第878条【扶養の順位】
扶養をする義務のある者が数人ある場合において、扶養をすべき者の順序について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。扶養を受ける権利のある者が数人ある場合において、扶養義務者の資力がその全員を扶養するのに足りないときの扶養を受けるべき者の順序についても、同様とする。
目次
【解釈・判例】
1.1人の扶養権利者に対し扶養義務者が数人ある場合、または数人の扶養権利者に対し扶養義務者の資力がその全員を扶養するに足りない場合に、まず誰が扶養するべきか、また、誰を扶養するべきかについて、扶養当事者間の協議を原則とし、協議不調・不能なときは、家庭裁判所の審判により、決定される。
2.要扶養者を現に扶養してきた扶養義務者が相当な扶養をしていない場合に、現扶養義務者の意思に反して、他の扶養義務者が要扶養者を引き取って扶養した場合、必ずしも当該他の扶養義務者が扶養料の全額を負担するわけではない(最判昭26.2.13)。