第1013条【遺言の執行の妨害行為の禁止】
① 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
② 前項の規定に違反してした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
③ 前二項の規定は、相続人の債権者(相続債権者を含む。)が相続財産についてその権利を行使することを妨げない。
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【解釈・判例】
1.「遺言執行者がある場合」とは、遺言執行者として指定された者が就職を承諾する前をも含む(最判昭62.4.23)。
2.例えば、遺言執行者がある場合に、相続人が遺贈の目的物である不動産を第三者に売却したときは、当該売買契約は原則として無効となる(2項本文)。ただし、相続人に不動産の処分権限がないことを当該第三者が知らなかったときは、当該売買契約は、相続人と当該第三者との間では有効なものとして取り扱われる(2項ただし書)。