第990条【包括受遺者の権利義務】
包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。
目次
【解釈・判例】
1.包括遺贈とは、財産の全部又は一部を一定の割合で示して包括的に譲渡する遺贈をいう(例:「全財産を遺贈する」「総財産の3分の1を遺贈する」)。
2.包括遺贈の効果
(1) 包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有する。
(2) 遺言者死亡の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務(消極財産を含む)を承継し、遺産分割協議にも参加する。
(3) 包括遺贈の承認・放棄は、相続の承認・放棄と同じ手続(915条、938条)によってしなければならない。法定単純承認の規定(921条)も準用される。
(4) その他、相続分取戻権(905条)に関する規定などが包括受遺者に適用される。しかし、包括受遺者は相続人そのものではないから、遺留分や代襲相続に関する規定は適用されない。
3.包括遺贈による不動産の取得を第三者に対抗するには、登記が必要であると解されている。
【問題】
包括遺贈を受けた法人は、遺産分割協議に参加することができる
【平18-24-イ:〇】