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「経験豊富な講師陣を信頼し、アドバイスは積極的に取り入れること」 吉田 明恵さん

吉田 明恵さん

「経験豊富な講師陣を信頼し、アドバイスは積極的に取り入れること」

はじめに

「先生のいうことを聞けばよかった...」

試験が終わった後そう思わずにいられなかった。帰り道、その事で頭がいっぱいで「やりきった」とか「一区切りついた」とかそんな感覚は一切なかった。もうそれ以上考えたくなくて、帰り道、試験問題を処分した。それから、三ヶ月は出来る限り司法書士試験の事を考えないよう過ごした。それでも悪い夢は見るし、ふとしたときに考えずにいられないし、なんとも言えない三ヶ月だった。そんな気持ちに区切りをつけたくて、発表当日法務局に行くことにした。だから、諦めるために掲示板をのぞき込んで自分の受験番号を見つけた時、本当に心から信じがたいことだった。

クレアールの良かったところ

 私が司法書士の資格を取ろうと決意したのは、クレアールで大学一年の時に行政書士試験に合格できたので、さらにステップアップ資格として司法書士試験にも挑戦したくなったからだ。行政書士の受験の時にお世話になったので、司法書士講座も迷わずクレアールにした。

 クレアールの良いところは、以下だと思う。

①教材・講座・答練がすべて含まれているオールインワンパックがある、

②質問の受付などサポート体制が充実している。

 まず①に関しては、基本的にクレアールのカリキュラムに合わせて教材や講座をこなしていけばよいので無駄がなかったと思う。

 ②は私が特に強調したい点だ。私はしばしば勉強に息詰まった。なぜならば、やたらに細かい知識にとらわれて、訳が分からなくなってしまうことがあったからだ。そんなときに私はクレアールにメールで質問をしたりして解決をしていた。メールの回答には、「細かすぎる知識だから、不要」など実践的なアドバイスもしていただいたので非常に役立った。  

二年半の受験生活において、このようにバックアップ体制が充実していた事は、効率の悪いやり方にはまりそうになったときに正してくれたり、どうしてよいか分からずスランプに陥った時の拠り所になった。それが、結果的に二回目の受験で合格という結果に繋がったと思う。

 私は大学一年生の2月から司法書士講座を始めた。その約二年半を前半の一年半と後半の一年に分けて振り返ってみたい。

受験期間を振り返って(学習方法)

【前半の受験期間】

講義を毎日見て、それに合わせて「テキスト」も読み込んでいった。このときは「過去問題集」が分からなすぎたので、クレアールの『肢別問題=現司法書士1,000問ノックテスト』を併用して知識の確認をしていった。スタートしてから半年ほどしてから書式の講座が始まった。これも分からないなりに、とりあえず一通りやってみることにした。それと並行して、『肢別問題』から「過去問題集」に切り替えて勉強をした。そして、年明けから答練が始まった。ここでもやはり知識が不十分で分からない事だらけではあったが、とりあえず毎回出席し、答え合わせと復習を精一杯した。そんなこんなで気づけば、直前期と言われる3月になっていた。残りの三ヶ月は「実力完成総合答練」について行くのがやっとだった。書式も思うようにいかなかったが、「どうしても合格したい」その一心で試験まで勉強を続けた。

 以上が、大まかな一年目の勉強の流れである。一言で言い表せばまさに「がむしゃら」に勉強した一年半だった。にもかかわらず、本番では基本的な問題がことごとく解けなかった。また、書式は最後まで終わらないどころか、全く論点を把握できなかった。ダメだとは思ったが、いざ答え合わせをしてみると「これほど出来ていない事」に唖然とした。しかし、実際ここまで出来ていないと、かえって潔くあきらめがついた。私は次の試験に向けて自分の何が悪かったのかじっくり考えることにした。

