第1002条【負担付遺贈】
① 負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。
② 受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
目次
【解釈・判例】
1.本条は、特定遺贈と包括遺贈に適用される。
2.負担付遺贈は、受遺者の負担の履行が停止条件ではないから、受遺者が負担を履行しなくても、遺贈の効力は遺言者の死亡の時に生じる。また、負担の履行は解除条件でもない。受遺者が負担を履行しなくても、遺贈が無効になるわけではない。
3.受遺者が負担を履行せずに死亡した場合は、受遺者の相続人が負担義務を承継する(1027条参照)。
4.受遺者が負担付遺贈を放棄した場合、遺言者が別段の意思表示をしていなければ、当然に受益者は受遺者となり、負担付遺贈を承認することによって、その地位が確定する(通説)。