『基本事項を徹底的に繰り返しインプットすることが合格の秘訣』 T.Sさん

『基本事項を徹底的に繰り返しインプットすることが合格の秘訣』

 T.Sさん

‐なぜ司法書士資格を目指したか

私は、地方公務員として数年勤めていました。漠然と、社会の一部として何らかの役には立ちたいとは考えていたため、仕事は思いっきりやりました。しかし、それが物足りなくもありました。もっと直接的に自分の力を使えないだろうかという考えが強くなっていき、それと並行して、独立して働けるようになりたいとも思うようになっていました。そして、転職などについて色々と調べるようになり、独立可能で、かつ、登記・訴訟・成年後見等、公共性のある分野を突きつめていける司法書士を目指すことを決めました。

‐予備校選びのポイント

司法書士試験について詳しく調べたところ、大変な難易度の資格試験であることがわかりました。中途半端な気持ちで臨めば合格まで時間がかかってしまうと判断し、退職して、すべての時間を試験勉強に費やす決心をしました。

その頃、仕事ではある制度の改変の真っ只中にあったため、それが落ち着くまでの2年のあいだは貯蓄と予備校選びに努めました。学習スタイルについては、独学を選ばれる方もいると耳にしましたが、まったくの法律初学者といえる自分には充実した質問態勢が不可欠だろうと考え、予備校を利用するということはすぐに決断ができました。おのずから、予備校選びも質問態勢の充実度を重視しました。各予備校の説明会に参加し、講義内容や理解できない点についての質問はどのようになっているか確認していったところ、最も充実しているように感じたのがクレアールでした。私はほとんどの予備校の説明会に参加しましたが、クレアールの講師・スタッフの方々の親身になってくれる姿勢は、特に心に残るものがありました(上記のとおり、司法書士試験に挑戦することを決めてから実際に勉強を開始するまで2年ほど時間があったため、クレアールの説明会にも間隔をあけて数度参加しましたが、2回目に行ったときにはもう私の顔と名前を覚えていてくれたのでとても驚いた記憶があります)。

こういったことも、資格予備校を利用したことがない私を安心させ、勉強だけに集中できる環境があると感じることができました。

‐クレアールの良かった点

私がクレアールで良かったと思う具体的なものは、商業登記の合格書式マニュアルと過去問題集です。

まず合格書式マニュアルですが、ひな形とそれに関連する論点がコンパクトにまとめられており、情報量として丁度いいと感じました。ひな形だけが載っていてもあまり力が付いてこないでしょうし、情報量が多すぎればテキストのようになってしまい単にひな形を確認したいようなときに使い勝手が悪くなると思います。しかし、この合格書式マニュアルは、学習の最終期になれば頭からとおして読んでいってもさほど時間をとられませんし、かといってひな形だけをただ漫然とながめているようなことには決してなりません。そのため、記述式が気になったときに短時間で全範囲のチェックをすることができ、時間がないと焦りの出る直前期にもとても助けになる教材となりました。

そして過去問題集ですが、クレアールの過去問の解説は素晴らしいと思います。市販されている過去問題集をつかっていた時期も少しありましたが、解説が解説になっていないようなものもあり、結局クレアールの過去問題集を受験勉強の期間をとおしてずっとつかいました。クレアールの解説は、本当に芯から解説されているような印象があります。そのため、制度趣旨から丸ごと理解できることが数多くあったように思います。
また、度々になりますが、わからなかった点についてはわかるようになるまで質問に付き合ってくれたこともクレアールの良かった点として挙げることができると思います。そしてこのような質問を繰り返しながら感じた事は、私のような初学者の質問にも親身に丁寧に回答いただける予備校のスタンスが、結局は予備校の情報ストックとなり、今の自分に返っているということです。だから、どんな質問をしても、必ず自分が理解でききる説明を見出していただけたのだと感じました。

私の学習法

‐1年目の学習

私の勉強方法としては、まずカリキュラムを崩すことなくこなすことを絶対のこととしました。また、1回の講義で生じた疑問点は後回しにせず、必ずその時に質問するなどして解決するように心がけました。こういったものはたまり出すとどんどん増えていってしまうと考えたからです。そこで、『受講する→翌日必ず復習を終わらす→疑問点を整理して質問する→次回の講義を受講』という流れを意識し、それを生活習慣のようにしました。過去問も学習初期の段階から、講義の進捗に応じてどんどんやるようにしました。講義がある時期はこのような学習方法でした。そして、一通り講義が終了し答練の時期に入ったところで、とにかく過去問をくり返し、できない肢をあぶり出してそれをさらに解くという作業をしました。記述式については、毎日2時間ぐらい時間をとって、その時間でこなせるだけひな形の暗記をし、問題を解いていました。

