第1023条【前の遺言と後の遺言との抵触等】
① 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
② 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。
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【解釈・判例】
1.「抵触」とは、前の遺言を失効させなければ、後の遺言の内容を実現できない程度に内容が矛盾する場合だけでなく、諸般の事情からみて後の行為が前の遺言と両立させない趣旨のもとになされたことが明らかな場合をも包含する(大判昭18.3.19、最判昭56.11.13)。
2.遺言者が前の遺言の存在を忘れている場合であっても、本条は適用される。
【問題】
遺言者が、A土地を甲に遺贈する旨の遺言をした後、遺言の内容を失念して、この土地を乙に贈与したときは、遺言は撤回されたものとみなされる
【平18-24-エ改:〇】