中小企業診断士の資格を持つ人には、どのような就職先があるでしょうか。本記事では、中小企業診断士の主な就職先をご紹介します。併せて、未経験から中小企業診断士として転職を目指す方法や、転職によって年収アップを実現させるポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
中小企業診断士の資格は就職・転職に活かせる?

中小企業診断士の資格は、経営や事業戦略に関する知識とスキルを証明するものです。経営に関する知識や経営について広い視野で捉えられるスキルは、幅広い職種で活かせるため、中小企業診断士の資格があると就職・転職先の選択肢が広がります。
また、そのような知識やスキルを有する人材は企業側にとっても貴重であり、採用選考においても評価されやすいため、就職・転職において有利です。
中には、資格だけでなく実務経験も評価に含める企業もあるため、実務経験を積むことでさらに転職活動が進めやすいでしょう。
中小企業診断士の主な就職先
中小企業診断士の就職先として、コンサルティング会社をイメージする方も多いでしょう。ここでは、中小企業診断士の主な6つの就職先をご紹介します。
コンサルティング会社
中小企業診断士にとって代表的な就職先は、コンサルティング会社です。一口にコンサルティングといっても、戦略系・組織人事系・財務系・IT系・企業再生系など種類は異なり、会社によって規模や守備範囲はさまざまです。
コンサルティング会社では、さまざまな業種のクライアントと関わる機会があり、業務を通して幅広いビジネス視点を身につけられます。
一般企業
一般企業における中小企業診断士のポジションは、多岐にわたります。中小企業診断士が持つ経営に関する深い知識は、企業における経営戦略の策定や業務改善、新規事業開発など幅広い分野で活かせます。
中小企業診断士の資格があればどこの企業でも重宝されやすく、将来的に経営に直接携わるようなポジションに就ける可能性もあるでしょう。
公的機関
中小企業診断士の資格があれば、公的機関への就職も可能です。商工会議所や中小企業基盤整備機構、都道府県等中小企業支援センターなどの公的機関では、企業の経営診断や経営相談も行っているため、中小企業診断士の専門性を活かすことができます。
公的機関での勤務は社会的な影響力が大きく、中小企業や地域社会に対して実質的に貢献できる機会も多くなるでしょう。
金融機関
金融機関も、中小企業診断士の知識とスキルを活かせる就職先です。金融機関における中小企業診断士の主な業務の1つとして、融資が挙げられます。
融資には、融資先の財務分析や貸し倒れ等のリスク管理が必要なため、中小企業診断士としての知見を活かせます。そのため、金融機関では中小企業診断士の資格を持つ人材は歓迎されるでしょう。
中小企業診断士事務所
中小企業診断士事務所は、個人または複数の中小企業診断士が所属して、中小企業の経営に特化したアドバイスやサポートを提供します。
コンサルティング会社に比べて組織の規模は小さいものの、中小企業の経営を深く理解できるうえ、中小企業診断士として実践的な経験を積むことが可能です。
独立診断士としてのノウハウも学べるため、将来的に独立開業を検討している人にもおすすめの就職先といえます。
会計事務所・税理士事務所
会計事務所や税理士事務所は、企業へ主に会計や税務に関するアドバイスなどを提供するものです。ただし、近年は経営コンサルティングの需要が高まっていることもあり、中小企業診断士を募集する事務所も増えています。
会計事務所や税理士事務所では会計士や税理士と連携しながら、企業の経営全般にわたるアドバイスを提供するのが基本の業務です。業務を通して会計や税務に関する知識も習得できます。
なお、中小企業診断士と税理士は業務内容の親和性が高いため、ダブルライセンスとして税理士の資格取得を目指すのもおすすめです。
転職市場に中小企業診断士の需要はある?

中小企業診断士には独占業務がないものの、転職市場においての需要は高く多くの場面で価値を発揮します。
前述の通り、中小企業診断士の資格は、経営や事業戦略に関する知識とスキルを証明するものです。経営戦略や事業計画の策定、財務分析などの専門知識が求められるポジションにおいて、資格が大きな強みとなるでしょう。
またコンサルティング業務では、クライアントとコミュニケーションを取りながらアドバイスを求められることもあります。これは、AIによる代替が難しい領域です。
そのため、中小企業診断士の需要が今後なくなるとは考えにくく、とくに中小企業が多い地域や業界では高い需要が続くでしょう。
中小企業診断士の資格があれば未経験でも転職できる?
未経験であっても、中小企業診断士として転職することは可能です。中小企業診断士の資格は、経営全般に関する深い知識と理解を証明するもののため、未経験でも資格があれば転職活動の際にアピールできます。
また、転職市場では、資格だけでなく実務経験も評価対象となるケースがあります。未経験から中小企業診断士として転職する場合には、資格取得に加えて実務経験も積んでおくのが理想といえます。
たとえば、資格を取得した後に、まずは副業で経営コンサルティングを行ってみるのもよいでしょう。また別の資格も取得し、ダブルライセンスにより他の応募者との差別化を図るのも有効です。
中小企業診断士が転職で年収をアップさせるには?

中小企業診断士が転職で年収をアップさせるには、自身の市場価値を高めるために戦略的に転職活動を進める必要があります。具体的には、市場のニーズを理解することが重要です。
たとえば、クライアントとなる中小企業が多い地域に就職・転職できれば、より需要が高まり年収アップが期待できます。
また、ダブルライセンスにより自身の希少性を高めることで、集客アップにつながるでしょう。
【中小企業診断士とのダブルライセンスにおすすめの資格】
- ファイナンシャルプランナー
- 公認会計士
- 税理士
- 社会保険労務士
- 行政書士
など
中小企業診断士の資格を活かしてベストな就職先を見つけよう
中小企業診断士は、経営コンサルティングに関する唯一の国家資格です。この資格があれば就職・転職が有利に進めやすく、また就職後の活躍の場も多岐にわたります。
未経験から中小企業診断士としての転職を目指すのであれば、資格取得から転職活動までしっかりと戦略を立てたうえで行いましょう。
なお、これから中小企業診断士の資格取得を目指すのであれば、「クレアール」の中小企業診断士講座がおすすめです。クレアールでは、重要な論点にポイントを絞った学習を提供しているため、忙しい人でも効率よく合格レベルに達することができます。
また、時間や場所を問わないweb学習のため、社会人でも仕事と学習を両立しやすいのがポイントです。興味のある方は、ぜひお気軽にクレアールへお問い合わせください。

監修:古森 創
ソニー(株)にてマーケティング、営業、経営監査、新規事業開発の仕事に従事した後、中小企業診断士として独立開業。株式会社古森コンサルタンツ代表取締役。ソニーでの経験をベースとした「売上改善プログラム」、「新規事業開発推進支援」を中心にコンサルティング・セミナー・研修など実務の第一線で活躍しながら、受験のプロとしてもこれまで多くの合格者を輩出し、「スゴ腕講師」として高い評価を受ける。