第840条【未成年後見人の選任】
① 前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様とする。
② 未成年後見人がある場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは未成年後見人の請求により又は職権で、更に未成年後見人を選任することができる。
③ 未成年後見人を選任するには、未成年被後見人の年齢、心身の状態並びに生活及び財産の状況、未成年後見人となる者の職業及び経歴並びに未成年被後見人との利害関係の有無(未成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と未成年被後見人との利害関係の有無)、未成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。
目次
【解釈・判例】
1.複数の未成年後見人を選任することや法人を未成年後見人として選任することも可能である(民840条3項括弧書)。いずれも未成年後見人の負担を軽減する趣旨である。
2.家庭裁判所の職権で未成年後見人を追加的に選任することができる(民840条2項)。
3.未成年後見人の選任の際の考慮事項として、成年後見人の場合と異なり、未成年被後見人の年齢が掲げられている(民840条3項、843条4項参照)。未成年被後見人の年齢によって、未成年後見人に求められる職務の内容や継続期間等が大きく異なると考えられるためである。
【問題】
未成年者Aについて未成年後見が開始された場合には、家庭裁判所は、未成年後見人を複数選任することはできない
【平29-21-ウ:×】