 大きな敗因として真っ先に思い浮かんだのは、「がむしゃら」な勉強のやり方だった。私はとにかく一発で合格したかったので、大学の講義、アルバイト以外の空いている時間はすべて勉強にあてることにした。休養など受かってからいつでも取れると考え、友人と遊ぶ事も制限し、大学では人と会話する事をひたすら避けた。その結果、確かに勉強時間の量は確保できた。しかし、その実態は閉塞感でいっぱいだった。私は常に疲れていたし、また、常に余裕がなく些細なことに腹を立てた。それでも意図的に休養をとることは避けた。ただ、限界までくると勉強しようにも出来ない日がたまにあった。そんな日は一日中、自分が情けなくて腹立たしくて仕方なかった。当時の私の生活は悪循環としかいいようがない。したがって、私はこのような勉強のやり方を変えるために、二年目の勉強をする上でいくつかの点を注意した。まず、休養を勉強のスケジュールに強制的に入れた。始めは、休養をとる事に抵抗があった。しかし、休養を取らないで集中力の低いまま、だらだら勉強するよりもよいと思うようにした。また、合格者の方にもその方がよいとアドバイスをしていただいた。週に一度半日程度休むことにした。合格体験記を読むと多くの人が言っているように「メリハリ」を付けて勉強することは、非常に重要であると私もこれを書きながら思う。「がむしゃら」にやるよりも、ノルマを決めて「淡々と」やる方が心身ともに健全な状態を保てる。勉強が数年になることがざらな司法書士試験は、自己管理も要求されると私は思うので、生活リズムをどのようにするか決めておくことが望ましいと思う。
  次に反省したのは瑣末な知識にとらわれて、基本的な知識を疎かにしたことである。私は、クレアールによく質問をしていた。それ自体は悪いことではないが、私の場合質問をしすぎることでかえって頭がこんがらがってしまった。その点はクレアールのスタッフの方にも再三注意されたが、その時すぐに改善することはできなかった。したがってその点を意識することも課題とした。ただ、二年目も結局今振り返れば、瑣末な質問を多くしていたと思う。私は分からないところがあると、とにかく気になって仕方ない。しかし、クレアールの講師陣も繰り返し言うように、やはり基本的な事が試験に問われる。私が質問した数多くの瑣末な論点は、結局問われなかった。そのような瑣末な論点を一つ一つ拾うよりは、基本的な論点を補強した方が、合格は確実になるはずだ。

 

反省点をあげれば、きりがないが大きくいえば以上の2点が重大に思えた。このような反省を踏まえて、2年目の勉強をスタートさせた。

【後半の受験期間】

2年目の勉強は、基本事項の確認から始めた。「過去問題集」を使って一つ一つの知識を確認していった。それに合わせてテキストの読み込みも行なった。1年目に勉強した内容を丁寧に拾うことで、体系立てて整理し直すことができたと思う。過去問は2年目だけで全科目20年分を2回、10年分を2回した。はじめは分野別に取り組み、次に年度別に並び替えて取り組んだ。

私は不動産登記、刑法、民事訴訟法系に自信がなかった。そこで、それぞれの科目の出題の特徴に合わせて、「テキスト」または『択一六法』をメインとし、自分なりに工夫して取り組んだ。そして最終的にはどの教科も過去問を回すことに専念し、知識の定着を図った。上記3つの苦手科目に関して以下のやり方で取り組むことにした。

不動産登記は、辛抱強く過去問を回しているうちにあまり間違えなくなっていった。過去問で出てきた知識や先例を、『択一六法』に書き込んで、何度も確認をした。刑法は『択一六法』の読み込みを強化して判例の知識を補充した。刑法はどの程度判例に当たればよいか迷ったが、やみくもに当たるよりも『択一六法』の知識を軸に、答練で出てきた知識を追加して覚えることにした。これも合格者の方のアドバイスになるが「手を広げすぎないこと」、これは試験で本当に使える知識を固めるためには重要である。総論部分や学説に関しては定期的に目を通すことにした。民事訴訟法系に関しては、手続きの流れ通りに知識を入れるために「テキスト」をまとめて読み通す時間を何回か設けた。これにより裁判の流れを頭に入れることができた。大まかな流れを押さえ、そこに細かい知識を肉付けしていくイメージで「テキスト」の読み込みを重ねた。

