『合格できた理由は、「当たり前の、基本的な事項をきちんと押さえた」 こと』Y.Nさん

Y.Nさん

目次

1. なぜ司法書士を目指したか

確固たる意思があったわけでなく、当時アルバイトをしていた司法書士事務所の先生や他士業経営者である父の影響でなんとなく司法書士を目指し始めました。

2. クレアールの良さ

クレアール自体は事務所に入所してきた合格者の方が受講しており、「択一六法がいいよ」と話していたことがきっかけでした。さっそくHP上で択一六法のサンプルを確認したところ、WEB上で過去問が解ける「1000問ノック」も私のライフスタイルにマッチしていると思えたので、双方が含まれる上級コースの受講を決めました。

クレアールの良かった点を振り返ると下記3つに集約されます。

① 「択一六法」

もともと私は六法中心の勉強方法を採っており、それまでは市販の六法に過去問の出題年を挿入したり、条文の中で問われたキーワードをチェックしたり、比較表を書き加えた大きめの付箋を貼りつけたりして、自ら六法を加工していたのですが、実際にクレアールの択一六法を手に取ってみると愕然としました。「自分がやっていた作業は全てこの択一六法に最初から組み込まれているじゃないか…」。

ほとんどの問題が条文(及びそこから派生する判例)から作られていることを考えれば、条文を中心に勉強することがもっとも直線的であると思います。ただし立法趣旨、問われ方、重要度等は六法を読んでいるだけではわからないため、テキストや過去問で補完しているわけで、逆に言えばある程度勉強が進んでいる方については、六法のみでの勉強ができるはずです。それをもっとも網羅的かつ効率的に行うことができる教材が択一六法です。過去問肢、条文の意義や関連判例が記載されているので、択一六法に記載されている情報は全部覚えるつもりで読み込んでいきました。「一日30条読みこむ!」と決め、毎日何冊か持ち歩きました。達成できるかどうかは二の次で、とにかく条文を身近に置いておくようにしていました。

② 「択一基準点攻略マスター講義」

択一で30問を取ることを目標とした講義で、テキストに記載されているよく混同してしまう論点をまとめた表は、すべて頭に入っていなければならないものばかりです。電車の移動時間や昼休憩の際にパラパラ見ていました。最終的にはこちらの記載を択一六法に写して、情報を一元化しました。

③ 「過去問1000問ノックWEBテスト」

きちんと机に向かって過去問を解く時間がなかなか取れなかったため、通勤時間や隙間時間で過去問をたくさんこなせる「1000問ノック」は結果的にかなり効果がありました。間違えた問題にはマークがつくので、自分の苦手分野がすぐにわかり、繰り返しにも向いています。満員電車で書籍が広げられなくても、スマホなら可能ですので、通勤の計2時間は過去問に充てていました。

なお、過去問をきちんとやれば本試験で6割は取れると私は考えています。そしてこの6割部分は合格者レベルであればほとんど完璧に得点を重ねてくるところでもあります。ですので、過去問で問われた論点については差をつけられないためにも完璧にしておく必要があります。過去問は膨大です。しかしやっていくうちに気付くと思いますが、何度も同じ論点が問われており、重複した論点を削除していくと、実はあの分厚い過去問集が半分の薄さになります。そしてさらにそこから”自分の中で常識になりどんな時も絶対に間違えない知識”を削除すれば、過去問集の薄さは3分の1になり、さらに”常識”を増やしていけば、合格レベルになった際にやらなくてはいけない過去問は10分の1になっているはずです。

3. 答案練習の活用法

私は答練の意義を大きく2つと捉えていました。1つはペースメーカーとして、もう1つは習熟度チェックのためです。

私は答練を軸にスケジュールを組んでいました。毎週土曜日に答練の問題を解いて採点をし、月〜金曜日はその範囲を勉強、明けた日曜日に間違えた肢や理解が不完全な肢を中心に復習しました。答練は郵送で来るので、土曜日に仕事が入った場合でも調整ができました。

