司法書士2015年一発合格者インタビュー 富田 朝貴さん(3/5)

 

目次

時期ごとの学習

清水 続いて、時期ごとの学習について伺います。司法書士試験の学習は大きく分けると、基本講義中心の学習初期、基本講義が終わり過去問の学習や初めて答練を受ける学習中盤期、そして問題演習や自身が行ってきた学習をまとめる段階の直前期に分かれます。その時期ごとにどんな点に注意して学習を進めたか、あるいはこんな工夫をしたということがあればお聞かせください。

富田 特別に工夫をしたとかいう部分はなくて、もう単純に初期段階は講義を聞いて該当する過去問を解いて、ひたすら講義を進めていくというかたちでした。やはり働きながらでしたから、学習中期と言われる段階ではまだ初期段階の講義を聞き進めていました。本当にもう4月を過ぎてからの直前期に、スケジュール的にやっと問題演習などをやり始められたかなというかたちだったので、時期的に見るとインプットにかける時間がかなり長かったと思います。そして、5月の後半に答練を解き始めたので、かなり後ろ倒しで進めていかざるを得なかったです。ただ、やったことは特別なことではなく、講義を受講して該当する過去問を解いたということです。最初は時間がとりづらかったので、アウトプットよりまずインプット重視ということは考えていました。そういう中で過去問などはあまりたくさん解くことはしすぎないように、むしろどういう問われ方をしているかとか頻出事項は何なのか、そういったところを把握する程度に抑えました。本来はもう少しやった方がよかったのかもしれないですけど、どうしてもスケジュール的に働きながらでは厳しかったので、インプットに重点を置いていきました。

清水 過去問は何回ぐらい行いましたか。

富田 いわゆるマイナー科目だと2回ずつぐらいしかやっていないですね。主要科目でも3回ずつ、スケジュール的に不動産登記法だけ4回やりました。不動産登記法は、例えば先例のピンポイントな知識なども多いようなイメージがあったので、そういうのは過去問を通じて覚えました。ただ、過去問はいろいろなところから知識を引っ張ってきたものを1問にしているため、体系的には覚えづらい部分が少しあったので、テキストなどで流れを覚えた方が頭に入りやすかったこともあったんです。過去問はもちろん解きましたけど、やりすぎないように解いていって、どちらかといえば私はインプットに時間をかけました。

清水 合格体験記を拝見しましたが、富田様の場合、自分が講師になったつもりで講義をする形で、自分自身の知識の定着度を測ったと書かれていたところがあったんですが…。

富田 それは本当です。私は結構昔から割とこういう勉強をしていて、講師の皆さんがすらすらしゃべっていらっしゃるのは、完全に頭に入っているから当然詰まることもなくさっと話せるわけです。そのぐらいまでいけば、もちろん試験においては完璧だと思うんです。講義をしていくと流れの中で自分のわからないことを発見できますし、わからなかったときにはすぐテキストを見れば、この流れで覚えられる工夫ができます。覚えていく上で自分が覚えていないところは抜けているので、どこを覚えていないかもわかるじゃないですか。このような流れで講義をしていくと、つながらないところがあったりする時は、「ここを忘れているな」と自分で気付けるので、そういったところはすぐに見て確認するというかたちで、自分がわからない部分を把握しやすいことはありました。あとは言葉で言うのも多分、記憶するのにただただ読んでいるだけよりは良かったのかなと思います。

清水 しゃべることで、視覚だけでなく聴覚も使って覚えていくような感じですか。

富田 はい。歌を歌うときに歌詞をすぐ覚えられるじゃないですか。あれはメロディーがあるからかもしれないですが、結構口に出すと覚えやすかったというのはありました。そういった部分では、講義形式でやってみて覚えていったところは結構ありました。

清水 自分で講義をしてみることが、結果的にアウトプットにつながったということですね。

富田 そうです。インプットとアウトプットどちらにもつながると思うんです。自分の頭の中で確認して、それをそのまま出していくというかたちで、アウトプットとインプットを一緒にやっているような感覚でした。

