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「一発合格の秘訣は、択一六法の有効活用」 豊田 崇宏さん

司法書士合格体験記

豊田 崇宏さん

なぜ司法書士を目指したか

 私は大学時代に子どもの心理学を勉強していたこともあり、卒業後は子ども向けの絵本の編集の仕事に携わっていました。約10年間働いて仕事の経験は増えていきましたが、一方で年を重ねるにつれて、子どもの感覚や子どもを持つ若い親御さんや幼稚園・保育園の先生方の感覚から遠ざかっていくように感じ始めるようになり、このまま仕事を続けていくことが自分自身にとっていいのか悩んでいました。

 ちょうどその頃、初めての我が子ができることが分かり、改めて自分のこの先の人生を考えた時に、年齢や経験を重ねるごとに活きてくる仕事に就きたい、会社や自分の周りの環境がどう変わろうと自分一人でも成り立つような仕事に就きたいという思いが強まり、仕事を辞めて司法書士を目指すことを決心しました。またこれまでの学生・社会人生活で全くと言っていいほど無縁であった法律の世界を勉強してみたいという好奇心みたいなものもありました。

なぜクレアールを選んだか

 シンプルな教材で合格に必要な基本を押さえるという考え方が、これまで私が高校や大学の受験勉強の中で教わってきた、「たくさんの参考書を買い込むのではなく、薄い1冊の教材を繰り返す」という勉強方法に近いものを感じたからです。この選択は正解であったと合格した今になって改めて強く感じます。司法書士試験は膨大な法律の知識量の中から、いかに基本を抽出してそれをルーティンのように根気強く勉強し続けていけるかが大事だと思いますので、クレアールさんの教材はそのような勉強方法を実践していく上で最適でした。

 またちょうど子どもが生まれる少し前に仕事を辞めて勉強をスタートするという状況でしたので、子どもが一番かわいい時にたくさん触れ合える時間を作ったり、育児も経験できたりするように、自宅で勉強できる通信教育を選びました。

いつ頃に仕事を辞めて勉強をスタートするかまだ分からなかった時期にどの講座を申し込むのがいいかをスタッフの方が丁寧に説明してくださったこと、さらには価格が安かったこともクレアールさんを選んだ理由のひとつです。

クレアールで学習して良かった点

 教材の良さに尽きるように思います。無駄を省き基本を押さえたテキストは、法律の初学者であった私にとってもストレスなく理解しやすいものでしたし、択一六法は法律の勉強をする上で必要不可欠な条文・先例、その理由づけや具体例などを繰り返し確認することができ、また過去問題集も解説が非常に的を得てシンプルで知識の定着に役立ちました。特にコンパクトサイズの択一六法は、移動時やちょっとした空き時間に活用することができ、出かける際に読む時間が取れるかどうか分からなくても、取り敢えずカバンの中に入れて持ち運んでいました。また、どうしても講義を視聴して新しい知識を学ぶ気が起きない日が、私の場合は1週間に1回くらいのペースでありましたので、その時は択一六法を読んでこれまで学習したことの復習に充てるようにもしていました。受験勉強を通して一番手にする時間が多かったように思います。

 また清水先生の講義は、基本を押さえるという方向性に忠実で、ゆっくり丁寧に解説して頂けるので、ポイントや理由などをメモしながら無理のないペースで視聴することができました。私の知り合いに顔が似ていたこともあって、勝手な親近感を覚えて、「あぁ、今日は散髪されたなぁ」などと一人で楽しみながら勉強することもできました。

クレアールのカリキュラムで有益だった点

 学習初期・中期では択一六法や要点を押さえた復習講義などで合格に必要な基礎力をしっかりと身につけて、学習の後期・直前期では公開模試や実力完成総合答練などで試験に必要な応用力を身につけていくという、短期合格に向けていわば最短距離のようなカリキュラムが組まれていて、そのスケジュールに従って着実に学習を進めていけば一歩一歩合格に近づいていけるように思います。

とは言ってもなかなかそう思うように進まず、私の場合は、第1回目の実力完成総合答練が送られてきたときには、まだ記述の講義が終わっておらず、それからは答練を解くことができないまま2回目以降の答練が怒涛のように送られてきて取り敢えず見なかったことにするという日々がしばらく続きましたが、それでも焦らず手を広げずに、基本書の復習・記述のひな型の練習・総合答練の提出と復習に絞って直前期に追い込めたことが合格につながったように感じています。

私自身が受験してみて、択一での基本問題(←過去問題集のA・Bランクの問題)を落とさないことと、午後の記述にいかに時間を取りケアレスミスをなくすかが試験上重要になってくると思います。直前期の公開模試や実力完成総合答練は、計10回を通して、本試験レベルに近い問題がほぼ全ての科目の範囲を網羅するように掲載されていますので、時間を意識して解くことで、今の自分の実力を測り、時間配分などの試験対策を立てる上での目安として非常に役立ち、この時期に試験への実践力が身につき、自信へとつながっていったように思います。

効果的な学習方法

 択一に関しての勉強は、

 ①講義を視聴する
 ②択一六法で該当箇所を確認する
 ③過去問題集を解く、

を基本的な流れとして進めていきました。

①の講義を視聴する際は、なるべく講師の方が講義の中で話される理由づけや提示されるレジュメや最後のまとめなどを、テキストの空きスペースにメモを取るようにして、ただ単に聴いているだけに終わらないように意識しました。後から復習する際に、こうしてメモを取りながら集中して聴いている箇所の方が、記憶に定着しやすいように思います。