以上が1年目の大まかな学習方法でした。

過去問を中心として目一杯勉強をしたつもりでしたが、答練での成績は思わしいものではありませんでした。しかし、落ち込んでいる暇はないと、また過去問に取り組むという学習をくり返しました。というよりも、今ふり返ってみればただ遮二無二やっていたように思います。なぜなら、成績が出ないあまり、答練は参考にならないというような流言に惑わされて、答練は受け捨てにするものと決めつけ復習を一切しなかったからです。集中力を欠いて答練を受けていたためか、良い意味での試験慣れ(時間配分や解法が身に付くこと)といったことも答練からは得ることができませんでした。このような状態でむかえた1回目の本試験は、午前の部24問・午後の部25問で基準点を突破することすらできませんでした。退職し、専業受験生にまでなったのにこの不甲斐ない成績で、本当に情けない思いでした。

‐2年目のリベンジ

専業受験生であり、すべての時間を勉強時間にあてていましたが、ただ時間があるからといって無計画に勉強をしていたのでは合格にたどり着けないのではないか、もっと戦略的に本試験をとらえる必要があるのではないかと考えるようになりました。そこで、まず予備校で実施される本試験分析会に参加するなどして、自分なりに本試験の分析をしました。

私が本試験を受けて痛感したのは、過去問だけでは合格できないということです。私なりに過去問はすべて解けるという状態で本試験に臨んだつもりでしたが、5肢のうちから、正答できるほどに肢をきっていくことまではできませんでした。
ここで私は、一度過去問からは離れることを決めました。これは過去問を軽視したのではなく、自分には知識を増やしていくことが先決だと考えたからです。1年目の学習で過去問は少なくとも20回はやり、全肢正誤がわかるようになっていたので、また過去問をくり返しても力は伸びていかないと考えました。

【合格のための学習法】

具体的にどのような学習をしたかといえば、テキストの端々まで読むこと、答練の全問全肢を自分の知識にすることでした。つまり、とにもかくにもインプットに力を入れるという方法です。学習をすすめていけば、いろいろな教材・答練に触れることになると思いますが、各科目1冊ずつベースとなる教材を決め、それに情報の一元化をしていきました。そして、それを何度も、時間をかけてでも、頭に刻み込むようにして読んでいきました。ある程度定着してきたと感じたところで、頭にあまり入っていない点にマーカーでラインを引きました。こうすることで次に読むときには、ラインのあるところが自分の理解できていない点だとわかり、その部分を読むときにはさらに集中するといったメリハリをつけることもできるようになりました。

また、科目ごとの勉強時間の配分にも気をつけるようにしました。ただし、これは大抵出題数に応じたテキストのボリュームになっていますので、科目の重要度と勉強時間が自然と比例していくようにも思います。私の配分の方法は、例えば1か月で全科目1周すると決めたとすれば、各科目のテキストのページ数を30日で割って1日のノルマを算出するといったかたちでした。

そして、直前3か月になってやっと過去問に取りかかりました。それだけ時間をおいていたので、初めて解くような感覚で、まさに問題演習として過去問に触れることができました。さらに、充実したインプット期間のおかげで知識が増えていたため、過去問を解いたところで、「これに似た論点があったよな。」というようなことに気付くようになり、一元化したテキストに戻って過去問周辺知識もまとめて押さえるということができるようになりました。そのうえ、単純に過去問知識ひとつを覚えるよりも、比較となり得る知識と抱き合わせで覚えるほうがむしろ記憶が定着し、記憶を引っぱりだすための取っ掛かりが増えるという利点もありました。

もう一点、本試験を分析し2年目の学習で気をつけたところは、記述式の学習方法でした。記述式は、受験生みんながびっくりしてしまうような問題が出題されれば総じて得点数が低くなり、本当は力がある受験生でも差がつかず、努力に比例した点数が得られるとは限らないと考えたからです。また、択一式の理解が深まれば、それが記述式の力にもなることを1年目の学習から実感していました。そこで、1年目から安定して高得点が取れていた不動産登記の記述式は、記述式対策として特に時間をもうけて学習するということを止めました。商業登記についても、まず問題演習をしてみて復習に力を入れるというかたちに変えました。このような学習スタイルでも、記述式について他の受験生に差をつけられるということはなかったです。ただし、これも1年目に必死になって記述式の学習をしていた貯金があったから決断できたのだと思います。

【合格して思ったこと】

2年目の学習をまとめますと、①おそれず知識の拡大を図ること、②択一式と記述式の学習バランスを意識することの2点です。この2点を盛り込んで計画的に学習したためか、24年度の本試験では、択一式の得点を大幅に伸ばし、記述式は基準点を超える得点を取るという、予定通りの成績で合格することができました。

‐リベンジ合格を目指す方へ

本気で勉強した人であればあるほど、不合格のショックは大きいものだと思います。しかし、不合格によってそれまでの学習がゼロになってしまうわけではありません。学習初期の自分よりも、1年目の学習を終え本試験を経験してきた自分のほうがはるかに合格に近づいているはずです。私の実感からいえば、初学者として次から次へ新しい科目をこなしていかなければならなかった時期が、学習期間をとおして最もつらい時期でした。その期間を越えてきた方々の合格は、もうほんの少し先にあると思います。これまで歯を食いしばってきた自分自身を信じて頑張ってください。

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