第748条【婚姻の取消しの効力】
① 婚姻の取消しは、将来に向かってのみその効力を生ずる。
② 婚姻の時においてその取消しの原因があることを知らなかった当事者が、婚姻によって財産を得たときは、現に利益を受けている限度において、その返還をしなければならない。
③ 婚姻の時においてその取消しの原因があることを知っていた当事者は、婚姻によって得た利益の全部を返還しなければならない。この場合において、相手方が善意であったときは、これに対して損害を賠償する責任を負う。
目次
【超訳】
① 一般の取消しには遡及効があるが、婚姻の取消には遡及効はない(原則)。
②③ 財産関係に関しては一定の範囲で遡及効を認め、善意の婚姻当事者は、婚姻によって得た財産のうち現に利益を受ける限度で、返還しなければならない。悪意の婚姻当事者は、婚姻によって得た利益の全部を返還する必要があり、さらに、相手方が善意であったときは損害賠償の責任も負う。
【解釈・判例】
1.取り消しうべき婚姻から生まれた子は、その婚姻が取り消されても、嫡出子たる身分を失わない。準正子についても同様である。