清水 とても有効な方法だと思います。ちょっと話が前後してしまいますが、学習の初期段階、特に最初の頃は学習の全体像がなかなか見えずに辛い時期もあったと思いますが、どう乗り切りましたか。

富田 学習ナビでも「最初はわからないところもたくさんあるので、そのまま講義を聞き進めてください」とおっしゃっていましたので、本当にそのまま言われたとおりやっていっただけです。内容自体の全体像は確かに掴めないですけども、あらかじめスケジュールを送っていただいているので、どのぐらいの勉強量が必要かはそれで掴むことができましたから、あとはもう本当に特別なことは特にはせず講義を聞き進めていただけです。


インタビューアー 清水 城講師

清水 では次に、学習時間や学習量について伺います。時期にもよると思いますが、前述の学習初期から中盤期、そして直前期にどのぐらいの時間学習していたかをお聞かせください。

富田 仕事をやっていた3月頃までは大体多くても5時間やれればいい方でした。フルタイムで働いていたので、5時間できたらかなりやれたというイメージで、1日3時間できればいいかという感じでやっていました。ただ、全体だとその週の中でトータルして3×7で21時間。休みの日にちょっとできて、1週間で30時間もいかないぐらいで日ごとに多少変動するというかたちでしたね。

清水 仕事をしている日は、仕事が終わってから勉強したのですか。

富田 私は夜型の仕事だったんです。夕方6時ぐらいから次の日の朝5時近くまでの仕事でした。早いときは3時ぐらいまでの時もありましたが、5時から6時ぐらいまでやることもあったので、朝、仕事から帰ってきて少し勉強しました。

清水 仕事が終わられて、朝帰宅してからの勉強でしたか。

富田 はい、まず仕事が終わって帰宅してから少し勉強しました。そして寝て起きてからまた少し勉強するんです。その少し勉強したものを、例えば通勤中に自分の頭の中で反すうしたり…。あとは仕事中でも毎日やるようなルーティンワークであったり、特に頭を使わないでできる仕事の時は自分の頭の中で復習しながら、仕事が終わって帰ってきてから、その頭の中で考えていたことが合っているかどうか教材を確認しました。そして、新しいところをまた勉強して仕事に行ってというスタイル、もうサンドイッチみたいに挟んで勉強していました。

清水 直前期になるともう少しやっていましたか。

富田 はい。直前期の3カ月ぐらいは働いていなかったので、そこからの勉強時間は1日6時間から8時間ぐらいだったと思います。結構休んでいた時間も長かったかもしれないです。1日休みだったので6~8時間ぐらいだけ確保しました。それまで勉強と仕事をしていて、ちょっと疲れていた部分も多分あったと思うんです。そこで少し休みをとりながら、メリハリをつけるという意味で、丸1日休みでも大体6時間から8時間ぐらい勉強して、あとはゆっくりするかたちで本試験を迎えました。逆にあまりやりすぎてしまって、体調でも崩したら本試験でも影響してきますから、体調を整えてしっかり睡眠もとっていくというかたちで進めていきました。

 

初学者カリキュラムの活用方法

清水 次に、クレアールの初学者カリキュラムの活用方法について伺います。クレアールの初学者コースは基本講義から始まり、最終的には直前期の答練・模試といったアウトプットで終了します。基本講義を進めていくときの学習方法や心構え、直前期の答練や模試の利用方法、意点をお聞かせいただきたいと思います。

富田 そうですね。カリキュラム自体はもう用意してくださっているので本当にそのとおりやっただけなので、特別何も変わったことなく講義を受講させていただいて、該当する過去問を解くことをしたというだけですね。あとは講義を聞いているときに、当たり前ですけど集中を切らさないように、途中休憩をとりながらやったということぐらいです。やはり集中を切らしてしまうと受けても意味がなくなってしまうので、そこだけ注意していました。あと答練や模試を解く時は、これも講師の方々がおっしゃっていたことですが、本当に本試験を意識して時間配分なども意識して、訓練のつもりで解くというイメージでやりました。だから、もちろん時間は当然きっちりでやりましたし、特に午後の時間の割り振りなども予定通りこなせるように、「どのぐらいのスピードでやらなければいけないのか」というところを、きちんと本試験で焦らないようにイメージできるように意識して解きました。あとは返却された答案を見て、自分が解けていない部分はどこなのか。特に皆さんが解けていて自分が解けていない部分をきちんと意識して復習した、という普通そのままの活用法をしたということだけです。

