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「テキストに工夫を加え、後々の勉強時間を大幅に短縮」 山中 真理子さん

司法書士を目指した理由

私がはじめて司法書士を目指そうと思い立ったのは、夫の転勤でアメリカに駐在していたときでした。結婚前に仕事を辞めて以来、長い間外で働くということをしていませんでしたが、昔から何かを勉強することがわりと好きな性分だったので、アメリカでは大学の講座を受講したり、家では本を読んだりして過ごしていました。ですが、「こうしてずっと自分の中だけですべて完結して暮らしていくのもなぁ...」という思いがどこかにありました。「自分がものを学ぶことによって、何か世の中の役に立つことができたら...」、そんな月並みな心の動きではありますが、そのような気持ちが、大学を卒業したての若い頃よりも、さらにくっきりと明確に自分の中に生まれてきたのです。
そんなときに、司法書士という職業があることを知りました。既に30歳を過ぎていましたが、司法書士の資格があれば、比較的社会復帰しやすいのではないかと思いました。

初期の勉強方法

そのようなわけで、最初はアメリカで独学で勉強を始めたのですが、これが散々でした。勉強を始めるにあたって最初に参考にした本が、『司法書士7か月合格法』だったことも、失敗の一因だったかもしれません。「7か月っていうなら、遅くとも1年あれば合格できるということだな」と、当時司法書士試験の恐ろしさをまだ知らなかった私は思ったのです。そして、その本をはじめとして、多くの「合格体験記」において過去問を解くことの重要性が説かれていましたので、とりあえず何はともあれ過去問だなと思い、日本から過去問の全科目を取り寄せました。その時から、来る日も来る日もひたすら忍耐力のみで過去問を解き続ける1年が続くのですが、今思えばそのほとんどが非効率的で無駄な勉強でした。なぜなら、過去問の解説を読んでいても、その半分も意味がわかっていなかったからです。その途中で、民法や不動産登記法、会社法などの簡単な入門書も取り寄せて読んでみましたが、わかったような気になっただけで、何もわかっていなかったと思います。

独学で司法書士試験の勉強を開始することは、本当におすすめできません。私の場合、実質的な勉強は、およそ1年後に日本に帰国して、クレアールに入学した時から始まったと言えると思います。

クレアールを選んだ理由

私はクレアールの「1年コース」の受講を始めました。クレアールを選んだ理由は、第一に受講料です。他の大手予備校に入ると、後からあれもこれもと追加のコースを取らされてしまうのではないか(実際にはそんなことは全くないのかもしれませんが)、という不安があったので、すべての必要な要素があらかじめワンパックになっているクレアールのコースが安心だと思ったからです。

クレアールの良かったところ

【教材】

クレアールの教材で、私が特に使い込んだものは、民法と会社法の『択一六法』と、マイナー科目のテキスト全般、『合格書式マニュアル』です。

【講義】

古川先生のマイナー科目全般、書式の解説講義など、丁寧でわかりやすい講義が多かったです。

【答練・模試】

量・質ともに良かったと思います。クレアールの答練の書式の問題において、毎回あれだけ書かされていなかったら、本試験では途中でめげていたのではないかと思います。

学習のポイントと工夫したこと

学習のポイントとしては、私はまずテキストが重要なのではないかと思います。よくこの試験においては、「情報の一元化が大事」ということが言われますが、まさにその通りで、その情報の一元化を行うために、まずベースとなるテキスト、自分が何度も何度も立ち返るべきテキストをどれにするのかということが、何よりも大切になってくるのではないかと思います。かくいう私もこの点においては、あっちのテキストを読んでみたりこっちの参考書にあたってみたり、数々の試行錯誤を繰り返して、ずいぶん余計な回り道をしてしまいました。

どんなテキストなら、自分が開いたときに内容が頭に飛び込んでくるか、ページをめくるのに抵抗感が少ないかなど、それぞれ個人差があると思います。それはすごく感覚的な話で、でもその感覚的なことがこの膨大な分野をカバーしなくてはならない司法書士試験においては、すごく重要なことになってくるのではないかと思います。細かい文字でびっちりと途切れなく書かれた参考書は、そもそも読むのが大変に苦痛です。

クレアールの『択一六法』も、比較的字が細かくページが小さいのですが、内容はとてもよかったので、どうしたものかと悩んだ私は、安いスキャナーを購入し、全ページをスキャンし、大きく拡大して、条文ごとにページを分けたうえでプリントアウトし、数冊のA4ファイルに閉じました。また、古川先生のマイナー科目のテキストなど、もともと大きめのテキストは、さらに見やすくするため、キンコーズなどで90%位に縮小してコピーし、パラグラフが途中で切れることのないように、ノートに張り付けて構成し直しました。
一見馬鹿馬鹿しく、無駄に手間のかかることのように思えますが、こうして見やすく再構成されたテキストを手に入れてからは、答練などの成績も目に見えて上がるようになってきました。パラグラフが左右や表裏のページに割れない、ということのことだけで、びっくりするくらい見やすいテキストが出来上がります。

