第764条【婚姻の規定の準用】
第738条【成年被後見人の婚姻】、第739条【婚姻の届出】及び第747条【詐欺又は強迫による婚姻の取消し】の規定は、協議上の離婚について準用する。
目次
【解釈・判例】
1.協議離婚の無効については、婚姻の無効に関する民法742条を本条では準用してないが、協議離婚は両当事者の合意と届出によって成立する点において婚姻と共通の性質を有するので、民法742条が協議離婚の場合に類推適用される(通説)。
2.協議離婚の取消しは、詐欺・強迫による協議離婚の場合に認められるが、この取消権は、当事者が詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後3か月を経過し、または追認をしたときは、消滅する。
3.協議離婚の取消しの効果は、婚姻の取消しの場合と異なり、届出の時に遡及する(cf.婚姻の取消しの場合、遡及効を有しない。748条1項)。
4.詐欺・強迫による協議離婚の取消の請求ができるのは、離婚の当事者に限られる。この取消しは、私益的立場から認められるものだから。
5.無効な協議離婚の追認は、認められる(通説・最判昭42.12.8)。