「大切なことは、最後までやり遂げること」竹村 茂明さん

竹村 茂明さん

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司法書士を目指した理由

私は、3回の受験(お試し受験を除く)で合格することができました。学習期間はおよそ4年間です。そのうち1年半は学習専業でした。司法書士の資格に挑戦した理由は「死に物狂いで努力して何かを成し遂げたい」と考えたからです。これまでを振り返ると、明確な目標や目的もなく、ただ流されるままの受動的なものでした。そこには必死で努力したという記憶は全くありません。そこで、人生で一度は高い目標を必死に努力してつかみ取るという経験をしてみたいと思うようになったのがきっかけです。開始してからおよそ1年半は仕事を続けながらの学習でした。両立とはいかず仕事の片手間に学習するという具合でした。クレアールを選んだ理由も受講料面とWeb講義により仕事をしながらでも学習可能というところでした。当時は、この投資が無駄にならなければいいけどなあ・・・ぐらいに思っていました。そのような甘い考えを一変させたのがお試し受験でした。

お試し受験

最初に受講したコースは2016年目標の初学者向け2年コースでしたので、2015年のお試し受験では、択一科目の基本講義の受講をなんとか終えたぐらいの進捗状況でした。当時は、司法書士試験についての知識がほとんどなく、国家試験なのだからそれ相応の服装をしていかなければならないだろうと思い、スーツと革靴で会場に向かった事を覚えています。しかしそんなのは私一人で、他の受験生はかなりラフな格好で、サンダル履きの人までいて驚きました。翌年以降は過酷な試験に耐えられるようにリラックスできる服装にしました。そして、この試験で衝撃を受けました。1年程は学習してきたにもかかわらず全く問題がわかりません。講義で聞いたことのある用語が並んではいるものの、知識があやふやで1問として確信して解答できた問題はありませんでした。さらに記述式問題の難解さに驚愕しました。はたして、基準点及び合格点を超えるようになる日が来るのだろうか・・・。確実に言えることは、これまでの取り組み方では何年勉強しても合格できないという思いでした。そこで、熟考の末その年の暮れに会社を退職して学習に専念することを決断しました。

2年目の学習

この頃から本格的に学習を開始したようなものでした。学習時間は確保できるようになったものの、目標の本試験まで6か月しかなく、出来ることは限られていました。これまでの知識は不明確でとても使えるものではなかったので、初めから択一科目の講義を視聴し直し、並行して過去問を解きました。2016年の試験までは、とにかく毎日過去問を解いていたように思います。もし過去問知識が出題されたなら必ず得点できるようにする事を念頭に学習しました。しかし、膨大な量になりますので講師のアドバイス通り「正」の字を付けて自分の理解度を把握し、特に重要な論点には付箋を貼り付け、直前期にそこだけを確認して時間短縮を図りました。この年の試験では択一式の基準点は超えましたが、上乗せ点はほとんど無く、記述式は8割が白紙でした。最大の反省点は、調整不足でした。会社を辞め、テレビを見ず、趣味も控え、人付き合いもほとんどせず、学習に専念しました。当初はモチベーションも高く、やる気に満ちて1日10時間以上は学習しました。ところが、試験まで3か月を切った頃、さすがに息切れがし、モチベーションも下がり、学習に集中できない日が続きました。本来ならば、モチベーションやコンディションが試験当日にピークになるように調整できなければならないところ、この年の私は全く逆で試験が近づくにつれて落ち込んでいきました。

3年目の学習

次の試験に向けては、前回の反省を踏まえ無理な計画は立てず、適度に息抜きをする事にしました。講座は、2017年・2018年目標の中上級パーフェクトBコース(安心保証プラン付)を受講しました。これは、択一六法中心の講義でした。この択一六法はとても有益でした。これまでバラバラだった過去問知識が、択一六法を読み込む事で条文毎に関連論点と共にきれいに整理されていくように感じました。また、横断整理もできました。年内は、主要4科目の択一六法を丁寧に熟読しました。年明けからは、また過去問での学習をしました。しかし今回は、やみくもに解くのではなく、過去問の出題論点に関する条文、判例、関連論点及び比較論点を択一六法でひとつずつ確認しながら進めました。これには、とても手間がかかりましたが、飛躍的に得点が安定しました。この年の試験は、直前期の調整がうまく行き、択一式の基準点を超え十分な上乗せ点も取ることが出来ましたが、記述式でわずかに基準点を割り、足切りとなりました。