清水 正答率などを見て、正答率が高い問題で間違えたところは注意していたということですか。

富田 はい、そうです。

 

クレアールの通信講座で学習を開始した直後の感想

清水 では続いて、クレアールの通信講座で学習を開始した直後の感想を教えてください。司法書士は難関資格の1つであるため民法、不動産登記法、会社法等の早い段階で挫折してしまう方もいらっしゃいます。学習を開始して辛かったこと、工夫したことがあればお聞かせください。また、辛かった時がある場合はどのようにして乗り越えて学習を続けていったかをお聞かせください。

富田 確かにいろいろな科目がありますが、これも先ほどの多少繰り返しになってしまいますけど「最初からわかるものではないので講義を聞き進めてください」とナビゲーションにもあったので、最初から「これはわからないんだ」という気持ちで気楽に受けていました。本気で最初からやろうとしてしまうと、わからなくてそれこそ挫折してしまうこともあったかもしれないです。最初はわからないものだと思って講義を聞き進めていたので、そういうところはあまり焦らずに意識しすぎずに、「わからないな」ぐらいで講義を聞いていました。むしろ最初の頃は講義がわからないということよりは、本当に生活リズムを整えたりすることが大変でした。

今後、本試験まで1年ちょっと勉強を進めていく上で、長い勉強期間を見据えたら環境作りが必要になってくると思ったので、特に講義を重点的にきちんと理解できるようにと意識するよりは、本当に生活リズムの中でどうやって勉強を入れていくかとか勉強における体力作りをするといいますか、そういったところを意識していたので、講義がわからないところについては特に工夫もせず聞き進めていったというかたちです。体は疲れることはあっても、特に講義を受けていて辛いといったことはあまりなかったです。そういうことの解決策みたいなものも特に考えることもなく、結構講義の中でも具体的な事案を使って説明してくださったり、あとたまに「実務でもこんなことがあるんですよ」という話を少し織り交ぜていただいたりしていたため、講義は退屈せずに聞くことができたので、新しい講義を聞くときは結構楽しみにして聞いていました。

清水 一般的には、会社法がイメージしづらくて挫折してしまうとか、登記法がなじみが薄くて挫折してしまうという方もいらっしゃいますが、富田様は特に辛く感じたことはありませんでしたか。

富田 先ほども申し上げたように民法などに関しても、最初は全部わからなかったので特にほかの科目と変わらず登記法なども淡々と進めていきました。それで講義を進めていくと合格体験記にも書きましたが、最初はわからない点々になっているような知識が一気につながる瞬間がありますよね。そこまできちんと聞き進めていけば、そこからは結構気持ちが楽になった部分がありました。ひたすら講義を聞いて、まず全体像を掴むところを意識していました。

清水 わからないところがあっても、とにかく講義を進めていくことが重要だということですね。

富田 はい、この部分だけ勉強してここがわかるということは多分ないと思うんです。「全体が掴めてやっとここがわかる」ということだと思いますので、まずは全体像を掴むことを意識していました。清水先生もおっしゃっていましたけど、講義を最初は気にしすぎずに聞くことを心掛けて、何となく全体像を掴むかたちで学習を進めていきました。

清水 択一でわかりづらかったことが、記述を学習したら「そういうことだったんだ」と理解出来るところもありますよね。

富田 はい、ありましたね。

 

具体的な学習計画の立て方と実行方法

清水 では次の質問に行きます。クレアールのカリキュラムで学習を進めていく上で、具体的にどのように学習計画を立てて実行したか、学習計画を立てる際の注意点をお聞かせください。