「答練と本試験の成績に相関関係はない」と言われることもあります。この点について、私は、半分は正しく半分は誤っていると思います。確かに試験範囲から逸脱した選択肢のせいで正答率が下がることはあります。しかしそういうケースでも肢ベースで見れば過去問レベルのものが含まれていることが多いです。さらに、未出の肢が現れた際に正解に持ち込む地力を鍛えるうえでも効果的だと思います。ただし、これも散々言われていることですが、答練で大事なことは〇か×かなのではなく、「なぜ正しいのか(=根拠はどこにあるのか)」「なぜ間違えたのか(=勘違い、知識の混同、不知etc.…)」の2点です。「確か過去問にあったから〇だな」では問いの角度を変えられた場合解けません。選択肢の根拠元を意識するだけでずいぶん正答率が上がると思います。

4. 学習スケジュール

平日はだいたい9時〜21、22時頃まで仕事があり、23時頃帰宅して1時半まで勉強、5時に起床して1時間勉強…というタイムスケジュールでした。小さい子ども2人のオムツを替えたり夜中に泣いて起きだすので抱っこしたりと、始終寝不足気味だったように記憶しています。

休日は、家で子どもの面倒を見ながら隙間時間で勉強していました。ただ、直前期2カ月の土日は妻に頼みこんで、9時から17時まで図書館に籠らせてもらったり、子どもが寝た22時以降にファミレスに行ったりしていました。

基本的に平日2時間〜3時間、休日も8時間程度しか学習時間が取れなかったので、一日ごとでなく週ごと・月ごとのスケジュールを組んで勉強していました(ガチガチのスケジュールを組むと達成できない自分や環境に辟易してしまったりするので…)。帰りが24時を過ぎ1時間も勉強できない日もあったので、ある程度ざっくりしたスケジュールを立て、微調整をしていました。

例えば6月だと、2週目に公開模試を設定していたので、1〜2週目は全科目の択一六法をざっと読み直してから公開模試を受け、3週目は自分で苦手としている分野やすぐ忘れる分野を片付け、最終週は1000問ノックの全科目の間違えた肢のみ一気にやる、という形で進めていました。

5. 今年の試験で合格できた理由

昨年は総合点で11点足りず、一昨年は記述式で基準点割れだった私が今年合格できた理由を考えてみると、結局は「当たり前の、基本的な事項をきちんと押さえた」ことに尽きると思います。どの角度から問われても普遍的に答えられる正確な1つの知識は、あやふやな100の知識に勝ります。今までで一番勉強時間が少なく「知識の量」でいえば去年よりも落ちていたかもしれませんが、択一六法を徹底的に読み込み1000問ノックで過去問をこなし他校で出版されている基本的な一問一答式問題集をやりこんだこともあり、「知識の正確性」についてはむしろ増したように思います。

ここ数年は、択一式の基準点が下がっていることもあり、筆記試験の合格点を超えるためには択一式で30問ずつ取ることの重要性が増しています。「難しい問題を取る」のでなく、「簡単な問題を落とさない」戦略が、結果的に私を合格へと押し上げてくれたのかもしれません。

6. 働きながら合格を目指す方へのアドバイス

もし私が誰かに「働きながら合格って、できますか?」と聞かれたら「不可能ではない。ただしめちゃくちゃ辛い。つまり、やめとけ…。」と答えると思います。今でもそう思っています。はっきり言って、働きながら勉強することはものすごく大変です。クタクタになって自宅に帰りビールでも飲んで寝てしまいたい気持ちをぐっとおさえ、そこから机に向かうのはそれだけで本当にエネルギーを使います。それでも合格するためには勉強をするしかありません。

夜中に家に帰ってから遅い夕食とお風呂を済ませ、皿を洗い、子供のオムツを替え、妻への足裏マッサージの後、眠い目をこすりつつ机に向かいながら(…私はなぜこんな辛い思いをしなくてはならないのだ…)と自問自答した夜を何度も越え、なんとかゴールまで走りきれたのは、反骨心や劣等感などではなく、ひとえに「がんばれ!」と応援してくれた家族はじめ、周りの方々の期待に応えたいという想いがあったからだと思います。

こうしてなんとか合格できた今、次は私が応援する番です。働きながら必死に勉強するあなたへ、「がんばってください!」。

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