4年目の学習

今年の試験に向けては、経済上の事情から仕事をしながらの学習を余儀なくされました。学習時間が大幅に制限される中、択一の実力を維持する事に努めました。結果的に安心保証プランを付けておいて正解でした。なぜなら今年受講した古川講師の択一基準点攻略マスター講義により、必要最小限の知識を効率よくコンパクトに学習することが出来たからです。まさに今年の課題にぴったりの講座でした。その上、基礎知識や重要論点がもれなく盛り込まれているにもかかわらず科目ごとの講義レジュメの薄いところが気に入りました。1日で読み切る事も可能でした。このレジュメにある知識、論点は全て覚えました。また、民法と不登法の講義は通勤時間を利用して音声学習を活用しました。民法20講義、不登法18講義なので1日1講義ずつ倍速で聞けば20日あまりで1回転します。試験まで繰り返し、講師が咳をするタイミングや言い間違えるところが分かるぐらいになるまで聴き込みました。否応なしにも知識が定着しました。おかげで択一の学習時間は短縮されたにもかかわらず、知識レベルは維持できました。その証拠に今年の試験では、昨年を上回る上乗せ点を確保できました。そして記述式対策に多くの時間をまわせたことにより合格することが出来ました。

試験への臨み方

本番に弱い私が試験に臨む上では、自分のスタイルにこだわりました。要するに、試験に飲まれるのではなく、自分のペースを作り、逆に主導権を握るぐらいのつもりで挑むようにしました。午前の択一は比較的時間に余裕があります。したがって、ケアレスミスだけは絶対にしないように時間をかけて慎重に解答します。よほど確信が持てない限り全肢検討します。迷った問題はチェックをしておき、後で再度検討します。そして、午前の科目で出来るだけ上乗せ点を狙います。一方、午後の択一式・記述式は時間が足りません。解答時間は択一式で1時間、記述式で2時間という一般的な配分を目標にしていましたが、私にとって午後の択一式を1時間以内に解き切るというのは至難の業でした。そこで、注目したのが民訴法から供託法までの11問のいわゆるマイナー科目でした。これまでの模試等の経験上、午後の試験開始からこの11問目までをより速く、より正確に滑り出すことによって、試験のペースがつかめ、気持ちに余裕が出てきます。そのリズムに乗って、登記法は何問か落としても仕様がないぐらいの気持ちで大胆に、かつテンポよく判断して時間内に解き切ります。そして、記述式は落ち着いて答案構成を検討して解答します。このスタイルにハマった時は良い成績を取ることができました。

そこで、民訴法から供託法までの11問の科目を1科目とみなし、重要視して毎日少しでも時間を割いて学習しました。時間の取れないときは民訴法等だけ、又は司法書士法と供託法だけという具合にしました。11問という問題数からすると、これはもう立派な主要科目と言ってもよいと思います。これまでの経験上、不登法や商登法は比較的難度も高く、いくら学習しても必ず3問から4問ずつは落としてしまいます。それは、問題形式がまちまちだったり、長文があったりして時間を費やす反面、十分な検討時間が取れず、また過去問知識では正解肢を一つに絞り切れない問題や論点が判り難い問題が少なくないからです。これに対して、民訴法から供託法までの11問の科目は、文章も読み易く、比較的論点がはっきりしています。得意科目となればスピーディーに10問以上安定した得点をすることも可能です。ここ数年、午後の択一の基準点が24問であることを考慮すれば、そのうち10問は確保できると考えただけで気持ちが楽になります。だからと言って登記法をおろそかにするという事ではありません。司法書士試験は登記法を攻略しなければ合格することが難しい試験だからです。

今年の本試験

それでは、今年の本試験に当てはめてどうだったのかというと、やはり本試験は一筋縄ではいきませんでした。周知の通り今年の午後の択一は、1問目から4問目まで選択肢の2が続き、5問目が逸脱問題で、さらに6問目も選択肢の2でした。これには民訴法等を得意としていましたが、さすがに動揺しました。無意識のうちに必要以上に慎重になり、不登法の後半から時間に追われ商登法までの検討がグダグダになってしまいました。結果的に午後の択一を解き終わるまで1時間10分を費やしてしまったため、かなり追い込まれた状況で記述式の解答を書き上げました。試験終了の瞬間は「今年もダメだ」が率直な感触でした。後日、恐る恐る自己採点をしました。やはり午後択一の後半は立て続けに失点していましたが、民訴法から供託法までの11問はノーミスでした。おかげで最少失点に留まる事が出来ました。あながちマイナー科目に力を入れたことも間違いではなかったのではないかと思っています。

最後に

司法書士試験は実力があっても必ず合格できるとは限らない試験です。本試験を想定して自分のペースをつかむ工夫や準備をする事が必要なのではないかと思います。やるべき事をしていれば、本番で多少うまくいかなくても必ず合格点は超えるものです。月並みですが最後まで諦めずにやり遂げることが大切です。

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