実際、これらの作業をするのに数週間の時間がかかり、その間ほとんど勉強はできなかったのですが、これをやっておかなければ私の場合、今年の合格はなかったのではないか、とさえ思えるくらいです。ここまでやるのは極端かもしれませんが、とにかく内容・構成の両方の観点から、自分がどのテキストと相性がよいのか、とういうことを注意深く検討して、勉強開始時点でのメインテキスト選びに時間をかければ、後々の勉強時間がぐんと短縮できるのではないかと思います。

科目別学習方法

【民法】

最終的に、繰り返しやったのは『択一六法』を読み込むことです。過去問も全部で4~5回解いたと思います。

【不動産登記法(択一)】

これは、クレアールのテキストではないのですが、早稲田経営出版の『新・プログレス 不動産登記法I・II』がおすすめです。この1冊でほぼカバーできます。

【会社法】

過去問を解きながら、『択一六法』を主に使いました。

【商業登記法】

最後まで勉強法がよく分からず悩んだ科目ですが、結局、過去問をやったのと、クレアールの『択一六法』を2~3回繰り返して読みました。

【憲法】

講義を2回聴き、クレアールのテキストを繰り返し読みました。しかし、最後まで一番苦手な科目で、答練でも3問中1問を落としてしまうことが多かったです。実際、本試験でも同じ結果になりました。

【刑法】

講義を聞き、クレアールのテキストを読み込みました。過去問も2~3回解きました。

【民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・供託法・司法書士法】

刑法と同様、クレアールの講義とテキストと過去問のみで勉強しました。古川先生のテキストは、過去に出題された部分が太字になっているためわかりやすく、大変重宝しました。

【書式】

初めは一つ一つ書きながら勉強していたのですが、ものすごく時間がかかってしまうことが分かったので、途中からは、まずはとにかく『合格書式マニュアル』のひな形を暗記しながら読んでいくことにしました。覚えにくい部分のみ、紙に書きなぐって覚えました。とにかく量が多いので、何度読んでもなかなか暗記しきれませんでしたが、ひな形を覚えないことには応用に入れないと思ったので、まずはひたすら『合格書式マニュアル』を使いました。

結局、本試験までに応用といえるような勉強は、答練や模試の問題以外には、特にできませんでした。

苦手科目(会社法など)の克服法

まず、理解の浅い初めのうちは、特に会社法などは勉強にとりかかること自体が苦痛だったので、30分を1コマと決めて、タイマーで時間を測り、それを1日の中で何コマできるかというように、ゲーム感覚で取り組みました。しかし、少しずつ理解が深まっていくにつれて、勉強自体もそれほど苦痛ではなくなってきたので、30分で区切るよりも集中の続くかぎりやりたいと思うようになっていました。

本試験当日

クレアールに入学してから2回目の受験でしたが、まだまだ自分は合格レベルに達していないという思いの方が強かったので、当日は、精一杯力を出し切ったらどのぐらいの順位に自分がいるのか、を知るために本試験に出かけたようなものでした。ですので、時間配分すらあまり意識せず、とにかくがむしゃらに問題を解き、不動産登記の書式が終わり、商業登記の書式を残したところで時計を見ると、残り30分しかありませんでした。「あぁ、やっぱりまだまだ実力不足だな」という思いが頭をよぎったのですが、ここで力をゆるめず最後まで踏ん張ったことが合格につながったようです。
やはり多くの合格者の方が、そうおっしゃっているように、本試験では最後まであきらめずに、一字でも多く答案を書いてくることが大事なようです。

最後に

約3年半に渡る受験勉強生活の間、幾度となく途方に暮れ、焦りを感じ、どうしようもないくらいのもどかしさを自分自身に対して感じました。ですが、合格発表で自分の受験番号を発見したときには、これまでに経験したどんなことよりも強烈な喜びを感じ、今までの苦労が瞬時にして大切な思い出へと変わりました。

ここまであきらめずに頑張ってこられたのも、夫や友人を始め、クレアールの先生方やスタッフの皆様など、周囲のサポートがあってこそのことだと思います。本当にありがとうございました。また、これから司法書士試験を目指す皆様にも、ぜひぜひ希望をもって頑張っていただきたいと思います。

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