②の択一六法を読んでいく際は、なるべく講義で学んだ理由づけや関連知識などを、自分が思い出せる範囲で書き加えていくようにして、自分だけの参考書が完成するような形で進めていきました。初めの方はなかなか時間のかかる作業でしたが、択一六法を一番手にする機会の多かった私にとっては、ここに知識を集約させることによって、あとで繰り返し復習していく際に、非常に効率よく進めていくことができたように思います。

③の過去問題集を解いていく際は、肢ごとの正誤を判断するだけでなく、その理由を考えてメモしながら解いていくようにしました。これは講師の方も講義の中でたびたび仰られていたことで、①~③までのいずれの学習の段階にも共通することですが、きちんと法律の理由や背景、具体的イメージなどを理解することが、試験での応用力につながり、択一で安定した得点を取れる秘訣になってくると思います。本試験の択一問題では過去に問われた問題が繰り返し出題されるケースが多いですが、全く同じ文章で問われることはほとんどなく、少し問い方や角度を変えた出題をされることが多いように思います。その時に条文や先例の理由をしっかりと押さえているかどうかによって、そうした問題への対応力が変わってきます。ですので、私の場合は過去問題集を何度も何度も繰り返すことはあまりせずに、択一六法を繰り返し読むことで理由を理解したり、過去問題集では正誤を間違えたところや理由があやふやな所を中心に勉強していくようにしていました。

 あとは、講義が5、6回分くらい進んだところで復習講義を視聴して記憶を定期的に蘇らせるようにしておき、科目の講義が全て終わった段階で、テキストと過去問題集をひと通り復習した後に、次の科目に進んでいくというペースで進めていきました。

 記述に関しての勉強は、①講義を視聴する②該当・関連するひな型を書いて覚える③問題集や記述式ハイパートレーニングを解く、という流れで学習を進めていきました。講師の方も仰っていたように、記述はとにかくひな型を書くことに尽きると思います。私はペンの持ち方が少し変なので親指の内側にペンだこができるのですが、記述の学習をしていた時期は、大きなペンだこが膨れ上がって、薬局で「いぼころり」のような薬を買って、定期的にペンだこを除去しながら勉強していました(正しい使用方法かは分かりません…。試験が終わってからはすっかり良くなり、普通の親指にすぐに戻りました)。

 記述試験は時間との勝負になりますので、まずは繰り返し書いてスピードを上げていくことが必要になってきます。さらには、1つ1つのひな型や記述式ハイパートレーニングのような小問を解くことで身につけた記述の型のひきだしを本試験での事実関係に当てはめて正確に出せるかのスピードも重要です。これに近道などはなく、ひたすら書いて1歩1歩積み上げていくことでしか方法はないように思います。

 直前期の勉強は、総合答練の提出と復習を優先し、それがない日は、午前中は記述のひな型の練習と記述式ハイパートレーニングの復習に充て、午後からはテキストや過去問題集の復習などの択一対策に充てました。択一を復習していく際には、知識が定着していない苦手な部分をあぶり出して、その部分のみを学習していくことを心掛けていました。テキストの復習では、ひと通り読んでいきながらあやふやな知識をメモ用紙に書き出して壁に貼って、勉強の合間に見返すようにしていました。過去問題集の復習では、理由があやふやで肢の正誤の判断ができない所をチェックしていき、その部分だけを繰り返し勉強していくようにしました。

 本試験を見据えた直前期の勉強では、なかなか自分の記憶に引っかかってこない苦手な分野や箇所を認識して、そうした自分の穴を埋めていくような作業に絞って学習していくことが、択一問題で安定的な得点を稼ぎ、合格へとつながっていくのではないかと思います。私の場合は、ちょうど直前期に育児休暇を取っていた妻が職場復帰して、子どもの保育園の送り迎えから寝かしつけまでをしながら、合間の時間に勉強をするというスケジュールになり、初めの方はなかなか勉強時間が確保できずに焦る気持ちもありましたが、今にして思い返すと、こうして限られた時間の中であったからこそ、試験前にあれもこれもしておきたいという誘惑を断ち切り、自分の記憶に定着している分野は思い切って捨てて、苦手分野に絞り込んで効率的に勉強できたことがよかったように思います。

お試し受験の感想

 1回目の受験は、学習をスタートしてから半年弱くらいで、まだ民法と不動産登記法の講義・復習を終えて会社法の講義を始めたくらいでしたので、ほとんど解ける問題がなく自分の運を試すような試験で、結果は散々でしたが、試験会場の雰囲気や試験の流れ、机が狭いことを確認できたことと、学習していた民法と不動産登記法は8割くらいが正解でき、自分の勉強方法が間違っていないことの自信や確認につながりました。

合格を目指す方へのアドバイス

 膨大な法律の知識を学んでいく息の長い勉強になりますので、人から与えられたものばかりではなく、自分の学習スタイルを持ち、それをルーティン化していけるかが重要になってくるかと思います。私も最初は勉強方法を模索して試行錯誤し、なかなか思うように進まずに苦しい時期もありましたが、自分に合ったペースをつかめるようになってくると、知識の定着や理解度がぐんとアップして効率も上がってきます。合格への極端な近道はないと思いますので、頑張りすぎず頑張らなさすぎずに、コツコツと積み上げていってください。

 

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