択一全体としては、メジャー科目を中心に据えることはもちろんだが、マイナー科目もしっかりと取組まなくては、合格は危うくなる。そこでバランスよく勉強するために、毎週マイナー科目のうちから一つを決めて、週末に集中的に取組むことにした。それにより、疎かになりがちなマイナー科目の知識を定期的にまとめて見直すことができ、満遍なく勉強することができたと思う。

書式に関しては、二年目のはじめは「ひな形」の習得に力を入れた。二年目は8月から勉強を再開したが、二ヶ月ほどは「ひな形」ばかり書き続けた。その後は「書式特訓答練」まで時間があったので、一年目の答練の見直しを行いました。答練では、択一に関しては過去問・テキスト・『択一六法』の知識を復習していた甲斐もあり、安定して午前科目も午後科目も30問前後とることができた。復習をする際は、「テキスト」の該当箇所への読み込みをしたり、間違えた論点を付箋に書いて「テキスト」に貼り付けたりした。書式に関しては、「ひな形」も定着していたおかげで、おおよそ点数が安定していた。しかし、ときどき論点を見落として大きく外すことがあった。たとえば、名義変更をし忘れたり、戸籍をよく読まないで相続人を間違えたり、商業登記に関しても会社の履歴事項をよく読まずに組織再編の事実を見落としたりした。そのような問題は二~三回解きなおすことで、二度と間違えないように頭に叩き込んだ。また「ひな形」に関しても、凡ミスをすることもあったのでその都度『合格書式マニュアル』に書き込み、試験直前に見直せるようにした。

講師の方は、よく答練の成績を気にしても仕方ないという。確かにその通りだと思う。しかし、私は点数が悪いと非常に焦った。特に「公開模試」の成績は最悪だったので非常に落ち込んだ。そんな時は周りの人に不安な気持ちを打ち明けたりして、どうにかして心を落ち着けるようにした。そして、間違えたところを淡々と復習し、知識の穴を埋めていった。実際、答練で間違えたことで、自分の勉強が手薄な部分が分かったりするので、本番に向けて知識を万全な状態に持っていける。講師の方々が言う、成績を気にしても仕方ないというのはそういう意味ではないだろうか。

2年目の反省

 以上のようにして私は勉強し、二回目の本番を迎えた。今、二年目の反省をするならば、講師の方々のアドバイスには素直に従うべきということである。例えば、今年の商業登記の書式では会社分割が出た。先生が今年は組織再編が出そうだから「ひな形」をしっかり確認するよう答練の解説講義で何度か仰っていた。その時は確認したが、直前の最終チェックを怠っていた。だから、本番で先生の言ったとおり組織再編が出題されて、非常に焦った。なんとか、捻りだして答案は埋めたものの、全く自信がなかった。だからこそ、私は帰り道で「先生のいうことを聞けばよかった...」と途方もない、やりきれない気持ちでいっぱいで、泣きながら家に帰った。このような経験から、きちんと講師のアドバイスに従うことが重要だと思った。講師の方々の仰ることは豊富な経験と的確な分析に基づいてのことである。だからこそ、講師の方々を信頼してアドバイスを積極的に勉強に取り入れることは大変有効だ。

最後に

 最後になりますが、クレアールの講師・スタッフの方々には本当にご迷惑をおかけし、何度も助けていただきました。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいなのと同時に、深く感謝しています。また、私の受験生活を常に傍で支えてくれた祖母、祖父、両親、そして友人に感謝を申し上げます。クレアールで勉強し、合格できて心から良かったと思います。二年半、ありがとうございました。

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