中小企業の経営課題などに適切な助言を行うスキルを証明する国家資格「中小企業診断士」。年齢や学歴に関係なく受験ができる人気の国家資格の一つです。本記事では、独学でも中小企業診断士試験に合格する知識を身につけることができるのかどうか、効果的に勉強するにはどうすれば良いかを解説します。
中小企業診断士は独学でも合格できる?
中小企業診断士は誰でも受験できる資格であるため、もちろん独学での合格は可能です。ただし、国家資格の中でも難易度は高く、司法試験、司法書士試験、公認会計士試験に続く、難関国家資格といわれています。
また、1次試験は7科目、2次試験は4科目と科目数が非常に多く、一人ですべての学習範囲をカバーするのは大変です。独学で合格を目指すのであれば、覚悟を持って学習計画を立てる必要があります。
中小企業診断士を独学で合格するのが難しい理由

中小企業診断士の資格を独学で取得するのが難しい理由について、さらに詳しく解説します。独学できるかどうかは自己管理できるかどうかが鍵になるでしょう。
そもそも試験の合格率が低い
中小企業診断士はそもそもの合格率が低いことでも知られており、1次試験が30%前後、2次試験が20%前後といわれています。ちなみに、2024年(令和6年度)の1次試験合格率は27.5%(前年度は29.6%)、2次試験合格率は18.7%(前年度は18.9%)でした。さらに、この両方に合格をしないといけないため最終合格率は3〜8%に下がります。
次に難しい国家資格といわれている公認会計士においては、2024年(令和6年度)の合格率が7.4%(前年度の合格率が7.6%)と公表されています。必要な勉強時間や受験資格に違いはあるものの、合格率だけで見ると、実は中小企業診断士の方が公認会計士よりも合格率が低い試験であることが分かります。このような合格率だけを見ても、独学で必要な知識を身につけるのは至難の業といえます。
勉強に飽きてしまいやすい
中小企業診断士に合格するのに必要な学習時間は最低1,000時間程度といわれています。試験別に見ると、1次試験の7科目で各科目100時間の合計700時間、2次試験では300時間が目安です。
毎日欠かさず3時間の学習をした場合でも、1年程度が必要な計算です。また、苦手な科目がある場合はそれ以上の勉強時間を要します。独学で勉強をするにしても、長期間に渡りモチベーションを維持する必要があります。
スケジュール管理する必要がある
中小企業診断士の試験は、第1次試験では多肢選択式の筆記試験で7科目、第2次試験では「中小企業の診断および助言に関する実務の事例」について短答式・論文式の筆記試験が行われます。さらに2次の筆記試験に合格したら口述試験の受験も必須です。科目数が多く、選択式・記述式・口述試験と試験対策も多岐に渡るため、独学での勉強であれば、しっかりとした学習のスケジュール管理が合否の分かれ目につながります。
自ら情報収集する必要がある
予備校や通信講座を利用する場合は、試験に関わる法改正や時事ネタなどの最新情報が比較的簡単に手に入ります。しかし、独学で勉強をした場合は、書籍やインターネットなどを利用し、自ら情報収集を行う必要があります。
情報収集を自分で行うことで、勉強時間が減ってしまったり、情報の真偽の確認が取れなかったり、自分ではキャッチアップできない情報が出てきたりする場合もあります。最新情報の収集においては、独学の勉強の大きなデメリットの一つです。
中小企業診断士を独学するメリット・デメリット
独学するメリット
- コストを安く抑えられる
- 好きなときに好きな場所で勉強できる
- 自分のペースで学習を進められる
- 好きなテキスト、参考書を選べる
独学するデメリット
- 学習スケジュールを自身で管理しなければならない
- モチベーション維持が難しい
- 講師に質問、相談ができない
- 勉強のリズムをつかむまでに時間がかかる
- 自分で調べないと情報が入ってこない
独学の最大のメリットは、工夫次第で費用がほとんどかからない点です。自宅で勉強をするのであれば、テキストや参考書、過去問の購入費くらいしかかかりません。また、予備校と異なり、校舎までの移動時間がなく自分の好きな時間に勉強ができます。時には、自宅から図書館やカフェなどへ勉強の場所を変えて、新鮮な気持ちで学習することも可能です。
一方、デメリットとしては、予備校などとは異なりカリキュラムがないため、自分自身で学習計画を立てるところから、実行するところまでを管理しなくてはなりません。学習に行き詰まったときや疑問が生じたときも、講師に相談できない点も注意が必要です。
このように、独学は自己管理能力が高い人向けの学習スタイルといえます。また、社会人や忙しい学生など、忙しい合間を縫って勉強しなければならない方にもおすすめできません。
中小企業診断士の効果的な勉強法

中小企業診断士試験の勉強を独学でするのはかなり難易度が高いため、効率よく効果的に学習を進めたい方には予備校や通信講座を利用することをおすすめします。長年の実績により作り出された、綿密に設計された合格までのカリキュラムが用意されているのはもちろん、分からないことが出てきたときにも講師に気軽に相談・質問できるのがおすすめのポイント。また、独学では学習が困難な、口頭試験の対策も可能です。
とくに通信講座に関しては、好きな時間や場所で勉強ができるため、独学のメリットも享受できます。決まった時間にスクールに通うことが難しい、忙しい社会人や学生の方は通信講座を活用してみてください。
中小企業診断士を独学することに関するよくある質問
中小企業診断士の合格を目指すなら通信講座の利用がおすすめ
中小企業診断士の難易度の高さや独学での合格の可否について解説しました。中小企業診断士は独学でも合格することは可能ですが、難易度が非常に高いでしょう。効率よく短期間での合格を目指すのであれば、スクールや通信講座を活用するのが得策です。
とくに通信講座は時間を気にすることなく好きなタイミングで学習ができるため、忙しい方にもおすすめです。クレアールでは、学習対象を合格に必要な最小限の範囲に絞った「非常識合格法」という忙しい人でも効率よく合格を目指せる勉強法を採用しています。興味のある方は、下記のフォームより無料書籍をご請求ください!

監修:古森 創
ソニー(株)にてマーケティング、営業、経営監査、新規事業開発の仕事に従事した後、中小企業診断士として独立開業。株式会社古森コンサルタンツ代表取締役。ソニーでの経験をベースとした「売上改善プログラム」、「新規事業開発推進支援」を中心にコンサルティング・セミナー・研修など実務の第一線で活躍しながら、受験のプロとしてもこれまで多くの合格者を輩出し、「スゴ腕講師」として高い評価を受ける。