第786条【認知の無効の訴え】
① 次の各号に掲げる者は、それぞれ当該各号に定める時(第783条第1項の規定による認知がされた場合にあっては、子の出生の時)から7年以内に限り、認知についての反対の事実があることを理由として、認知の無効の訴えを提起することができる。ただし、第3号に掲げる者について、その認知の無効の主張が子の利益を害することが明らかなときは、この限りではない。
一 子又はその法定代理人 子又はその法定代理人が認知を知った時
二 認知をした者 認知の時
三 子の母 子の母が認知を知った時
② 子は、その子を認知した者と認知後に継続して同居した期間(当該期間が2以上あるときは、そのうち最も長い期間)が3年を下回るときは、前項(第1号に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、21歳に達するまでの間、認知の無効の訴えを提起することができる。ただし、子による認知の無効の主張が認知をした者による養育の状況に照らして認知をした者の利益を著しく害するときは、この限りでない。
③ 前項の規定は、同項に規定する子の法定代理人が第1項の認知の無効の訴えを提起する場合には、適用しない。
④ 第1項及び第2項の規定により認知が無効とされた場合であっても、子は認知をした者が支出した子の監護に要した費用を償還する義務を負わない。
目次
【解釈・判例】
1.認知無効の訴えの提訴権者は、子、認知をした者(父)及び母である。
2.認知無効の訴えの出訴期間は、1項各号の起算点から原則として7年以内である。
3.子については、一定の要件を充たす場合(その子を認知した者と認知後に継続して同居した期間が3年を下回る場合)は、21歳に達するまで認知無効の訴えを提起できる。