富田 最初に、勉強の全体量がわかるようなカリキュラムを紙で送っていただけるので、講義の量や答練・模試とかの量がどれぐらいあるかはわかっていました。そこから逆算して、どのぐらいをやらなければいけないのかはわかっているんです。あとは自分が1日どのぐらい勉強できるかを考えながら、1日どのぐらいやれば最後までにそれを全部消化できるのかを考えて、ざっくりした大体のスケジュールと本当に1週間と1日単位で決めたスケジュールを2つ作りました。例えば「この2カ月の間にここからここまでは終わらせるぞ」となったらもう1個、その2カ月の内訳みたいなものを細かく何日かごとに作ってそれをこなしていくというかたちです。ざっくり作ると全体像が見やすいので大きな枠で作っておいて、あと細かいところはどうしても日によってできる時間は違ってくるので、その都度細かいスケジュールを2つだったら2つ作って、使い分けてこなしていくようにしていました。

清水 少し余裕を持たせた形でスケジュールを作っておいて、できない日があったらどこかでできるようにするということですね。

富田 はい、そうです。少し余裕をもたせていました。もともと3月で仕事を辞めて、3カ月は勉強に専念しようと最初から思っていたので、初期段階からある程度最後に結構詰め込もうと思っていたんです。少し余裕を持って仕事をやっている間は、こなせるレベルでスケジュールを作ることは意識しました。自分で作ったスケジュールをこなしていけないと、多分モチベーションが落ちていくかなと思っていました。そのモチベーションを維持するためにも、自分で作ったスケジュールをこなしていくのは結構大事なことだと思ったので、スケジュールの遅れはとらないように、きちんと消化できるように、というぐらいの多少余裕をもったスケジュールを意識して作りました。

 

お試し受験について

清水 では続いて、お試し受験についてお伺いします。クレアールでは、合格目標年度の前年に司法書士試験のお試し受験を勧めています。お試し受験を受けてどのような感想、あるいは手応えがあったか。そして、お試し受験がその後の学習にどのようにプラスになったか、お聞かせください。まず最初に、どの程度まで学習した段階でお試し受験を受けられましたか。

富田 私は1月に講座を申し込みましたが、当時は先行学習として前年度の民法・不動産登記法一体講義の教材が送られてきていました。しかし、事実上勉強を開始したのは本来学習するカリキュラムの教材が送られてきてからの3月頃でした。したがって民法・不動産登記法一体講義だけ受けて、お試し受験は7月第一日曜でしたので、民法・不動産登記法一体講義が終わったか終わっていないかぐらいの段階で受けました。結構、解ける問題がありました。

清水 民法も不動産登記法も解けましたか。

富田 特に民法が解けましたので、このままもっと固めていければ来年何とかなりそうだというイメージは掴めました。もちろんほかの科目はさっぱりでしたけど…。

清水 やったところはできたので、「この学習方法で間違っていないんだ」という感じでしたか。

富田 はい、そういうイメージはできました。このままやっていけば「全体的に取れるようにはなれるだろう」という自分の中でのイメージは作れました。

清水 試験会場の下見というわけではないですけれども、お試し受験のメリットは他にありましたか。

富田 お試し受験は、実際に本試験を受ける、言ってしまえばシミュレーションですよね。そういった意味で言うと、司法書士試験は難しい問題が出るというよりは本当に的確に知識を正確に持っていて、いかにミスしないように加点していくところが重要な試験じゃないですか。そういう意味で言うとあまり詰め込むよりも本当に本試験で落ち着いてこなせるかどうか。結構、時間も限られている中なので気持ち的に焦ってしまうと多分厳しいだろうと模試などを受けている中で思ったし、もちろんお試し受験でも思ったので、そういう意味で言うと落ち着いて解くという観点からすれば、お試し受験を受けておくのは結構大きなものになります。初めて受けるよりも、経験していると落ち着いて解くことができるので、この落ち着いて解くという部分がミスをなくすという意味ではかなり重要な試験だと思うので、すごくためになりました。

清水 本試験の雰囲気みたいなものも、なるべく知っておくと良いですよね。

富田 精神状況で左右される部分が特に大きい試験のような気がするので、やはりお試し受験を受けておいた方が絶対良いと思います。

 

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