまで時間がないというわけではなかったので、復習講義を使うのではなく普通の講義で勉強していました。それをすぐに復習していくというかたちで学習を進めていました。

 

苦手科目、苦手分野の克服法

清水 次に苦手科目、苦手分野の克服法について伺います。学習を進めていくと、例えば民法のこの分野がわかりにくくて辛かった、会社法のイメージが掴みにくかった、記述式に戸惑いがあったなど苦労したことがあったかと思います。このような苦手と感じた科目・分野がありましたら、どのように克服したかお聞かせください。

富田 もともと勉強を始めた段階では、もちろん全部わからないので特に苦手科目というものや苦手意識はなかったです。ただし、例えば会社法などもそうですけど、細かい数字がたくさん出てきたりしますよね。単に覚えなければいけないような部分や覚えづらいところは、択一六法などの図を見たりしながら択一六法を中心に勉強を進めていきました。特にこれが苦手だというものはあまりなかったですね。択一六法などに整理していただいていたので、それをそのまま使いました。

あとは最初の段階で民法なども結構バランス的にしっかりとやったので、その後の民事訴訟などもイメージがわきやすかったです。その辺はそんなに掴みにくいこともなくて、あとは民法と不動産登記法、商法、会社法と商業登記法は一体講義になっていたため、そのままつながっているので、そこもイメージしづらいとはあまり感じなかったです。多分、別々で分けてやると、もしかしたらイメージしづらくなってしまうのかもしれないですけれども、一体講義をしていただいていたのでイメージしづらくて登記法がわからないということは特に感じなかったです。

清水 比較的すんなり登記法に移っていけたという感じですか。

富田 というよりは、移ったというイメージがあまりないかもしれないです。もう一緒になっているので、本当に同じ科目のイメージでしたから、登記法だけイメージがわかないということはなかったです。

 

答練・模試について

清水 続いて、答練・模試について伺います。初学者にとっては、答練で思うように解けないこともあれば、問題を解く勇気がなかったり、点数が伸びなくて辛く思うことがあると思います。答練を解くときの心構え、注意したことや工夫したこと、返却された答案や成績表の利用方法、定期テスト・解法マスター講義の利用の有無や活用方法をお聞かせください。

富田 心構えとしては、先ほども言ったように本試験のつもりで解答する、時間もきっちり守ってイメージする。お試し受験で本試験の雰囲気はもうわかっていたので、それを自分の中でイメージしてやることができました。

清水 普段答練を解くときも、毎回本試験をイメージして解いたということですか。

富田 はい、結構それが訓練になったと思うんです。最初にあった模試は、やはり落ち着いて解くことができたと思います。意識としては本当に本試験だと思ってやる、模試はそれを訓練していくところですね。あとは成績表とか答案が返ってきたときですよね。先ほども言いましたように通信講座の場合、周りの受験生の情報が通信だとわからないということくらいが、強いて言うなら自分の中でデメリットだと思っていたんですけど、それもこの成績表でカバーされていましたので。

清水 ほかの人はこのぐらいのレベルかなと…。

富田 このぐらいかなとレベルがわかると、それは自分が取れれば何とか勉強は追いつけている、逆に取れなければ全然追いついていないからやらなければならないという感じで、自分の中で周りの状況はそれでわかります。そういうかたちで多分モチベーションを保つ上では、周りがいた方が本当は保ちやすいと思うんです。だからそういうところは、この成績表でモチベーションを維持して、周りを意識してやるようにしました。周りが解けているのに自分が解けていない問題があったらそれは駄目、というかたちで「絶対次は間違えない」と思って勉強しました。逆に言うと、例えば正答率10%ぐらいの問題だったらもうほとんど見ずに、「これはもういいかな」というぐらいで学習を進めていきました。

清水 合格体験記にも書いてありましたが、答練や模試などをやりながら、自己分析をしつつ、学習を進めていくことが重要だということですね。

富田 今の段階でどこが抜けているんだろうとか、多分、安定して取れるところと安定して取れないところはやはりあると思うんです。自分の場合、民法は比較的安定して取れていたので、ほかのメジャー科目の勉強が結構後ろ倒しになっていたんです。そこはちょっと微妙かなというところもあったりしたので、そういうところは成績表が返ってくると、周りと比較してわかるのですごくためになりました。

勝ち負けじゃないですけど、本試験はやはり相対評価なのでどうしても勝負になってしまうような試験ですし、そういう意味で周りの状況がかなり重要だと思っていたので、本当に模試でも真剣勝負だと思って、答練でも真剣勝負だと思って答案を出してどのぐらいかという感じでした。そういうものがないとメリハリがつかないところがありますよね。周りと比べてどうかというのがあるおかげで、「負けないぞ」という気持ちとかモチベーションにつながるところはありました。

清水 定期テストはやりましたか。

富田 やりましたけど、提出はしていなかったです。ただ解説講義は聞いて、全部解いて自分で確認はしました。

清水 答練の解法マスター講義は使われましたか。

富田 それも使いました。それを見てから問題を解きました。

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